誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

本音で語る事業のコツ!

皆さん、おはようございます!
まだ外では鈴虫が鳴いていて窓から見える景色は秋そのものですね。
スーパーのビールコーナーを見ると「◎秋」とか「秋◎」が並んでいて、
一足先に秋の様相となっています。


夏も通り過ぎ、この季節になると心も安らいでくると思いませんか。
味覚の秋、食欲の秋、読書の秋。。何かと落ち着いて感性を働かせたくなります。
私は、この週末に地域ビジネスを通した街の活性化の本を読みました。衰退する商店街でも、その地域にあった新たな店舗を開業させていけば少しずつ街が蘇るというものです。


その方は学生時代から事業開発に携わっていらっしゃるのですが、
数々の失敗を通して新たに事業を創業する場合の「十戎」の様なものを得ています。
読んでいて、私の拙い創業経験と通じる部分が多かったので、
解説をさせて頂きながらここにご紹介してみたいと思います。


一、事業は小さくはじめる
 事業を始めようとする方は、自分なりの事業のイメージを持って組み立てようとすると思いますが、ゼロから組み立てようとすると何かと精神的なプレッシャーで押しつぶされそうになるものです。事業は心が乱れてしまうと、出来ることもできなくなってしまいます。創業時に心掛けることは、無理をせずに自分にできるところから小さくスタートして徐々に自分の持つ事業のイメージに近づけて行くものです。


二、自己資金ではじめる
 今は政府系金融機関をはじめ創業者融資なるものがあります。また、場合によってはベンチャー企業の様に最初からベンチャーキャピタルから資金を調達する方法もあります。傍から見ると創業当初から資金調達できるなんて格好良く見えるものですが、債権者や株主を創業時から入れてしまいますと、なかなか利害調整が大変になり自分の事業に集中できなくなってしまうものです。前一の小さくはじめると同様に出来る限り自分のリスクのとれる範囲で自己資金で創業すべきです。


三、補助金をあてにしない
 最近は起業者を増やそうという政策がある為、各行政団体で創業者向けの補助金も結構用意されています。しかし、補助金の性質は公共的な利益の為に費やされることになる為、何かと創業事業の対象となる顧客や事業方法等に制約を受けることが多くなります。補助金を使用しようとするが余り、創業者の意図とは異なる方向に進んでしまうことが往々にしてあり本末転倒になることと、補助金という返さないお金が為に事業に対するシビアさが欠けてしまうことがあるため出来る限り補助金は遣わないべきです。


四、最初から人を雇わない
 人の採用は最大の投資です。創業期の年間コストはボディブローが効いてしまいます。創業期の必要な労力に関しては出来る限りパートナーシップで連携関係で対処すべきことをお勧めします。それから、人の採用は面接だけでは人となりは分からないものです。一緒に仕事すべきパートナーは、ある程度の人となりが分かっている方と何処まで呼吸が合うかをよく見極めるべきです。


五、売上が確定してから事業を組み立てる
 創業しようと事業を組み立てようとする時、店舗でしたらお店を用意して、メニューを決めて、食材を購入して等。。一般的にコストから始まると思われがちです。しかし、実際には自分が出店しようとするエリアの潜在顧客と実際に会うマーケティングを行い、メニュー販売価格を先に決め、それからどの位の家賃と広さのお店にするか、食材の調達を行う、逆算の法則を心掛けリスクを最小限に抑えるべきです。


六、三分の一の法則
 創業して利益が上がった時に慢心するものです。特に難しいのは、事業は絶えず再投資(人の採用等も含む)を行っていかないと、次なる利益に結び付かなくなります。その際の配分方法は、パートナー、内部留保、再投資に各々三分の一ずつ配分することを心掛けると良いです。再投資分は借入等により調達すれば良いという考え方はダメです。あくまでも自分の事業の中で資金循環させる事を考えるべきです。


七、自分が責任を負える範囲で行う
 創業して人を雇い入れる様になると、それまで自ら手掛けてきた仕事も人に任せる様になります。最初から自分に出来ない事をプロに任せて組織として事業を成り立たせる場合でも、プロも仕損じることもあります。その時に創業者がフォローアップ出来なければならないことは肝に銘じておいて下さい。資金調達もそうです。どんなに最悪の事態となっておも自らが責任を負える範疇で資金調達を行うのが基本です。


八、事業はリスクマネジメント
 創業者が事業の中に入って行きますと、事業を進め成功させることに言動が傾注されていきます。そうすると、悪気はないのですが事業を深追いしてしまい、事業リスクに対しての感性が鈍くなります。そうならない為に、創業時から事業が思わしくない場合の撤退ラインを明確にしておくべきです。HONDAでもソニーでも創業大手企業には必ず創業者を支える参謀がいます。冷静に事業を見つめられる人を傍に置くことも必要です。


九、資金は還流させる
 先の六に通ずる話しですが、事業を進めて行く為には、追加仕入、人の雇い入れ等を行って行かなければ、次の利益に結び付かなくなります。ついつい遣ってしまうのが、資金調達に頼り過ぎること。追加投資は基本的には利益の範囲内で行って行くべきであり、最悪なのは先行き得るべき利益分まで外部より資金調達を行ってしまうこと。事業は焦らずに堅実に行うべきです。


十、ROAだけこだわる
 事業を進めて行く中で、事業が上手くいっているか否かを見極めるにはやはり財務諸表がナビゲーションシステムとして便利です。でも、財務指標分析とか言っても何十もあってどれを見ればよいかメーターが多すぎて混乱するばかりです。事業を進める中でROA(=総資産利益率=経常利益/総資産)だけを見ていれば自分の事業の財務的な位置が良く分かります。事業投資に対してどれだけ利益が上がっているかの推移を見て下さい。


なかなか経営の学術書には出てこない実践的なぶっちゃけ話ばかりだと思います。
どれも自分の創業経験の中でも、思い迷ってきた要点ばかりです。創業社長で気を付けなければいけないのは、従業員、取引先等はパートナーではありますが、どんなに円滑な人間関係があっても、最後は冷静に自分で判断しなければなりません。


ものの例えが良くないかもしれませんが、円滑なコミュニケーションですとお神輿に乗っているよう気分にさせられてしまいます。が、決してお神輿には乗ったつもりでも、足は地につけておくのが経営者だと思います。この十戎はあくまでも経営者が陥り易い迷いへの対処方法です。


もちろんこれ以前に、事業に対する「志」、「夢」が必要なことは言うまでもありません。本来はパートナーと役割分担できるのが良いのかもしれません。事業は楽しくなければ、良いアイディアも浮かんできません。余裕をもって事業に取り組む為にも、この十戎は参考になるのではないでしょうか。

今日もここまでお読み頂きましてありがとうございます!

×

非ログインユーザーとして返信する