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経営力再構築伴走支援!

皆さん、おはようございます!
アライアンス(=業務提携)関係を築こうと、3者間で同じテーブルでミーティングの機会を持ちました。個々にはその意思が明確になっているのですが、一同に会すると微妙な人間力学が働いてしまい、心理的な安全性が築けないせいか、なかなか話しが前に進みません。



主催者である中小企業庁が中小企業基盤整備機構と連携し、中小企業診断士など士業向けに「経営力再構築伴走支援」シンポジウムを開催したので参加して来ました。その内容は兎も角、中小企業に対する経営支援は中小企業診断士の牙城であるかの如く、全国から多くの診断士が参加しており、中小企業庁を頂点としたヒエラルキーが存在することを感じました。


弁護士や会計士の様に独占業務のない中小企業診断士は、今回、中小企業庁が打ち出した新しい中小企業に対する伴走支援策にあやかりたいという思いがあるのでしょうか、また中小企業庁も国家資格としての中小企業診断士を組織化してもっと安定的に活躍する場を提供する考えがあるのか、一挙両得な施策が見え隠れするようなシンポジウムだったと思います。


それはさておき、中小企業に対する経営力再構築伴走支援の確立に至った背景や理論的な裏付けを知るべくシンポジウムに参加して分かったことは、一人の官僚である現中小企業庁長官である角野然生氏が経済産業省に在籍していた当時に、福島での被災事業者に「傾聴」「
対話」「信頼関係の構築」が事業再構築に有効であることを感じ取ったことが始まりです。


被災事業者同士が助け合いながら、事業の再構築を通じて事業を蘇らせるばかりか、その地域のまちとしての機能や経済が蘇って行く姿を見て、中小企業に対する支援のあるべき姿を目の当たりにして感じ入ったことについては共感するものがあります。私自身も地域力というものは、一つひとつの中小事業の活力を高めることを通じて実現するものと考えてます。


その後、角野長官が経済産業省関東経済産業局長を務められてた時に「組織開発」の大家である南山大学人間関係研究センター長中村和彦教授の知見を得、伴走支援の理論的な根拠を解明したことに端を発し、この経営力再構築「伴走支援」の官民合同チームを編成し、実証検証を行いながらその手法を確立し、全国展開するまでに至る角野長官肝入りの施策です。


中村先生によれば、この伴走支援は組織開発における「プロセスコンサルティング」に該当するという見解です。プロセスコンサルティングとは「クライアントとの関係を築くことであり、それによりクライアントは自身の内部や外的環境に生じている出来事のプロセスに気付き、理解し、それに従った行動が出来るようになる」という適応課題として捉えてます。


適応課題とは「既存の知識や方法、解決策を提供するだけでは対処できない課題を設定し、自ら課題を解決すべく思考形式や行動を変えていくこと」であり、既存の知識や方法、解決策で解決可能な技術的問題と対比されます。先行き不透明な時代には、形式知だけではなく暗黙知を活用して適応課題に対処していく必要があるとした角野長官の言葉が印象的です。


中小企業に対する経営力再構築「伴走支援」の理論的枠組みが組織開発論に拠っていることは理解できましたが、いかに解答のない課題設定を見出し解決していくかは、その企業で働く経営者をはじめとする人々の中にしかありません。私は、その暗黙知を形式知化するプロセスに飽くなき関心を持っており、カウンセリング技法にその答えがある様に感じてます。


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会社の成長段階!

皆さん、おはようございます!
病院に通院していますと、あたり前の様に薬を処方され飲んでいますが、本当は人間にはきちんと身体を整えていれば自然に治癒する力が備わっているものと思います。それを対処療法的に薬で治そうとすると、やはりどこか身体のメカニズムに支障を来すものと思います。



多くの中小企業に関わっていますと、社員が30人前後になりますと会社の運営を組織立たせて行かないと運営に支障を来すようになるものと感じます。組織化するとは、それまで属人的に一人何役もこなしながら結果として会社を回していくことから、ある程度の役割分担をしていく必要があるということです。どこまで効率性を求めるかは考えどころでしょう。


人には得手不得手がありますし、時間にも限りがありますから、個人に備わっている秀でた部分に傾注し、その能力に時間をかけて更にその秀でた部分を伸ばして行った方が本人のためにも、会社のためにも良いことは明らかだと思います。しかし、だからといって余りにも効率化し過ぎてしまい、自らの役割としての業務を細分化し過ぎてもいけないのでしょう。


日頃、大手企業が持つピラミッド型階層組織が時代にそぐわなくなっている指摘をしていることと相反することを述べていますが、会社組織というものは適度なゆるやかさがあって丁度良いのでしょう。中小企業の様に組織がなくては持てる力が分散してしまいます。大手企業の様に歯車化し過ぎても人間が持つ暗黙知を生かせず創造力を発揮し切れなくなります。


