誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

良いM&Aとは

みなさんこんにちは!
前回、最後の下りに素敵なM&Aとして大和ハウス工業の生活機器を扱うベンチャー企業への出資について触れました。そもそも良いM&Aとはどの様なものなのでしょうか。


一般的にM&Aはゼロから事業を立ち上げるのは大変なので、時間を買うという意味で有効だと言われています。確かにその通りだと思います。一方、M&Aを行うことにより、1+1が2ではなく3になる互いの事業が補完し合うシナジー効果も大切です。


このシナジー効果にも幾つかのパターンがありますので、この点について少し触れてみたいと思います。大別しますと、①販売強化と②規模経済によるコスト削減効果になります。


例えば、楽天やDeNaによるオンライン旅行業者の取得は互いの持つ顧客に相手側の商品を供給する「クロスセル」と言われるもの、レノボによるIBMのパソコン事業買収はブランドの取得等、販売強化のシナジー効果が考えられます。


一方、コスト面に目を向けますと、ビッグカメラによるコジマとの統合は同種商品の購買量が飛躍的に伸びますので、メーカーに対する価格訴求力が増えますし、銀行の経営統合はある意味情報産業化しつつある銀行事業のシステム投資の共通化メリットがあります。


これらに比べて、住宅メーカー、不動産開発を本業とする大和ハウス工業の事例は、最終的な主要なお客様が個人であることを踏まえて、福祉介護のベンチャー企業への資本参画は、来るべき少子高齢化社会の中での布石という点において夢がありますね。


また、ある化学メーカーが子会社である金型メーカーの立て直しをする為に、金型子会社の事業資源を見極め、ドメイン市場である自動車メーカー向けに業容転換する際にM&Aを活用していました。


2000年代初頭の自動車メーカーは生産拠点の海外移転が著しかった為、同社では①大手自動車メーカー市場獲得、②海外生産拠点獲得、③3D CAD等情報化の為、自動車メーカーに強い金型専業メーカーと資本業務提携を行ったそうです。


これ等も、前向きに市場動向を踏まえながら、自社に欠けている事業資源を時間と資金の効率化の観点から、外部の企業に求め、業容を転換したという意味においては、なかなか奥行きのあるM&Aであると思います。


今後、人口が減少して行くことは、間違いなく各産業における市場規模が縮小するということです。一方、工場等も過剰な設備として見直しが迫られるかもしれません。曳いては社会インフラも更新時期を迎える最中での供給過剰感が否めなくなるかもしれません。


確かに自社の事業ばかりに目を向ければその様な考え方となってしまいますが、広く社会のトレンドとして、新たに生まれてくるシニア向けサービスや、社会インフラを維持管理して行くサービス、年金が期待持てない中での資産形成等、新たな事業の芽も生じていいると思います。


その際に、自社の事業資源を充分に見極め、来るべき社会に向けた新たな事業に再構成する際にM&Aの方法は有効だと思います。M&Aには業務連携の側面と資本獲得(=経営権取得)の側面がありますが、必ずしも資本獲得を絡ませずとも自由に考えることが出来ます。


日本の経済は中小企業が担っています。大手企業と中小企業の連携、中小企業同士の連携等、時代の流れに合わせて、フレキシブルに新たな事業を創出して行く、そんな広義の意味でのM&Aが望まれていると思います。


M&Aトレンド

おはようございます。
この1ヶ月新聞を隈なく見ていますと、M&Aの記事が本当に多いですね。
大手企業から中小企業までさまざま。期末を控え、企業も決算対策で来期を睨んだ施策を打ち出しているのだと思います。この2週間だけで少なくとも22件は掲載されています。


内容を見て行きますと、ある程度のパターンに収斂しているように思います。
集約すると以下の要点に括ることが出来ると思います。
 ①自動車メーカーの自動運転化、地域人口減少を見据えたグローバルな緩やかな連携
 ②日本国内人口減少を見据えた、メーカーの海外市場獲得
 ③国内企業における新たな商材、ブランドの獲得
 ④同業者同士の規模の経済追求と財務基盤強化


土曜日に池上彰さんの解説を聞いていたら、国内企業は人件費を抑えながら1500兆円もの金融資産を積み増しており、企業業績は良いが労働者個人の実感が全くわかない。企業の将来に対する不安感が理由になると話されていました。
確かに、人件費だけ見ても、ハブル経済崩壊後のデフレ経済の中で、業績は回復しているようですが、私個人も給料水準が全く横ばい。。どころか減少(笑


