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生きたお金の使い方!

皆さん、おはようございます!
先日、知人のM氏とお会いしてきました。アプリケーションを制作するITベンチャーを経営する彼の表情は非常に明るく、安心しました。昨年来、開発するアプリが振るわず、経営が窮地に追い込まれていましたが、ようやくそこから脱し一息をついたようです。



武田薬品工業によるアイルランド製薬会社シャイアーに対する7兆円にも上る買収劇の記憶もまだ新しいと思います。その様な最中に、今度はセブン&アイホールディングスによる米石油精製会社マラソン・ペトリアムのガソリンスタンド併設型コンビニエンスストア部門「スピードウェイ」を2兆円で買収する交渉に入ったことが取り沙汰されています。


持てる資金力にものを言わせた大型買収により活路を見出す大手企業の経済活動に盲点はないのでしょうか。株式を公開している企業は、絶えず企業成長(=株価を上げる)し続ける宿命を負わされることになります。武田薬品工業もセブン&アイホールディングスも共に国内の生活者(=消費者)を対象顧客として成長をしてきた企業であるといえます。


自社の成長にともない、国内の市場が飽和状態となり相対的に小さく感じられる様になり、国内市場を主要顧客とする百貨店、スーパーマーケット事業の業績が不振となるなる中で、いまはまだ比較的堅調なコンビニエンスストア事業のノウハウを活かして海外市場に進出しようとする考え方は、一見、教科書通りの正しい選択肢の様に見受けます。


海外のコンビニエンスストア事業は、日本のそれと比べてまだまだ無駄が多く効率的な日本のコンビニ運営ノウハウを輸出すれば、収益性を高められる余地が残されているとの読みもあるようです。ちょうど1980年代の自動車産業において、日本の自動車メーカーの効率的な生産技術が海外に輸出され、模倣されて来たのに似ていると思います。


しかし、一企業として巨額の資本にものを言わせ海外の市場を買うことで当面の企業成長を維持できたとしても、いつかはこの広い地球上の国土をコンビニで埋め尽くしてしまい、成長軌道が頭打ちとなることは明らかです。また、それ以前の問題として、国内の市場が飽和という名の空洞化を起すことになり、それが放置されることが懸念されます。


国内市場に目を向ければ、標準化という名の下に規模の経済を追求するカタチの小売店舗は、確かに生活者の目から見れば便利ではありますが、必ずしも買い物をする時のワクワク感、好奇心をくすぐられる楽しさが失われています。地域の異なる同じ系列の店舗に行けば、同じ場所(=棚)に同じメーカーの商品が並んで売られている現実があります。


これからの時代、企業主体の社会から個人生活者が主体の社会に転換することが確実であり、個人生活者の立場からすれば自らの暮らしを豊かにするため、衣・食・住について標準化された商品よりも自らの嗜好に合う逸品を買い求めようとする需要が増えて来ます。スケールメリットとは真逆のパーソナルメリットを追求していく必要があるでしょう。


その時に現在の店舗がどの様に進化していくのか、若しくは店舗という概念はなくなりネット販売に移行するのか、またはその折衷の形になるのかは分かりませんが、新たな業態開発にも潤沢な資本を投下していくことが不可欠でしょう。大切なのは、グローバル化という矛盾をはらんだ覇権ではなく、自己変革していこうとするエネルギーでしょう。


今日もありがとうございます!
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