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ソーシャルローン!

皆さん、おはようございます!
いままでの企業は、資本の論理により盲目的に利益を上げることを追求してきたように思います。それは欧米流の考え方を模倣してきたが為になされてきたことだと思います。
これからの時代は、経済性のみならず社会性も兼ね備えているべきでしょう。



三井住友銀行が、社会的な課題の解決につながる事業に融資を行う、ソーシャルローン(=社会的融資)を始めるそうです。第1弾として不動産投資信託(=J-REIT)であるヘルスケア&メディカル投資法人に55億5千万円の融資を行います。同投資法人は調達した資金を有料老人ホームや病院の取得に充てる予定です。


このソーシャルローンはSDGs(=世界が2030年までに達成すべき17の環境や開発に関する国際目標)に準拠していることを外部機関で社会性評価する仕組みです。
融資にあたり金利など条件面での優遇はありませんが、三井住友銀行としては社会の問題解決に取り組む企業や法人として社会に訴求できる利点があるとしています。


金融機関として、単に財務上の数値を評価するだけでなく、その社会的な意味をも評価する姿勢をも示すという意味で、これからの時代に大変に意義あることだと思います。
外部格付機関の評価手続きという手間が増えることになりますが、これからの時代は利益の追求と社会性の追求のバランスがとれていなければいけないでしょう。


いま私たちの感覚としては、未だ企業とは形ふり構わず自己の利益のみを追求する存在であると思われているかもしれません。しかし、それだけでは社会的な秩序を維持しながら持続可能な社会を実現することは難しいことに気付き始めています。将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現代の要求を満たすような事業が行われるべきです。


そこには人間として守るべき一定の倫理観がなくてはいけないと思います。日本も高度経済成長時代を経験し、利益を偏重する経済活動をとってきたと思います。それは、経済先進国であった欧米諸国に追いつけ追い越せの精神で、経済政策や経営戦略を模倣して来たからでしょう。経済成長できる条件が整っていたことも上げられると思います。


しかし、右肩上がりの経済成長が一段落したいま、次なる社会の発展を模索するにあたり、模倣すべき道標がないなかで私たちが目指すべきところは、心豊かな社会であるはずです。それを実現するためには、行き過ぎた経済活動により生み出してしまった社会的な課題を一つずつ解決して行くことが望まれているのでしょう。


JR東日本が自社が運営する商業施設「アトレ」の第一号店を台北に出店しました。これを契機にアジア諸国への事業展開を強化して行く計画があるようです。内需産業であるJR東日本にとって企業成長し続けて行く為には、グローバル社会の中で海外への事業展開を視野に入れて行くことは自然なことかもしれません。


一方で、JR東日本が事業を行う地方都市の中には、未だにアトレが出店していない地域も多くあると思います。地方経済が地盤沈下を起こす中で、アトレを新規出店するには採算が見込めないとの理由もあろうかと思います。であれば、アトレという業態ではなく、その地域に合致する新たな業態を開発して地域が興隆する方法も模索すべきでしょう。


ファイナンスの理論からしましても、企業が獲得すべき利益は多ければ多いほど事業価値が高まるというのが定説となっています。それは事業価値と利益の因果関係の枠組みを説明するものであり、事業価値を高めるための方法論を提供している訳ではありません。利益を高める努力をすることは当然として、社会的な意義をも考慮に入れるべきでしょう。


最近、社会的意識の高い事業家が、国の補助金や交付金を活用して社会貢献事業を手掛ける事例も増えている様に見受けます。しかし、そもそも補助金や交付金がなければ採算の合わない事業(=それでも採算の合わない事業が多い様に感じます)は、そもそも事業の仕組みが成り立っていないので上手く行く筈がありません。


少し厳しい言い方ですが、補助金や交付金を充てにしますと、最初から事業の脇が甘くなってしまうものと感じます。事業とは、他人のお金を目当てに計画をすると最初から水膨れした計画となってしまうものです。その様な事業計画では上手くいく事業も、上手くいかなくなってしまいます。やはり自助努力で利益に固執して行く必要もあります。


その意味で、利益を追求せずして社会的な意義ばかりを追求していても、その両方のバランスがとれていなければ持続可能な社会は実現できないと思います。いかに利益と社会的な折り合いをにつけて、事業を通して社会の課題を解決していくかを考えることが必要です。やはり事業の価値とは、経済性と社会性を兼ね備えたものなのでしょう。


今日もありがとうございます!
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