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トヨタとNTTの提携!

皆さん、おはようございます!
一つの領域の中でポリシーを持って活動していく為には、その領域の中で長年培ってきた豊富な経験と知識が必要だと思います。その上で、個々人の価値観や考えといった個性に支えられて、その人ならではの燻銀のようなポリシーが磨かれて行くものでしょう。



トヨタ自動車とNTTが出資額2千億円規模の大型資本・業務提携を行うことになりました。通信を活用した自動運転技術などの技術を共同で開発をする他、トヨタが2021年に静岡県の工場跡地を活用して建設するスマートシティ「ウーブン・シティ」において、両者の技術を持ち寄り自動運転車などが往来する未来都市を共同で創る計画です。


今回の両者の提携において目を引くことは、自動車メーカーと通信事業者という全く異なる業種の間で手を携えることです。従来の資本業務提携といえば、同業者同士が新商品を開発する水平連携とか、業界を越えたサプライチェーンを構築する為の垂直連携に終始していたと思います。その意味では、これからの時代の新しい取り組みと言えるでしょう。


自動車産業はCASE(=つながるクルマ、自動運転、クルマのシェアリング、電気自動車)と呼ばれる新技術領域の開発競争が活発になっています。特につながるクルマや自動運転の分野では車輛単体の性能向上だけでなく、クルマの外から情報を集める通信技術を活用することが不可避となっています。更には、街と一体となった運用が必要でしょう。


トヨタでは、ウーブン・シティにおいて「イーパレット」という自動運転電気自動車を走らせる他、居住者の室内用ロボットなどの様々な新技術を検証していく計画です。MaaS(=次世代移動サービス)やAI(=人工知能)の開発も促進する考えで、いずれも高速通信技術が不可欠な分野であることから、今回の業務提携に踏み切ったのでしょう。


NTTも、伸び悩む通信事業に変わる収益源として、スマートシティ構想をグループの成長戦略の柱として進めています。スマートシティでは各種センサーを連携させる為、5GなどNTTグループが保有する技術を活かし収益を高められる利点があります。両者ともに、スマートシティという未だ社会で実現していない事業領域へ参入期待があります。


これこそがオープンイノベーションであり、トヨタが持つクルマを製造する技術とNTTが持つ通信技術を掛け合わせることにより、今までの社会にない新たなことを創出しようとするエネルギーこそがこれからの時代に必要なんだと思います。その為には、やはりそれに取り組む主体にプロとしてのポリシーを持ち得ていることが必要なんでしょう。


その基盤がなければ、各々が持つ技術という知識を融合して3以上の答えをを導き出す創造的な活動にはなり得ないと思います。それからもう一つ、未だ見えない構想(=ビジョン)を描きだす創造力も見逃すことが出来ません。打ち立てた構想の下、それを実現していく為に必要な社会資源を集め、組み立てて行くオーガナイザー機能も不可欠でしょう。


今般のトヨタ自動車とNTTの資本業務提携においては、豊田社長がそのオーガナイザーとしての役割を司っていると考えられます。オーガナイザーは、事業会社の内側にいる場合もあれば、第三者的に事業会社の外側にいる場合もあると思います。幕末維新の時代は、渋沢栄一をはじめ多くのオーガナイザーが日本の社会を支えてきたものと思います。


今日もありがとうございます!
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