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生涯現役社会!

皆さん、おはようございます!
松本での三日目の朝を迎えました。空気が澄んでいる分、外気が冷たく感じます。
目線を少し上に向ければ、まちを囲むようにアルプスの山々が視界に飛び込んできます。
普段、東京に住んでいますと、景観だけでも贅沢な地域の資源だとつくづく感じます。


先日、新聞に「熟年力で生涯現役」という特集が掲載されていました。
それが定年退職後の雇用延長を遥かに超える年齢の3名で、60歳代後半から70歳代前半の方々です。今後、少子高齢化と生産年齢人口減少、さらには人生100年時代を迎える中にあって、企業も新たな取り組みに動き出していると率直に思いました。



一人は、生命保険会社に44年間も勤める営業職の女性で、年齢は72歳。今ではお客様の孫、ひ孫の代まで契約をお預かりするそうです。熟練の生保レディという感じでしょうか。もう一人は、ハウスメーカーに営業畑一筋に32年間勤める男性で、67歳のいまも嘱託社員として土地売却情報の収集する仕事に携わっていらっしゃいます。


そして証券会社に勤める68歳の方で、60歳の時に資格を取得されて、現在ではファイナンシャルアドバイザーとして活躍しているそうです。驚くことに、3社のうち2社はそもそも営業職の定年制度を撤廃しており、もう1社は制度として再雇用する仕組みを設けているとのことです。


お三方とも、一線級の現役でバリバリ仕事をされており、生涯年齢が伸びていく中で、生き甲斐を感じながら収入も得られますので、こんなに良いことはないと思います。
企業側から見ましても、来るべき生産年齢人口の減少に備えた布石として、また長年築き上げてきた知見や人脈を後身に伝承する意味も含まれているようです。


生涯年齢が伸びていることと人口減少問題が上手く組み合わさり、必然の結果として実現した例だと思います。これから益々人口減少問題が顕著になっていきますので、定年制度自体が有名無実化していくのは必須のことでしょう。これからは社会の情報化による仕事の質の変容も相俟って、雇用環境はどの様に変化して行くのでしょうか。


確かにAIが普及する情報化社会の中で、標準化された定型的な判断に関わる業務についてはコンピューターに置き換わると言われています。人口減少下、むしろ置き換わって生産性を高めて行かないと、企業も日本の経済も縮小均衡してしまいます。それ以上に、新たな事業の機会を増やす必要があることは言うまでもありません。


また人生100年時代を迎えるにあたって、社会の仕組みが大きく変わりますので、その端境期には今まで考えもよらなかった新たな時代の需要が多く生まれて来ると思います。その需要を読み解くのは、流石にAIを持ってしても出来ないことであり、過去の経験や慣習に囚われない人間の本質的な感覚に基づく創造力に依るところでしょう。


その意味では、絶えずお客様のご要望に応えている営業職の企業における役割は大きいものと思います。この営業職の仕事の一部にもAIが導入されるようになり、商品や事業といった、より開発的な業務にシフトして行くことになると思います。そこには新たな事業の機会を設けるということも多分に含まれるでしょう。


ただし、これは従来のような営業部門だけの話しではなく、全社的に取り組んで行かなければならないことだと思います。「商品を販売する」という視点から「事業機会をつくる」という視点への変容です。いまの企業ですと直ぐにその様な専任部門を設ければよいのではという声が聞こえてきそうです。


しかし、新たな事業機会というのは、日々のお取引先様をはじめとする人間関係の中から生じて来るものです。必要なのは、定型化(=標準化)しがちな自らの行為に対して、あたかも第三者がそれを見る様に視点をずらして、異なった角度から物事を捉えることであり、それにより新たな発想(=新たな価値を見出す)に繋げるということです。


とかくピラミッド型のヒエラルキー組織というものは、無意識のうちに人の行動を効率化、パターン化に追いこんでしまいます。それを避ける為には、これからの組織がプロジェクトのような小世帯のビジネス単位が数多く集まる、柔軟な自律分散組織である必要があります。ちょうど稲森和夫氏のアメーバー組織に似ていると思います。


その様な組織形態では、分業ではなくチームとして一つの目標達成に向けて一人が何役もこなして行く集業的(=分業に対する集業)な仕事の進め方が自然な形だと思います。自らの専門性だけではなく、問題解決能力が尊ばれることになるでしょう。専門性に依拠した総合力と発想力が問われる世界だと思います。


そこでは年齢に関係なく、課題解決に必要なメンバーがアサインされて行く必要があります。それは、社内という枠組みに留まらない、外部の主体と連携したプロジェクトというものも増えて行くと思います。その様な理想を追求した時に、法律上あたり前と思われている会社という概念も、ともに変容して行くことになると思います。


その結果、企業と社員という関係も、戦後の日本が培ってきた終身雇用や定年退職といった制度が緩やかになってくるでしょう。その時々に必要な多様な人材が指名され、目標を達成したら、また次の解決にあたる。年齢、性別、社籍に関わりなく、プロジェクトの目標を達成して行く柔軟性が必要なんだと思います。


情報化社会の時代、人間が人為的に作って来た制度、仕組みというものは、この200年足らずに形づくられた概念に過ぎません。時代が変われば、当然に変わり行くものです。
それを前提に考えるのか、度外視して考えるのかによって、自ずと発想力も変わってくるでしょう。自由な発想で、より良い豊かな暮らしを創造してみませんか。


今日もありがとうございます。
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