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カフェから時代は創られる!

皆さん、おはようございます!
国分寺に胡桃堂喫茶店という本格的なカフェがあります。社長である影山氏の思いが込められた「まち」に溶け込んだ憩いの場です。時間を忘れさせ、自分を見つめ直すことが出来るレトロな趣きの空間と、丁寧でつくり手の存在が伝わるハーモニーがとても魅力的です。



20世紀初頭、フランスのカフェ文化は、多くの偉大なる芸術家たちを生み出したと言われています。行き場を失った、まだ名もなき彼らが行きついたのは、モンマルトルに集まるカフェであり、社会の風習や価値観に馴染めないでいた彼らにとって居心地の良い「場」であったと考えられています。カフェは、人を温かく包みこむ役割を果たしていたようです。


そんなカフェにおける人々の営みは、心地よい空間の中で世代を越えて思いおもいに自己を表現することを許された出会いの場であり、議論を繰り広げることにより共有知が育まれていったようです。社会的な立場を越えた議論を通して新しい価値観が生み出され、そこに集う人々は言葉にならない経験知を共有する過程を踏んでいく格好の場であったのでしょう。


人間というものは、その様な人々の交わりを通して、新しい社会的な価値観を生み出していくものだと思います。特に時代の過渡期においては、それまでの社会的な慣習や通念が常識として捉えられる中で、新たなアイディア、考えといった価値観を持つ少数の人々はマイノリティとして、社会に受け入れられ難い悲哀を感じながら生きているものかもしれません。


そんな人々が集い、言葉を交わすことにより、そのアイディアや考えが研ぎ澄まされ、社会に問うことを通じて、やがてそれが認められる難作業を経なければならないものかもしれません。偉大なる芸術家とは、みな同じ様な思いで創造力を磨きながら、自らの作品に思いを込めながら世に問い続け、やがてそれが認められるプロセスを経ているものと思います。


その様な、時代に対する感性豊かな人々を分け隔てなく受け入れる存在としてのカフェは、
新たな時代の価値観を育む場としての役割を司って来たことが理解できます。翻って、時代の変革期に差し掛かっている現代において、カフェが新たな時代を創る拠点として機能するのでしょうか。確かに日本もカフェブームではありますが、趣きを異にしているようです。


どちらかと言いますと、静寂の中で気ままな自分を楽しむような様相であり、カフェで議論を交わしながら創作活動を行っている姿を見かけることはありません。カフェに限らず、その様な創作活動を行っている場を見出すことすら難しいのかもしれません。しかし、これからの新しい時代を育んで行くためには、その様な知を共有する活動は不可欠だと言えます。


逆にいえば、日本は安定した戦後体制が長く続き、その様な人々の知の共有が為されずに大勢に甘んじてきたが故に、なかなか新しい将来の展望が見いだせず、成熟化した社会の中で閉塞感が漂っているのかもしれません。一昔前なら、地域コミュニティがその役割を司っていましたし、今ほど硬直化していない企業にも人間臭いコミュ人ティが存在していました。


確かに情報技術の進歩により、オンライン上で知の共有を行い易くなったとも言えますが、オンラインで議論を行うのは難しく、創意活動に足る知の共有には至らないと思います。意識的に人々が交わることのできるコミュニティとしての広義のカフェを創っていく必要があるかもしれません。そこでの営みを通じて、人々は新たな常態を見出していくのでしょう。


今日もありがとうございます!
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