誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

リレーションシップ・バンキング!

皆さん、おはようございます!
餅屋は餅屋ではありませんが、自分の持てる財務や金融のノウハウを生かし地域の活力を高めることを考え続けて来たように思います。一つの答えは、地域に根を下ろす企業に対して互いの信頼関係を醸成しながら、事業を蘇らせることを通じ地域の価値を高めることです。



経済産業省、金融庁、財務省が「経営者保証改革プログラム」を公表しています。民間金融機関だけでなく、公的機関にも経営者保証を安易につける商慣習を見直すように求めています。民間金融機関の業界団体や政府系金融機関、信用保証協会などに対して「個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた取り組みの促進について」と題した要請文を出してます。


銀行だけでなく、信用保証協会など公的機関も経営者保証を求める慣行がありました。万が一、倒産すれば自宅や自家用車などを差し出す必要があり、自己破産に陥るケースもあります。金融機関にとって安心して融資できる一方で、創業の意志や事業承継などを妨げる一因となっていました。今般の経営者保証改革プログラムの主な施策は3段階に分かれてます。


2023年3月より創業5年以内は経営者保証をとらない信用保証制度、2023年4月からは民間金融機関に保証必要性の説明義務を課し、2024年4月から経営者保証の解除を選択できる信用保証制度です。何れも法人から代表者への貸し付けがないことや決算書類を金融機関に定期的に提出している等の条件を満たしていることが企業に対し求められます。


経営状態に応じた上乗せ保証料を負担すれば経営者保証を解除することが出来るようになります。中小企業信用保険法の改正案を2023年の通常国会に提出する見通しとなっています。それ以外にも、スタートアップ経営者保証をなくし焦げ付きによる損失を補てんするための費用として補正予算で約120億円(=年約1万件の利用を前提)を計上しています。


中小・零細企業の中には、財務状況が悪かったり、法人と個人の資産が分離されていない等
経営者保証を求めざるを得ないケースも残ります。経営者保証改革プログラムでは、経営者保証解除の前提になる収益力改善やガバナンス強化への対応も金融機関に求めていくことにしてます。これにより、日本の中小企業の財務基盤の底上げに繋げることが期待されます。


今般の経営者保証改革プログラムは、中小・零細企業に対する行き過ぎた金融慣行を是正することを狙いとしてますが、このことを資金を貸し出す金融機関側から捉えますと、メガバンクから地域金融機関に至るまでが同様のビジネスモデルによって規模と効率性を求める経営体制にメスを入れることになるでしょう。本当の意味で事業性評価する目が問われます。


それは資金融資先である中小・零細企業とのリレーションを深めることが解答となり、企業の中に入り込んでバンカー自らの肌感覚で事業と経営者の状況を泥臭く掴んでいくことが求められます。地域の経済を熟知し、それを構成する中小・零細企業の関係づくりを助長しながら事業を再構築していくことにより、地域循環経済を蘇らせて行く必要があるでしょう。


お金というものは手段であり目的ではありません。企業がどれだけ利益を上げたかより、地域社会に対してどれだけ価値を生み出したかを評価する目利き力と実際に事業価値を顕在化させるノウハウが金融機関にとって不可欠となります。中小・零細企業とのリレーションを
強化することが、金融ビジネスに拘わらずあらゆる地域ビジネスの基礎になると思います。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

RBDB!

皆さん、おはようございます!
銀行という業態は、自らの事業の内側と外側を隔てている垣根が未だ高過ぎると思います。
その垣根を低くし取り払ったところに、銀行本来のお客様に対して寄り添えるサービスが可能となるのでしょう。商品であるお金のデジタル化進展に合わせて、その垣根を下げよう。



RBDBって何でしょう?ヒントは来るべき銀行の新業態です!R=Regional、B=Business、D=Development、B=Bank、そう「地域事業開発銀行」の英語頭文字をとった略称です。分からなくて当然です(=冒頭から訳の分からないことにお付き合いいただきましてすみません)。ふと銀行のあるべき姿が頭をよぎりました。


これまでの銀行のビジネスモデルは、金融仲介機能として資金余剰セクターとしての個人から預金を集め、それを資金不足セクターである法人に融資として貸し付け、その資金調達コストと資金運用コストの利鞘を銀行自らの収益としてきてます。当然に虎の子の資金を預金して貰うためには、銀行としての信頼や安全性が伴っていなければ成り立たないでしょう。


そして、その信頼や安全性の裏付けとなるのが、融資における貸倒リスクを如何に抑え込むかという事にあると思います。極力投資先を細かく分散したポートフォリオリオ投資を行うべきなのでしょう。また、貸倒リスクに対する保全(=物的担保や経営者保証など)をとることも考えられると思います。その時に預金の方も分散化していた方が経営は安定します。


