誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

「セラシオ」という会社!

皆さん、おはようございます!
自分の個性に早く気付き、その道の経験を10年経ればプロと呼ばれる域に達すると思います。その様な領域を2~3つ創り、それらを融合させた一つの型を確立できればトップクラスの名を欲しいままにできます。地道な経験の継続こそ自分の身を助けるものでしょう。



米アマゾンに出店したにも拘わらず思うように売上や利益が伸びない、そんな中小事業者を買収し成長させるスタートアップ企業が米国にあります。約100社の中小企業を束ねる会社こそ米セラシオです。通販サイト構築支援のショッピファイのようにアマゾンに対抗することなく、人財や資金が乏しい中小の駆け込み寺となり、アマゾンと共存を図っています。


セラシオはアマゾンに出品する日用雑貨などの企業を買収し、生産や物流、販売をテコ入れして売上を伸ばすビジネスモデルを持っています。この事業再生ファンドにも似た、企業自らが自己勘定で自らの事業として再生事業を改めて成長軌道に乗せて行く事業の2020年の売上高は約515億円の規模になったとみられていますが、盲点はないのでしょうか。


セラシオの事業の拠り所は、共同創業者であるカルロス・キャッシュマンとジョシュ・シルバースティンが、当初、マーケティング会社を運営していたことに遡ります。その中でアマゾン出店者に対する販売促進を提供し、ノウハウ蓄積を図ってきています。ただし、そのビジネスモデルでは定額の報酬しか得られないことから、買収という形に変えたようです。


成長の背景には、アマゾンへの出品者が増えてしまい、出品者同士の競争が厳しくなっていることがあります。アマゾンのEC(=電子商取引)事業で外部事業者が出店する「アマゾンマーケットプレイス」を通じた販売額は、2019年に2000億ドルと全体の6割、出店する事業者や個人の数は世界で200万を超す規模にまで至っていると見らています。


中小の出品者は、アマゾンの豊富な品揃えを支える一方、資金や人財が限られる事業者も多く、セラシオはこうした企業を買収し、マーケットプレイスの主要プレイヤーとして地位を上げることを目指しています。買収した事業の品目は、清掃グッズや健康器具など1万点を超えているそうです。強みは、規模の小さい事業者では難しいアマゾンとの折衝力です。


セラシオの社員約600人のうち、半数以上がアマゾンとの遣り取りを担っています。企業を買収する専門チームが製造、調達、販促までの効率化プランを作っており、パッケージや製造元を見直すことで商品そのものを一から作り直すこともあるそうです。年間販売が200万ドル程度だった脱臭剤を2年間で売上高が8倍強に増えたという実績もあるようです。


事業会社であるはずのソフトバンクが、世界のスタートアップ企業の成長を促す10兆円ものビジョンファンドの運用で失敗していますが、いまや投資会社となっているビジネスモデルを彷彿させます。セラシオも、むやみやたらに手当たり次第に中小事業を買収することなく、自らの事業が根を下ろす商品の領域を明確にして、その業界の知見を蓄積すべきです。


また、買収した事業の生産プロセスや物流システムを共用することにより、一定のスケールメリットを追求することも必要でしょう。中小事業の商品や運営の仕組みを活かしながら、それを支える経営やバックオフィス部分を共用すれば、中小事業の個性を活かしながら事業を立て直すことができると思います。日本の後継者難の中小企業にも応用できるでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する