そこで働く人に焦点をあてると、中小企業の場合は一人何役も業務をこなす必要に迫られ、必ずしも自分の得手としない仕事も行わなければなりません。会社のことが大局的に俯瞰できるという点に置いては大切なことなのですが、持てる個人の力が分散してしまい一つの専門能力を高めることが難しくなりがちです。やはり物事を捉える確固たる視座が必要です。


大手企業の場合は、中小企業とは真逆で専門性は身につけやすいのですが、その仕事が会社全体のどの部分を司っているのか、全体を客観的に俯瞰することが難しくなります。また、専門性とはいいましても、社会一般的に通用する専門性とは異なり、その会社固有の一業務としてのオーソリティという意味合いが強くなります。その点を認識する必要があります。


大手企業であれ、中小企業にとっても留意しなければいけないことは、そこで働く個人が自らのキャリアに対して明確な意志を持っている必要があることでしょう。これまでの様に、経済が右肩上がりで上がって行く時代ではありませんので、会社に寄り添っているだけでは
社会の変化について行けなくなります。良い意味で会社を利用する位の逞しさが必要です。


一定の領域の学問に裏付けられた専門性を最低でも1つ、可能であるなら2つ位の専門性を持って、深く考える力を養うと同時に、それを通して広く社会の動きを大局的に俯瞰できる視野の広さを持つことがキャリア形成にとって望ましいものと思います。その意味では、いまの時代においては一つの会社しか知らないというのは、極端に視野を狭めてしまいます。


その意味では、大手企業での仕事と中小企業での仕事の両方を知っていても面白いかもしれません。会社の成長段階に応じて、その様な軸足の定まった柔軟な人財を獲得することが出来れば、極端に属人的になることもなければ、歯車化することもないでしょう。「企業は人なり」と言われる通り、これからの社会に必要な人財を育てていく必要があると思います。


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50にて天命を知る!

皆さん、おはようございます!
大海原に漂う中小の事業をしっかりと受け止め、深く根を張って頂くことが不可欠だと受け止めています。将来が不透明な社会の到来を見据え、経営者が生き様を強く意識することが目先の売上を上げることや、費用を削減することにあくせくするより大切なことでしょう。



間もなく怒涛の如く、事業存続に切羽詰まった中小企業が押し寄せてくる勘がします。それを受け止める社会の枠組みとして、中小企業に対する再生事業である405事業(=経営改善計画)が思いつきますが、一見にして中小事業の財務上の課題を見抜き、抜本的に大鉈を振るうことが果たして中小企業にとっての再生の道であるのか疑問に思うことがあります。


如何にも大手企業の様にシステマチックとなった事業に対して行うならいざ知らず、中小企業の事業というものは浮草の様に脆弱で流動的なものだからです。事業の活力をもたらす心臓に経営者の魂を込め躍動させていかなければ、財務的な再生術に疲弊してしまい負けてしまうように思います。確かに資金という血液の循環が滞ってしまえば元も子もありません。


多くの中小企業が債務超過(=債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態であり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態)に陥っている外形的な判断基準をもって
、世の金融機関は新たな資金の貸し出しを止めてしまいますが、過去の業績の結果である債務超過という事実をもって、これから到来するであろう将来の予測など出来ないでしょう。


私の経験値からしても、債務超過に陥っているからといって中小企業が直ぐに倒産する訳ではありません。倒産するかどうかということは、事業に息づく生命力とでもいうのでしょうか、経営者に厚く焦がれる事業に対する思い次第なのです。それは、経営者が事業を通して社会に対して何を実現しようとしているのかという、熱い思いということになるでしょう。


それが経営者としての血の通った思いから遊離した客体として事業を捉えていては、物事の本質を見失ってしまうでしょう。事業というものはもっと人間臭い泥臭いものであり、その意味からは、事業というものは経営者という生身の人間によって育まれていることから、この地球の自然界の循環メカニズムに包摂されている存在であるということが出来るのです。


経営者がどんなに力んで強引に自然界のメカニズムから離れたことをやろうとしても徒労に終わってしまうことを意味します。そうではなく、身体の力を抜いて呼吸を整え、経営者自身の心の中から湧き出てくる無言の声に耳を傾ける必要があります。なぜなら、人間は自然界に抱かれる存在だから、その流れに身を任せながら遣りたいことを感じれば良いのです。


一つだけ大切なことがあります。経営者は自分自身の生き様を自ら理解している必要があることです。自分で自分の思いを知ることは簡単なことではありません。しかし、自分の中にある暗黙知を形式知化するプロセスを経ることによって、人間は大きく成長するものです。独りで自問自答を繰り返していず、気心の知れた他者との対話を通して明確にするのです。


事業というものは、規模の大小で測るものでなく、その質だと思います。どんなに小さな事業でもその存在意義が社会にとって掛け替えのないものであるなら永続的に息づいていくことでしょう。そんな事業が少しでも多くなることを期待しています。その意味では、財務というものを過信することなく、その奥底にある人間的な部分に触れていくことが大切です。


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