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アジア経済に第3の波!

皆さん、おはようございます!
この三連休は天気も良く、都心の公園でも紅葉が見ごろでしたね。。
空を見渡せば、朝陽でほのかに朱色に染めています。
今日からまた気持ちを引き締めて、年末まで一気に駆け抜ける、という感じでしょうか。


最近、中国へ進出した日系企業の生産工場の撤退が相次いでいます。
この一月だけでも、資生堂やニコンが生産する低価格帯化粧品やデジタルカメラの売れ行き不振を理由として、撤退を表明しています。
背景には、中国人件費の高騰、円安・元高による採算悪化があります。


元々、日系企業のアジア圏進出は、安い労働コストの活用を期待した生産拠点の海外移転でした。国内の人件費が上昇し、高品質低価格製品の供給を使命とする日系企業が採った経営方針でもあり、20数年前より多くの大手メーカーが、大挙して中国、ベトナム、タイ、インドネシア諸国へ進出しています。


アジア諸国側は、積極的に外資系企業の誘致を行い、自国経済の近代化を果たしています。振り返りますと、当初、安い人件費を活かして衣料品の縫製など「労働集約型産業」を確立しています。その後、日本、韓国、台湾などの石油化学、鉄鋼、家電、半導体など大規模設備/資本を必要とする「資本集約型産業」の誘致に成功しています。


いまやアジアは世界の工場という地位を欲しいままにしています。特に中国の深セン(=香港から車で1時間程度)は、世界の半導体工場とも言われ、皆さんがお使いになられているiPhoneは台湾の鴻海精密工業(=シャープを買収した企業です)が、深セン工場で生産しています。この数年間の市内の発展にめざましいものがあります。


そのアジア圏諸国の経済成長は著しく、付加価値の高い製品の生産でないと採算が合わなくなるまでになっているということです。
確かに近年では、多くの日系企業のソフトウエアプログラミングをはじめとするIT業務をアジア諸国の拠点に移転するまでになっています。


また、最近では、中国のライドシェアリングの滴滴、ネット販売のアリババ集団が日本へ進出するまでになり、情報通信系企業による「知識集約型産業」の興隆がみられます。
なぜ、労働集約型産業から知識集約型産業に先鞭をつける迄に、わずか40年程度という短期間で実現できたのでしょうか。


日本をはじめ、欧米諸国がそれまで培ってきたノウハウをキャッチアップしながら、外国資本を自国の近代化に向けて、上手く政策的に誘導できたことが主因です。
それ以外にも注視すべきこととして、既存産業のしがらみや過剰な規制がなかったことも、イノベーションが急速に進んだ背景にあると思います。


例えば、携帯電話の普及で言われている話があります。
日本では、まずはNTT(=前身は日本電電公社)により固定電話が全国各地に普及していましたが、アジア圏では固定電話の普及率は非常に低いところに、携帯電話が商品化されたため、インフラ整備コストを掛けずに一足飛びに携帯電話が普及しています。


思い起こせば、日本が高度経済成長を享受できたのも、先行する欧米諸国をキャッチアップする形で品質と価格を追求し海外輸出を行ってきた歴史的な背景があります。
その時代の日本も、現在のように既存産業によるしがらみもなく、また過剰な規制もなかったと思います。


経済が円熟して行くから様々な規制が出来るのか、様々な規制が出来るから経済が円熟して行くのかは分かりません。
産業を構成する各企業内を見渡しましても、様々なルールや規定により運営されるようになり組織的に硬直している企業を多く見受けます。


ルールや規定に準拠して組織を運営する様になりますと、そこから逸脱して物事を考えなくなるのが人間の性というものです。本来は、自己の審美眼により物事の良し悪しを判断すべきところを、明文化されたルールに準拠しているか逸脱しているかという0→1という判断しかしなくなってしまう弊害が生まれています。


一つの企業目標に対して判断軸となるルールを社員に明示しなければ、組織が回らなくなるというのも組織運営上は必要なことではあります。この葛藤が、いまの日本社会が抱える根本の問題だと考えます。もっと、従業員の個々人が経営陣と同じ様に自己の裁量と責任で仕事に取り組むヒエラルキーを度外視した仕組み作りが急務だと思います。


こんな事例もあります。ある会社に新卒で入社していた社員が、自社の提供する商品が社会の為になっていないと思い、悩んだ末に2年後に退職しています。その彼は、退職した後に写真集を出したら社会の目に留まり、今は空間ビジネスの仕事をしています。
  


大人が自らの経験に基づいて、それを若い人に押し付けてはいけないと思います。
情報化社会で、年齢差関係なく、個々人が様々な価値観を持つようになっています。
しかし、いまの組織はその様な価値観に耳を傾けないことに問題があります。
自分達が入社してから先輩社員にアナログで教えて貰った通りの価値判断を強要する。


働き方改革とは、単に残業時間を減らすこと等だけではなく、仕事のあり方自体をも新しくデザインする必要がると思います。これからの時代、経済速度はますます速まりますので、何でも自前主義とするには限界があります。必要なノウハウやスキルを持つ人間を外部に求める、労働者と企業がフラットに繋がる、そんな働き方であるべきだと思います。


また、従来の護送船団的な高級官僚と企業との親密な指導による経済運営も、結局は企業のこれから先の見えない市場に立ち向かう意識に甘えが生じてしまうので、民間企業に自由と責任で経営の舵を取ってもらったら良いと思います。これからの時代に正解はありません。トライ&エラーの試行錯誤が可能なフラットな社会が原動力だと思います。


アジア諸国の企業と日本の企業を比較しますと、やはり日本の企業が硬直的であることは、アジア諸国の方々が日本の企業で働くことに興味を持っていないことにも現われています。もっと広い意味での働き方改革を企業自らが断行していかないと、アジア諸国の企業に先を行かれてしまうと思いますが、如何でしょうか。


今日も、ここまでご覧いただきまして、有難うございます!
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