今は東京五輪を控えてマインド的にも、特需で景気が良いようですが様ですが、2020年以降は、人口減少と少子高齢化以外にイベントがありません。特に住宅不動産業界は、業界の方に直接お話しをお伺いすると、捌き切れないほどの需要があり、東京五輪後のことを考えている方は経営幹部からも聞こえてきません。リノベーションはゼネコンがやる仕事なのかな??という感じです。


その意味で、危機感を感じて、いま資金余力があるうちにM&Aを行って、事業を強化を進める企業は先見性がある言えるかもしれません。若しくは、既に国内需要の減少という現実に直面し、遣らざるを得ないというのが正直なところかもしれません。
人口減少問題は、単に需要が減少するのみならず、今まで右肩上がりの経済下に積み上げてきた社会基盤が過剰になるということです。


メーカーで言えば、少なくとも生産拠点が過剰になることは避けられないと思います。また、ハウスメーカー等は新築着工戸数がこの30年間で約50万戸減少し、2020年には70万戸を割り込むと言われる中で、大手事業者数はむしろ増えているのではないでしょうか。私は東京五輪後は、業界再編の嵐が吹き荒れると思います。
ただし、人口減少問題は逆に雇用者数の減少をも齎しますので、上手く縮小均衡できれば個人消費者はあまり実感しないのではないでしょうか。


矢面に立つのは、上場している大手企業ではないでしょうか。会計上の損得で経営判断をせざるを得ないので、減損、固定資産廃棄、売上減少はボディーブロウが効いてきますので、今でいう東芝の様な子会社売却等の対応を図らざるを得なくなると思います。
長年、M&Aを手掛けてきて思いますのは、単にリストラ型のM&Aでは企業にとっては必然かもしれませんが、社会にとっては余り意味がありませんね。


この1ヶ月間を振りかえる限り、大和ハウスによる生活に関わるべンチャー企業への出資が見ていて一番納得感がありました。あとの21件は、時間を買うと言う方法としてのM&Aという意味ではあり得るのかな、と思います。ただし、実際にこの中で、本当に燻銀のM&Aと言える案件がどれだけあるかは疑わしいところです。私が見る限り、投資額が高すぎると思われる、実行する前から結論が見えている案件も堂々と新聞に掲載されているところが面白いです。ウエスチングハウスも買収する時には鳴り物入りで、トップページに掲載されていましたっけ。。

事業構造の考え方

みなさま今晩は!
週に2度の記事なのに公開するのがいつも夜になってしまいます。
もっと、効率よく書かなければ自分価値が上がらない?!


という訳で、私の経験談として、事業構造について考えてみたいと思います。財務の観点から事業を語る場合、資金面に焦点をあてることになりますが、如何に資金効率の良い事業運営を目指して行くかということになります。


事業を行う為には、予め資金を用意して、その資金を元手に原料を仕入れたり、機械を購入したりして、素材に付加価値を付けて商品として販売することにより、売上として利益を付加した資金を回収する。


その意味では、事業を開始した時に投入した資金を循環させながら、徐々にその資金を増やして行くことになります。人間でいえば、体内を養分を運びながら循環する血液に例えられることが多いですね。


事業にあたっての初期投資額は何も貸借対照表に計上される資産だけではありません、人件費、それに伴い発生する行動経費、事務所費等、これらも財務の観点からしますと、「事前」に事業に費やすコストですから初期投資です。


また、初期投資を最小限に抑えれば、当然に利益も増えることになります。これが財務の基本です。その上で、利益を最大化する為には、営業力、商品開発、規模経済、研究開発等々様々ですが、結論を申しますと、その事業固有のノウハウ確立だと思います。


特にテクニカルに難しい事を行うことではないと思います。まずは業務を当たり前のことを当たり前に行うこと。業務上の失敗や無駄による損失を最小化すれば、顧客からの信頼も上がり、ノウハウとなり、やがてブランドとなるのではないでしょうか。


事業活動の裏には必ず資金がついて回ります。お金の流れを追って行くと、資金が無駄なく効率的に使われているか良く見えてきます。お金には①投資、②リターン、③リスクという3つの与件が経済的な尺度としての基礎となります。


それと同時に、財務数値を素直に直視して、どの様に経済活動の状況を読み取っていくかということが大切だと思います。私は、財務数値から実際に個別資産の状況や契約書がイメージし、事業を構造的に理解するように努めています。


そこまで理解できますと、銀行への融資のお願いの際にも、また資本調達の際にも、事業構想まで語ることが出来ますので、説得力が出てくるものです。公共事業も、単年度会計だけではなく、財務の視点が必要かもしれませんね。