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企業にとっての適正利益!

皆さん、おはようございます!
先日、突然襲ってきた右膝の激痛からも解放され、ようやく普段通りの日常が戻ってきた感じがします。若い頃に靭帯断裂・膝蓋骨骨折を患っており、その古傷の影響かと思いきや関節炎との診断。健康でいられることの有り難身を改めて噛みしめる出来ごとでした。



コロナ禍の影響により、多くの企業が大幅な減益、若しくは損失の計上を余儀なくされています。企業として存続していくためには、継続的に利益を出していく必要があることは、誰しも疑う余地がないと思います。どんな自然災害が発生しても、それを経営を行う上で受け入れねばならない環境として織り込み、乗り越えていかなければなりません。


しかし、ここでいう利益とは何を意味するのでしょう?人為的に区切られた会計期間に計上された売上高から、それを獲得するために費やされた行為に係る犠牲をコストとして控除した差額が利益であると会計学の教科書は教えてくれます。では、どれだけの利益を生み出せば適正な利益といえるのかまでは、どんな学問も明確には指し示していません。


よく財務指標などで、業種別売上高利益率や総資産利益率などが参照指標として提示されており、これとの比較の中で自らの企業の業績を判断されることがあります。これはあくまでも過去の業績に基づく相対的な平均値を参照しているだけであり、その企業固有の市場環境、経営資源、ビジネスモデルを踏まえた適正利益を示している訳ではありません。


唯一、ファイナンスの教科書において、企業が事業を営むために使用する資本(=借入金+株主資本)に要するコストを超過する利益を生み出さなければ企業の経済価値が毀損することを教えてくれます。確かに、株式を公開する上場企業では、株式市場を通じて株主資本コストが推計できますので、一見すると正しいことをいっている様に見受けます。


しかし、良くよく考えてみますと、その定義の前提として企業の持ち主が株主であるとしているところに留意すべきだと思います。いまの株式公開企業は、この株主の利益を毀損しない為だけに、使用する資本の最小化、ならびに利益の絶対額を最大化することに血眼になっており、新たな事業や商品を創出するところが疎かになっている様に思えます。


企業の利害関係者には、株主だけでなく、お客様、取引先、従業員、もっと広く捉えれば地域社会が存在しています。その意味では、企業とは社会の公器であり、それら全てとのバランスを取っていく必要があります。いまのファイナンスの尺度が株主にとっての利益の尺度であるなら、その他の利害関係者に対する富の尺度もあって然るべきでしょう。


お客様であるなら、生活を営んで行くうえで、その商品を手にすることによりどれだけ物質的、精神的な富を享受できるのか、取引先であれば利益の中から費用という投資をする訳ですから、それにより取引先のみならず、その利害関係者をも含めた方々にどれだけ富を与えることが出来るのかという視点が必要でしょう。従業員にも同じことが言えます。


要は、狭義の会計上の利益とは、企業が享受する富の一側面であり、広義には社会との関わりの中で、どれだけの富をもたらしたかという視点が必要だと思います。それらを総合的に判断する適正利益としての指標が待たれるところです。それは、社会における企業の存続意義を正すことにも繋がる、共有された企業の付加価値を示す指標だと思います。


今日もありがとうございます!
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