誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

「よそ者」が切り開く!

皆さん、おはようございます!
昨夕、はじめて地元にあるDIY工房を訪れてみました。こんな身近に工房があるとは知りませんでしたが、それにも増してアパート4棟をリノベーションしたその施設は、ベースキャンプの趣きです。中庭では焚き火ストーブを囲んで近所の大人たちが談笑をしています。



国内大手企業に変革が迫られるなか、三菱ケミカルホールディングスでは4月に初めて外国人社長が誕生し、工場現場も含めてジョブ型雇用による成果主義を導入します。現状に安住する「ゆでガエル」からの脱却を牽引するのは、同社とは関係が薄かった「よそ者」です。仏機能素材企業のCEOを務めるベルギー出身のジョンマーク・ギルソン氏がその人です。


三菱ケミカルHDは国内化学では売上高首位、かつ90年近い歴史を持つ名門企業です。しかし、足元の時価総額は約9200憶円であり、売上高が半分の信越化学工業の時価総額7兆4千億円の12%強に過ぎません。株価が1株あたり純資産の何倍かを示すPBR(=株価純資産倍率)も0.8倍と信越化学の3倍や独BASFの2倍を大きく下回っています。


これまでもM&Aや設備統廃合などを実施していますが、それでも株式市場で評価が冴えないのは、低収益事業が残り成長性に期待が持てないと市場が見ているからです。大きな事業売却・撤退案件は塩化ビニールなどに限られ、より踏み込んだ事業再編と新規事業育成の為に自前主義では限界があるからこそギルソン氏の下で大胆な変革の断行していく方針です。


元日本IBM会長の橋本孝之氏他、4人の社外取締役が占める指名委員会では次期社長の選考作業において、候補者に対して「時価総額をどう上げるのか」という質問を投げかけていたそうです。三菱ケミカルHDが社外取締役の影響力が大きい指名委員会等設置会社となったのは、社内の人間だけでは従来の会社の姿に固執してしまうからだと言われています。


その社外取締役による指名委員会が推したのがギルソン氏という、やはり「よそ者」であった訳です。三菱ケミカルHDでもジョブ型雇用などの人事制度の改革を進めていますが、こちらも元米製薬大手ファイザーの日本法人出身の中田るみ子取締役です。このままでは時代の流れから取り残されるとの危機感から、全社的にジョブ型雇用を導入するに至ってます。


なぜ、よそ者とつながることが必要なのでしょう。よそ者と交わることで、新たなノウハウが流れ込むからです。例えば、特許でも複数国に跨る国際共同研究から生まれた特許は、国内に閉じた研究による特許より平均で36%質が高いと言われています。国内でも同じ都道府県の企業取引が多い企業より、他県との取引が多い企業の方が成長力が高いそうです。


背景には、同質性の強い内向きとなってしまった日本の企業は、高度経済成長下では非常に風通しの良いメンバーシップが機能していたのですが、いざ企業の成長が止まりますと内向きな管理ばかりに終始する様になり、自らの企業の外にある「知」を腹の底からは信用しない日本の組織や経営幹部の傲岸さばかりが目立つようになってしまっているのでしょう。


人間の心理、特に集団心理の難しいところであり、井の中の蛙となってしまうのは現実だと思います。以前勤めていた会社が破綻した時、社長以下全ての取締役の首を挿げ替えられたことがありましたが、そのくらい大胆なことを行わなければ企業文化というものは変わりません。外に開かれたオープンでフラットな組織こそ、イノベーションを起せるのでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する