誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

そごう・西武!

皆さん、おはようございます!
業績不振の中小個人事業の経営者の苦悩といったら並大抵のことではありません。迫りくる目先の難題に右往左往しながら、どこから手を付けて良いのか判断がつかなくなるものです
。大切なことは自分の内なる声に耳を傾け、それを信じ腹に肝を据えて遣り切ることです。



新聞などに一世を風靡した百貨店そごう・西武のセブン&アイ・ホールディングスによる売却が取り沙汰され、その業界としての凋落ぶりに誰しもが驚きを隠せないものと思います。私も西武百貨店を中核とするセゾングループに勤務してたことがあり、その時はまさか百貨店の業績悪化がここまで長引き、瀕死の状態にまで追い込まれるとは予想しませんでした。


そごう・西武百貨店は、2006年にセブン&アイ・ホールディングスによって買収された経緯があります。その後、生活総合産型の流通グループを創る狙いから、スーパーやコンビニエンスストアを柱とする量販店との相互補完効果(=シナジー効果)の追求を目指してきましたが、質を追求する百貨店と量を追求する量販店では容易にそれを顕在化できません。


株式公開しているセブン&アイ・ホールディングとしては、係る状況の中において量販店の成長鈍化も重なりコンビニエンスストア業態の海外展開に資源を集中する方針を獲らざる得なくなり、ソグトバンクの米投資ファンドであるフォーレスト・インベストメント・グループに約2000億円の売却額で株式を譲り渡さざるを得なくなったと言うことが出来ます。


これまでにフォーレスト・インベストメント・グループは、不動産会社のレオパレス21、国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループや伊勢丹松戸店が撤退したビルに投資を行ってきた実績があります。どちらかと言えば不動産を活用した立地産業の事業再生に強みを持つ投資ファンドだということが出来ます。どの様な再生を描いているのでしょう。


同ファンドの日本法人代表は、基本的に全国10店の存廃などについはそごう・西武の意向を尊重するとしながらも、これまで投資で培ったノウハウを生かしてテナント化を進めて収益を安定化させるとしています。全国10店の中には、西武池袋本店やそごう横浜店など世界でも有数の乗降客数を誇る駅に隣接した立地の大型店舗に魅力を感じてのことでしょう。


そごう・西武の再建を巡って、フォーレストは家電量販店大手ヨドバシホールディングスと連携することも明らかにしています。西武池袋本店とそごう千葉店でヨドバシを誘致することを企図しています。百貨店と家電量販店がひとつの施設内でそれぞれ運営していく形式を想定している様です。この時点で、既に百貨店事業というより店舗不動産の有効活用です。


確かに百貨店は一等地に店舗不動産を保有し、その建物内で百貨店事業を運営しているので
、不動産の坪売上げ効率を高めることは、あながち間違ってはいないと思います。しかしそれは、不動産事業者の発想であって必ずしも百貨店事業そのものの立て直しではないことに留意が必要です。百貨店事業の売り場面積を縮小することは単なる撤退に近いと思います。


誰が商業テナントをリーシングすることが百貨店の事業であると定義したのでしょう。彼らの本質は、少しばかり値段が高くとも世界で流行となる商品をいち早く見出し、それを国内で紹介し販売するビジネスモデルであったはずです。その意味で商業不動産事業でなく、総合商社のB2C版とでもいった方が分かり易いでしょう。その原点に戻ることが大切です。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する