誰にも聞けない経営財務戦略!

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財務戦略とは

皆さん、こんばんわ!
ブログのタイトルに財務戦略という言葉を描いていながら、
財務戦略をテーマに記載したことがないことに気づきました。


戦略とかいいますと、
何やら積極的な技が隠されているような感じがしますが、
ベースにあるのは数字で事業をどの様に理解し、また表現するかということです。


例えば、金融機関から資金を調達する場面、
株主に対して会社の業績を報告する場面、
経営者が自らの会社の状況を把握し、改善点を考える場面。


財務数値自体は0から9までの数値の羅列にしか過ぎませんが、
その数値を会計でいうところの勘定科目という資産、負債、資本、収益、費用の明細に区分して配列することにより、事業の全体像を表現する技術と言えます。


この辺の技術は、簿記や会計学といった方法に従ってルール化されている訳ですが、この数値やルールに従って表現された行間を事業としてどの様に読み取るかが醍醐味なのかもしれません。


財務諸表から何が読み取れるかと言えば、個々のどの様な事業資源(資産や負債)が集まって、全体としての事業を成り立たせているのか。また、事業活動のプロセスでそれらの事業資源がどの様に運動するのかという一種の法則性の様なものです。


実際に、個々の資産や費用内容をそれが置いてある場所に行って、手で触り、見てみることにより数値が非常に立体的に見えてきます。また、それら数値は必ず企業活動という法律行為の結果として表されますので、契約書を読み込むことにより様々なことが理解できます。


私も、最初は見よう見まねで我流で子会社事業管理等の業務に携わっていたのですが、某大手流通グループの時に負債総額1兆円を超える企業の会社再建計画作成に携わった時に弁護士や会計士との議論を通して事業を見る観点を養ってきた様に思います。


数字を知るということは、実はその根底にある物理的、かつ法的な事実関係を知ることと両輪なのかもしれません。そして、事業を把握したうえで事業計画を作り銀行に説明に行行きますと、とても迫力をもって事業の説明が出来るのかもしれません。


私が財務で一番関心があるのは、会計用語でいうところの「のれん」です。のれんは、M&Aで企業買収した時に良く発生するのですが、買収対象企業の帳簿上の資産価格を超えて買収価格を支払った時のその超過部分を指します。


なぜ、帳簿価格以上の買収価格が付されるかと言いますと、厳密には個別資産価格を合計した以上の収益を資本還元した事業の価格が見い出せているということであり、個々の資産が”有機的”に事業を構成することによって、個々の単一資産の価格以上の付加価値を持つからです。


このパズルの様な個別の有形無形の資産をどの様に組み合わせれば高い付加価値を生じさせるのかと考える味方に魅了されています。簡単に言えば、一つの商品を例に挙げれば、原価を超える販売価格を付ける為にはどの様なことをすれば良いのかということです。


例えばブランド品は分かりやすいと思います。ブランドは脈々と受け継ぐ伝統の中に少しだけ今のテイストを加え、その中に温もりを感じさせる。事業も本来は長年の蓄積の中に携わった方々の叡智が込められ少しずつ進化していく。


モノとしての事業資源とノウハウが一体となって、また時間とともに企業文化として昇華したものが”のれん”であると言えます。そこにお客様が温もりを感じることにより、ブランドという付加価値を醸成すると言えます。


工業化社会、その後の情報化社会により、商品の標準化、システム化が為され、直線美、機械的な美が持て囃されたのが20世紀の後半ではないでしょうか。そこには機能美がありますが、多少の不釣り合いがあった方が温もりを感じさせる、そんな今日ではないでしょうか。


財務会計の世界においても、この”のれん”に対する議論が無形資産会計として議論が続いています。学問としての目的を考えると限界もあるかもしれませんが、その財務諸表の中からどの様にこれを読み解くかが大切だと思います。


私も50代半ばとなり、今まで築き上げてきた経験知を今一度大切にしながら、そこにいま世の中で求められていることを少しだけ付け加えることにより、落ち着いた確かなる歩みを最後まで全うしなければならないと思う今日この頃です。

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