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変わり行く日本の企業社会!

皆さん、おはようございます!
朝起きてから空を見上げていたのですが、今日は朱色に染まりませんね。
きっと曇り空なのでしょうか、だんだんと薄明るくなっていく感じです。
徐々に建物の輪郭がはっきりと見えはじめています。


神戸製鋼の品質データ改ざん問題がなぜ起きたのか、様々な所でその理由について議論がなされてきています。経営が記者会見で法令遵守に違反はないとのコメントに対して、法曹界からは取引先との売買契約において取り決められた性能を満たしていないなら民法にの債務不履行に抵触しており、そもそも問題の本質を理解していない。


もともとメーカーの技術職と事務職の間には確執があり、新入社員時には7対3の割合で入社するが、取締役まで上り詰めるのは3対7であり、そもそも技術職と事務職に心理的な軋轢がある中で、事務職の仕事の進め方が論理的でないと思う技術者気質も手伝って、モノづくりに関しては技術者集団の専管事項となっている組織構造上の問題がある。


コメントされる方の専門領域から様々な切り口で問題提議されていますが、いずれの意見も本質的には、神戸製鋼が組織の論理を優先するあまり、自社の都合をお客様に押し付けた結果ではないかということです。きっと、社員個々人としては異和感を感じながらも、会社として行う事なのでやむを得ないという心理が働いているのでしょう。


神戸製鋼が組織として本来の品質基準に満たない製品を出荷した理由として、技術的な側面、経済効率的な側面が働いていると思います。問題は、なぜ大方の個人の考えが組織の考えとして反映されずに、組織があたかも自らの意思を持つように暴走してしまうのかということだと思います。


一般的に組織内でのコミュニケーションは、上司、部下、技術職、事務職といった様々な立場を持つ人々の間で為されており、個人の意見よりも自らの立場を踏まえた大義名分の意見が重んじられる風潮があります。また、一度組織として意思決定したことに対して異を唱えると排他的な圧力が加わるというのが組織力学の見解だと思います。


これは会社という組織に限らず、外に対して閉鎖的な組織であればあるほど、大なり小なり起き得る現象です。私が、以前勤めていた大手メーカーでも、個々人の業務内容が明文化されており、その範囲内で業務を遂行する暗黙の了解があり、誰もそこから外れた業務を考えようとしない。良く言えば、非常に組織がシステムマチックになっています。


これが、戦後、大方の日本のメーカーが品質と効率を追求してきた生産大国日本の姿であり、数十年に渡り努力して蓄積してきた企業風土だと思います。
ここに資本主義経済の合理的な考え方が企業内に浸透する様になり、組織としての判断基準に資本の論理的な考え方が企業理念よりも優先する様になったからとも言えます。


時代的な背景として、既存のモノやサービスが売れなくなり、将来に対する目標を見い出せずにいることが、更にそれを助長している様に思えます。経済政策としても働き方改革に重点が置かれていますが、単に生産効率を上げることや、政策目標として賃金を引き上げることだけでなく、本当の意味での働き方を変えて行くべき時ではないでしょうか。


いま、第三次産業革命と言われている情報技術革新の中で、
Googleの様な情報通信企業が様々な産業と連携してフレキシブルな事業展開を行い、アジア諸国が労働集約型産業から資本集約型産業を経て一足飛びに知識集約型産業が興隆しているのも、既存企業とのしがらみや規制といった歴史の無さが助長しています。


だからと言って、急激に国内のあらゆる規制を緩和しても、組織構造と言う根本的な問題を解決して行かないといけないと思います。
この点に関しては、来るべき情報化社会が、否応なしに企業の硬直的な組織の論理に変革を迫り、個人のライフスタイルを重視した暮し方を助長する様になると思います。


自動車メーカーでいえば、EV(=電気自動車)、オートモービル(=自動運転者)、コネクテットカー(=情報通信プラットフォームとしてのクルマ)といった新たな取り組みを、自社だけで完結して行くことはもはや不可能です。多様な企業との連携や多様な人材の力を借りない(=必ずしも正社員ではない)と実現できないからです。


いま会社組織は外から変革を迫られないと、なかなか自助努力だけでは変われないものだと思います。ちょうど、日本の企業に閉塞感が漂っている中で、今回の情報技術革新の波を上手く掴むことが出来るかどうかに企業の存亡が掛かっていると思います。それは、経営トップの資質だけでなく、働く個々人が自分事として如何に受け止めるかも大切です。


情報化社会の下では、今までの産業を中心とした社会から個人の暮らしを中心とした社会に変容することは間違いないと思います。個人がグローバルに情報を得て、自分なりのライフスタイルを踏まえた暮らしの価値判断を強く意識する様になった時に、企業組織もまた変革せざるを得なくなるでしょう。


この数年間は、しばらく社会が混沌とすると思います。それは次の時代への胎動ですので、世の中で起きていることを個々人が自分なりに受け止めて判断し、明日に繋げて行くことが大切だと思います。
今日も、ご覧いただきまして、ありがとうございます!


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