ところが、戦後護送船団方式の銀行ビジネスは、どちらかというと小口預金をせっせと集め資金を経済成長の波に乗り成長著しい大手企業に大口融資として資金を集約して集中投下していた経緯があります。しかも、大手企業等その信用力を裏付けとしていたために、担保によって保全をとる慣習が無かったので、比較的安定した金融構造だったのものと思います。


大手企業との比較の中で信用力が低いと見做された中小企業に対する融資は投資対象として劣るため、必ず担保や保証をとるという悪しき慣習が定着してしまったのは、その様な比較によるものだと思います。中小企業への融資であっても、その融資資金が比較的に小口で分散投資されていれば、必ずしも担保に偏重されなくとも運用リスクを回避できるでしょう。


むしろ、担保に偏重されるため融資時審査が甘くなり、結果として中小企業融資の貸倒リスクが高まるという悪循環に陥っているだけではないかとすら思えます。その様なビジネスモデルを持つ金融機関は、これからの預金から投資への政策転換を背景とした金融事業環境の中でメリハリのある高い運用実績を残すことが出来ず、その存続すら危ぶまれるでしょう。


これからは、銀行も投資に対する預り資産の「アセットマネジメント力」と投資先である事業の開拓力やマネジメント力といった「ビジネスディベロップメント力」という2つの軸をバランス良く打ち立てて行く必要があると考えます。海外に比べ遅れていると言われているアセットマネジメント力は、それでも金融工学の発展により一定の知見が蓄積されてます。


ビジネスディベロップメント力の方は、未だ現存する企業という客体をどう評価するかという範疇に留まっている段階で、もっと事業の中に飛び込んで自ら新しいビジネスをオーガナイズしながら、その成り行きをきちんとモニタリングしながら修正を掛けていくことが望まれます。これまでの銀行とは異なる、事業開発を手掛ける商社的な視点が不可欠でしょう。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

コーポレートファイナンス!

皆さん、おはようございます!
日本でも政策的に投資を拡大しようという動きが出ています。それ自体は悪いことではないのですが、投資といいますとリスクとリターンという殺伐とした数字の世界をイメージしてしまいます。しかし、本来、投資とは結果を追い求めるのではなく夢を託すことでしょう。



コーポレートファイナンスの意味を調べてみますと「資金調達源、企業の資本構造、経営者が株主に対して企業価値を高める為に行う行動、および財源を配分するために使用されるツールと分析を扱う金融の分野です。コーポレートファイナンスの主な目的は、株主価値を最大化または向上させること」と、企業活動における資本の調達および運用と解されてます。


その目的が、株主価値を最大化または向上させることにありますが、それでは余りにもコーポレートファイナンスを学説的に体系立てた狭い世界に押しやっている様に思います。元々
コーポレートファイナンスはファイナンス(=金融)の一分野として、企業活動のあらゆる場面を想定して論理構成し直したものであり、リスクとリターンにより語られるものです。


リスクとリターンを金融工学的に合成することによって様々な派生金融商品(=デリバティブ)を生み出してきましたが、良くよく考えてみますと全ての金融商品のリスクとリターンの源泉は実業であることを忘れてはなりません。実際の事業の中で成功を収めるということは、ある一定の事業領域の中で他者より事業リスクに対する許容度が高いこと意味します。


それは、事業というものは本来、失敗するリスクが付き纏うものなのですが、その事業領域において長年の暗黙的な経験知を積み重ねることにより、失敗を未然に防ぐことが出来るようになり、他者に真似の出来ない商品を社会に提供することによって、そのリスクを取った対価として利益を享受することが出来るのです。リスク平準化こそが事業の目利き力です。


間違えてはいけないのは、ここでのリスク平準化とは金融工学のように複数のリスクのポートフォリオを組むことによってリスクを合成してその高さを変えることを意味しているのではありません。それは、あくまでも実業において、モノを製造したりサービスを提供すなど人間が商品を創出する過程で、いかに他者より上手く創出するかという人間的なものです。


昨今、ファイナンスの世界、特にコーポレートファイナンスの世界において、このことが忘れ去られている様に思えてなりません。確かにこれまでの時代は科学が大きく躍進したと思います。但し、科学とは人間が使うものであり、人間が科学に使われては意味がありません
。それだけ科学の進歩は目覚ましいのですが、科学を使いこなす人間的な側面が大切です。


どんなにAI(=人工知能)技術が発達しても、人間が持つ創造力に置き換わることはありません。だから、人類はいつまでも足元の社会を高度化、専門化させることばかりに目を奪われておらずに、これからの理想とする社会を思い描き出すことが求められているものと思います。それが創造力であり、それを実現していく中で暗黙の経験知を身に付けるのです。


その意味では、コーポレートファイナンスも、いつまでも企業価値を高めることばかりに目を奪われていないで、その方法論に新風を巻き起こすことが必要でしょう。結果としてのリスクにばかり囚われていないで、もっとリアルに人間の創造力や目利き力に焦点をあて、それを人間科学の世界から捉えてコーポレートファイナンスと融合してみては如何でしょう。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp