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財務とアート性

皆様こんにちは!
ブログに書き込みをするのも1週間振りになってしまいました。


4月から公共事業の受託提案資料を作成する仕事を手伝っているのですが、
公共が実施する事業とは口では上手く言い現わせないですが、
何とも言えず世間ズレしているというか、民間事業とは全く言語が異なりへきへきです。


しかも、早朝から深夜までPCに向かいきりで、これを虚業と言わずして何と言うですね。何とも言えない宝探しの様な行政が公表する仕様書ならぬ書面に、謎めいた無茶苦茶な行間を読めと言うばかりの提案すべきことが記載されています。


多くのコンペティターが我こそ競いあい、如何にお上の思いに叶う提案書を作るかですが、よくよく本質を考えてみれば、行政が為そうとしている事業自体が浮世離れした税金の無駄遣い的な案件が多い。提案する方もする方ですが。。(^^;


もう少し、財務的な仕事かと思ったら大きくハズれしてしまいイライラが募り、少々、反動的に「財務とアート性」ならぬタイトルで鬱憤をはらそうということに相成りました。法律業務でも同じ行なアート性が共通しているかもしれません。


財務でも会計でも、数字に遊びがないというか、糊しろがないというか、普通その様に受け止められていると思います。確かに財務諸表を作成する場合でも、細かく企業会計原則や、会社法、税法に箸の上げ下げとまでは言いませんが、それに従う必要があります。


但し、これら諸則には、例えば減価償却の方法について、定額法、定率法、級数法等々が定められ、一定の理論的な解釈のもとに選択適用が認められている様に、ある程度、作成者(=企業)の考え方や意思が込められるようになっています。


資産や負債等の各会計事象についてどの様な数字を計上するかという、測定や評価についても、同様なことが言えます。M&Aで取得した暖簾を毎期末にどの様な減損評価するかは非常に判断の選択肢が多い面白い部分だと思います。某電気メーカで話題持ち切りですね。


数多くの企業の財務諸表を見て来ますと、骨太の首尾一貫した理念に基づいている会社か、小手先のテクニックに走っている会社かが直ぐに見て取れます。各会計規定の選択肢の都合の良いとことだけを摘み食いしていると、直ぐに分かりますね。


企業の風土というか、企業文化と言いますか。大体、その様な会社は業績も芳しくない。逆に芳しくないからその様な財務数値になってしまうのか。。各勘定を細かく見なくても貸借対照表と損益計算書を一覧すると感覚値ですがスッと腹オチするか、心が痛むというかその様な感じです。


現代の科学を前提とした社会で、こんなことを言いますと猛烈なバッシングを受けそうです(ブログだから許される??)が、人間は第一印象や最初に感じた直感が結局は正しかったという経験は誰でもお持ちかと思います。人間の七不思議ですね。AIが人間を超えられないと考える理由でもあります。


以前のブログでも記載したかもしれませんが、私はそれら財務数値を鵜呑みにしないで実際に現物を視察したり、契約を読み込んだりして一つの勘定でも非常に立体的にリアルに見ることをモットーとしています。


そうすると、企業が抱える様々な事業等が目の裏で画像となってイメージできる不思議な特技?!を持っています。会社再建業務に携わった期間が長かったせいか、そのイメージに数値や契約まで注記された、今風のVRとかARに似た感じです。


なので、日々新聞を読み解く中で、社会人として一般的な社会の動きを理解している訳ですが、頭に蓄積された様々な事業がその新聞記事によって呼び起され、世の中が変わっているから、この事業も使用している各資産を組み替えてとマイナーチェンジする必要があるな。。等々、電車の中やトイレに行っている時に勝手に頭が考えちゃうのです。


自分が意識して、それを能動的に行おうとすると、これがまた身体がそうは動いてくれない、人間の七不思議の二つ目です。自分で言うのも可笑しいですが、アーティストって自分ならではの世界観を持っていて、わりとナイーブじゃないですか(笑


最近、関心あるテーマは、やはり「暖簾」というブランドですね。会計の説明によれば、M&A等により取得資産簿価と取得価額の差額が取得暖簾といわれますが、私の関心は「主観のれん」というところです。


主観のれんとは、例えば企業が120円で売る目論みで、100円の商品を仕入れる時の差額20円分がそれであり、事業者が主観的に捉えているその商品の価値とでも言うのでしょうか。


ヴィトンとか、エルメスとか様々なブランド品があります。歴史があり、その時空間を超えた伝統に裏付けられながらも、時代に合わせて少しだけマイナーチェンジを行うことがブランド力維持の秘訣のようです。消費者からみて、人間的な温かみを感じるのでしょう。


先ほどの頭のイメージではありませんが、あるモノなりコトという「情報」を見た時に、その情報の主観暖簾を感じるのが最近の趣味です。日本の伝統工芸である陶芸品を手に取り、決して工業社会では出来ない手作りの温かみが、その作り手をイメージさせます。


一方、一つの温かみのあるサービスたるコトを提供する為に、事業として組み合わされた各資産の累計額を超える主観暖簾を高めるためにはどうしたら良いか。一つの例として、日本の老舗旅館ではありませんが、「おもてなし」という無形資産をどの様にしてそれら事業資産の集合に埋め込むかというテーマになります。


私の大学の恩師の仰られた言葉に「会計とはフィクション」であるというものがあります。これをお伺いしたのが10年前ですが、今の方がフィクションの創作性が高まっているように思います。


ただ、売り出しのアーティストが才能があってもなかなか食べて行けないように、情報化社会であっても、なかなか自己の才能を社会の為に活かすのは難しい現実があります。有名になるとか、売り出すとか、その様な下世話なことを考えない禅に近い考え方がアートの世界の本質にあると思います。没後に陽の目を見るというのも格好いいですね(^ -)

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