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これからのM&Aのあるべき姿!

皆さん、おはようございます!
今朝は、大阪でブログを綴っています。
外を見渡せば、台風の影響でしょうか小雨が降っており、淀川が霞がかって見えます。
今日はパートナーが主催するセミナーで財務についてお話しさせて頂きます。


今まで、広い意味で財務の仕事に30年余り携わって来ました。
一般的なキャリア形成ですと大学を卒業して最初に勤めた企業の業界を自らの専門領域にして、長い人生のうち1度や2度の転職をしていくというものではないでしょうか。
その意味では、最初に勤める会社の業種というのは大切かもしれません。


私の場合は、最初は金融ですが、もう少し事業の近くで計数面から事業を考える仕事をしたかったので、事業会社に転じています。
事業計画を立案したり、資金調達をしたり、事業を買ったり売ったり、事業を作る所から、閉じるところまで一通りの様々な経験をさせて頂いています。


途中で1兆円を超える負債を抱える、自らが勤める企業の再建、整理を手掛けたせいもありますが、通常の会社でいう財務という「職種」を本業として、結果として不動産業界、化学業界、情報家電業界を渡りあるいています。普通でしたら一業界の中で、2~3つの職種を経験するのが日本の雇用の慣例だと思いますが、真逆ですね。


自分の気持ちに素直に従っていたら、この様になってしまった訳ですが、これはこれで満足感があります。むしろ、今となっては自らが所属する業界を通して事業を見ようとするよりも、業界を度外視して事業を見て、財務として表現する方が、良いアイディアが浮かんでくる様になっています。一つの業界に留まると息が詰まるのですね。


その様に客観的に自己分析を出来るようになったのは最近のことです。
いまの日本の社会は業界や企業間の垣根が高いですから、それを横断的に見れるという意味では特異ではありますが、これからの時代には必要な視点ではないかとさえ思う様になっています。


本来事業というものは、社会の課題を事業を通して解決することに意義がありますが、いま世の中にある課題は、だいたいが業界間や企業間の「垣根」にあります。
M&Aやアライアンス(=広い意味で事業や企業の事業連携と捉えて下さい)といった経験により、この業界や企業の連携によって新たな付加価値を生み出せればと思います。


最近の企業買収等の動向を見ていますと、①市場を買いに行く形の買収、②新たな事業創出のための買収、③金融投資を目的とした買収に大別できると思います。
事業会社にとって最も望ましいのは、②の新たな事業創出のためのM&Aであり、付加価値が高いと思います。


日本電産は、モーターに関するあらゆる企業を買収した一大企業群となっています。工業用モーターから超小型モーター、最近ではEV(=電気自動車)様のモーターまで手掛けているようです。各々の買収対象企業が持つモーター技術を知識として共有できるので相互補完効果が非常に高い。


その背景に、買収後のフォローがしっかりしている所も見逃せません。
買収先企業と買収元企業が融合して行くためには、買収元企業が買収先企業の事業に精通していることは絶対的に必要な事ですが、その上で、お互いの企業文化を活かしつつ、人的な融合をしていかなければなりません。正しく知の融合ですね。


これに対して、アサヒビールは昨年末、中東欧のビール会社4社を8800億円で買収しています。市場を買うという意味では①に該当しますが、どの様な相互補完効果があるのかが良く分かりません。中東欧でAsahi印のビールが売れるのなら良いのですが。。
一方で、今年に入り、中国の青海ビールや乳酸菌飲料のエルビーを売却するそうです。


事業資源の選択と集中という理由が報道発表されていましたが、世界の覇権を狙うのであれば青海ビールも所有し続けて、共同企画商品を開発する位にまでならなければいけません。自動車産業でも規模の経済が限界に来ている予兆が出ています。その様な中で、嗜好品であるビール事業は、もっと規模の経済を追い求め難くいと思いますが如何でしょう。


むしろ、来るべき「範囲の経済」を見据えて、エルビーの持つ乳酸菌技術とアサヒビールが持つ酵母技術を融合して、新たな健康産業という様な展開は出来ないものかとも思います。世の中の潮流を見ていますと、スケールメリットを追求する形の企業買収は、これからは減少して行くのではないでしょうか。


最後にご紹介したいのがソフトバンクによる二つ目の1兆円ベンチャー企業買収ファンド組成の話しです。中東資本との合弁による1号ファンドは、次世代を見据えた通信端末としてのクルマを軸に世界中のライドシェアリング(=自動車の相乗りビジネス)やオートドライブ(=自動運転)への投資でスケールが大きく素晴らしいと思います。


今回の2号ファンドは情報通信に関わらず、海外のバイオビジネスをはじめとする先端技術を持つベンチャー企業への投資を進め、日本での展開を図ることを目的としています。
国内で新たな事業が創出されるという意味で期待したいと思います。ただし、日本電産の様に何処まで投資先企業の事業に精通できるかが鍵になるのではないでしょうか。


ソフトバンクは、主要事業が通信事業と付帯するサービス事業ですので、今回の1号ファンドも2号ファンドも、③の金融投資だと言えると思います。ソフトバンクの狙いは②の新たな事業創出にありますから、合計2兆円もの投資を上回る新たな事業創出が何処まで現実のものになるかが、今後問われて行くことでしょう。


冒頭にも申しましたが、日本の企業は長年の技術革新、新商品開発により、相当程度に専門特化しています。自らの事業領域においては、消費者のニーズに十二分に応えているものと考えます。今の消費者のニーズ、すなわち社会が求める課題は、それら企業間の垣根の中にあると思えます。


その企業の垣根を超えた課題を解決する為には、既存の企業が手を取り合い、協力して新たなコトを提供して行くことだと思います。
これは正しく範囲の経済です。徐々にその機運が現われはじめていますが、企業の外からその様な仕組みをコーディネートして行くことも必要かもしれませんね。


今日も、ここまでご覧いただきまして有難うございます。



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