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資本主義と企業価値!

皆さん、おはようございます。
冬の寒さの中での日の光で家の周囲に積っていた根雪が随分とけました。
風もなく日が射し込んでいますと暖かくすら感じるようになってきましたね。
春がもうそこまでやってきているのでしょうか。。


先日の富士フィルムによる米ゼロックスの買収と子会社である富士ゼロックスと米ゼロックスの経営統合を目の当たりにして、資本主義社会では、株式公開企業は成長をし続けなければならないのかという疑問が浮かび上がります。今回の買収劇も米ゼロックス側の主要株主から同社の株価が低迷していることに強くけん制されたからに他なりません。



永年事業を行っていますと業績が良い時もあれば、振わない時もあるはずです。きっと将来に対するビジョンを描き切れないでいることに対するジレンマがあったものと思います。そうなると、結局は資本の論理として手っ取り早い方法として、M&Aを行い企業の規模を嵩上げして合理化を図って行くことを選択せざるを得なくなります。


それは、株式を公開している企業に対して株主は自らが投資した資本コスト以上のリターン(=株価を上げるか配当を渡す)を当然に求めます。しかし、株式公開企業にとって必ずしも株主が求める累積的リターン以上の利益を毎年上げ続けて行くことが、長期的な視点で安定した経営を行う上で逆に足枷とならないのか疑問に思うことがあります。


オーナー系企業の中には株式を公開したものの、経営の自由度が狭められてしまうので、株式公開を取り止める会社もある時代です。非公開会社であっても、企業として成長し続けて行くべきであることは間違いないのですが、その成長のスピードを考えた時に、必ずしも第三者株主の存在が企業にとってプラスとなる時ばかりではない様に思えます。


もう一つの話題提供ですが、和菓子の虎屋は創業して500年も経過するそうです。伝統の味を守り続けて、その歴史の中で築き上げられた信用力が虎屋という企業のブランドとして生き付いています。もちろん虎屋は株式公開をしておらず、富士フィルムや米ゼロックスなどに比べれば規模は小さいですが、企業としての歴史が一桁異なっています。


どちらが良くて、どちらが悪いという類の話しではありませんが、いまのご時世、大方の人が虎屋の方に親しみやすさを持つのではないでしょうか。
富士フィルムグループも社会に貢献する製品を多数世に送り出してきた訳ですから、社会にとって不可欠な存在であることに疑う余地もありません。


その答えを探しに、第一次産業革命にまで遡る必要があると思います。蒸気機関の発明により機械生産が可能となり、その後もオートメーション化、情報化と続いて行く訳です。
それにより、大量生産が可能となり、販売価格をどんどん下げることに成功します。価格が下がり、多くの人々がその製品を手にすることが可能となった訳です。


これが大量生産大量消費型社会です。当然に大量生産する為には大きな工場を用意して、高価な生産設備を設置しなければなりません。そうすると、当然に莫大な資本投下が必要になり、資本市場が登場する訳です。とてもではありませんが、創業者の自己資金だけでは投下資本が足りませんので、第三者の株主から資金を集める必要があります。


一方、伝統的な手づくりの製品を提供する会社は、それほど大掛かりな生産設備も資本も必要ありませんが、大量生産できませんので、当然に販売価格を下げられません。
手づくりの製品と工業製品の味を比較した時にどちらが美味しいかという嗜好の問題はありますが、現代では一般的に手づくりの方が美味しいと思われているでしょう。


企業に歴史があった方が、お客様との遣り取りの中で品質の改良に次ぐ改良が行われ、製品に磨きが掛かっていくことは直感的にも推測できると思います。
それが時間軸の中で築き上げられる「信用」というものであり、商品ブランドであったり、コーポレートブランドに化体される経済的な価値であると言えるものだと思います。


最近、大手の企業不祥事が続いています。その一面だけ見ますと、資本主義による大量生産大量消費型のビジネスモデルに限界があるのではないかと思わさせてしまいます。
大衆に安く製品を販売し社会を豊かにした功績があるはずですが、利益を追求するが余り、より良き社会市民であることが忘れ去られてしまったのでしょう。


手づくりを目指すか、工業生産を目指すかは創業者の意思だと思います。いまの社会はそのどちらも必要としています。ただし、何れを目指す場合においても共通しているのは、長い月日に裏付けられた製品や企業の「信用」だと思います。企業には栄枯盛衰があります。最後まで信用を守り続けることが、企業にとっての使命ではないでしょうか。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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