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広がるESG投資!

皆さん、おはようございます!
以前勤めていたM&A会社の同僚と1年ぶりにWebミーティングで再会しました。事前にリニューアルしたばかりのホームページとそこからブログに行き当ったようで、M&Aに留まらず幅広く活動している姿に、意外性とともに驚きをもって受け止められたようです。



最近、ESG投資という言葉を耳にすることが多いと思います。ESG(=E:環境、S:社会、G:企業統治)投資とは「市場メカニズムを通じ、株主がその立場・権利を行使して、経営陣に対し企業の社会的責任に配慮した持続可能な経営を求めていく投資」を指します。いままでの資本の論理を前提とした金融の世界にも少しずつ変化の兆しが見えます。


不動産大手のヒューリックは、環境関連の目標を達成できなかったら支払う利息が増える社債を10月にも発行するようです。ESGに関連した資金調達の国際的な枠組みに沿った世界初の社債となります。投資家が環境を重視する企業に資金を提供しつつ、企業は金利負担増を避けるために環境対策を進める必要がある仕組みを持ったユニークな社債といえます。


ヒューリックは、発電設備を自社開発し本社やグループ会社が入居するビルの使用電力を100%再生可能エネルギーにすることと、国内初の耐火木造12階建ての商業施設の竣工という目標を掲げています。国産木材を使用することで森林が循環し、二酸化炭素の削減に繋げていく企図があります。何れも持続可能社会を実現していくためには不可欠な目標です。


一方、英金融大手のHSBCは自然資本(=ナチュラル・キャピタル)への1060億円規模のファンド投資をはじめることを発表しています。ESGのE=環境は気候変動問題として使われることが多いが、投資家の間で気候変動以外にも広げようとする動きが出始めており、生物多様性の保全や水不足といった課題にESG投資を活用しようという考え方です。


HSBCでは、現在、年金基金や保険会社、機関投資家などが投資先をインフラ、不動産など他分野に割り振っていますが、今後は自然資本が投資ポートフォリオのなかで新しい領域になると推測しています。熱帯雨林や河川、生物多様性を必要不可欠な資産と捉えられてきており、自然資本なしで経済を成り立たせることは出来ないとする考えが背景にあります。


お金はお金を生み出すところに流れいくのが資本の論理ですが、そのいままで社会通念として捉えられてきた考え方に、社会の価値観の変容にともない、少しずつ変化が見て取れると思います。短期的な視点でみれば、ESG投資は社会的に意義ある投資であっても、必ずしもその投資によるリーターンが増えることなく、むしろコストと見られがちだと思います。


しかし、世界中の企業や人類が後世のことも考えこの地球とともに生き続ける為には、持続可能な社会に変えていかなければならないことは否定のできない現実です。その様な中、長期的な視野で企業活動を営んでいる企業に資本を投下しようとする動きは、現在の私たち人類の価値観に変化が表れていることを如実に示しているものと受け止めることができます。


ESG投資を通じ、株主や債権者が事業を営む企業にメッセージを送ることは、企業にとって無視のできないことだと思います。これまで冷徹なまでに利益を貪るとみられてきた資本の論理ですが、一つの転機が訪れているとみることが出来るでしょう。マネーの出し手が、社会の価値観に共感できる投資先から適切なリターンを得ようとする考えが垣間見えます。


今日もありがとうございます!
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