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amazonエフェクト!

皆さん、おはようございます!
気が付いてみれば、本は必ずamazonで買うようになっています。本の内容をある程度調べることができ、書評がとても役に立ちます。しかも、最近は自らの購買履歴に基づいて興味のありそうな本の紹介までしてくれます。



全世界で約1300店舗を展開する、米衣料品チェーン大手GAPが消費のネット通販へのシフトにより、数百店規模の不採算店舗の整理に乗り出すそうです。閉店するのは約800店を占める北米店舗がほとんどです。50年前の創業当初から開店している店舗の合理化が遅れているため、残った店舗への改装投資に傾注するのが目的です。


背景には米アマゾンをはじめとするネット通販業者の躍進があることは言わずも知れた所かと思います。1995年に創業した米アマゾンは、その14年後の2009年には売上高約2兆円(=世界小売業ランキング35位)、2017年には売上高約20兆円(=同6位)という猛烈な勢いで成長を続けています。


その間、2006年には米CD販売のタワーレコードが経営破綻し、2011年には米書店大手のボーダーズ、2015年には米家電量販店のラジオジャック、2017年には米玩具販売のトイザラス、そして2018年には米百貨店のシアーズ・ホールディングスがやはり経営破綻をしています。


米アマゾンと直接競争しあったというよりも、消費者の購買動向がリアル店舗からネット通販に大きく転換していると見るのが自然かと思います。情報技術革新が、間違いなく世界の小売業の勢力図を塗り替えていると言えるでしょう。トヨタ自動車の2倍の売上規模を誇る米ウオルマートも他人事ではなく、ネット販売との融合を急いでいます。


リアル店舗事業を営む小売業者が恐れなければならないのは、ネット通販業者が情報技術を駆使して顧客情報を利用して効果的な商品の販売を行っていることです。お客様がどこにいて、どの様な商品を購入しているのかが分かっているからです。それらのデータを活用して商品を薦めたり、製造したりするパーソナライゼーションが可能になるからです。


今までのリアル店舗ビジネスは、オリジナルブランドを確立して、事業者側の推測に基づくマーケティングにより商品を提供してきましたが、情報技術を活用することにより、お客様個々人の嗜好に合わせた商品の提供が出来るようになります。一方、お客様はリアル店舗で商品の品定めをしてからネットで購入するという賢い購買行動をとっています。


この辺に小売業におけるネット販売とリアル販売が融合する鍵がある様に感じます。
米アマゾンがリアル店舗である、オーガニック食品を扱う高級食料品チェーンのWhole Foods Marketを買収した理由があるのではないかと思います。
生鮮食品などは実際に商品を見定めて買わなければいけません。


一方、リアル店舗事業を運営する米ウオルマートは、傘下のスーパーマーケットである英アズダを売却し、ネット事業に軸足を移す戦略の転換を鮮明にしています。国内に目を向けても、小売各社がデジタル分野への投資を拡大することを明らかにしています。イオンではネット通販の強化や物流自動化に向けて1兆円の投資を行うことを検討しています。


具体的に、ネットとリアルを融合した小売業の新たなビジネスモデルを模索しており、キャッシュレス決済などで収集した購買データを商品開発や販売促進に活用するだけではなく、実際に東南アジアの現地法人と連携してネットスーパー事業の展開を急いでいます。既に構築している東南アジアでの約1300もの店舗網を活用して行く考えです。


この様な業界の動向を見ていますと、米アマゾンであっても安閑とはしていられないと思います。これからの時代の小売業のあり方がどの様に進んで行くのかは、誰にも分かりません。ネットとリアルが融合して行くところにイノベーションがあり、それは消費者が自らの購買心理に合わせて何を取捨選択して行くかにより決まって行くからです。


消費者は買い物を楽しみながら行うものです。国内小売業の中で唯一ドンキホーテのみが一人勝ちしているのは、そこに買い物の楽しみがあるからではないでしょうか。
かつての百貨店にも同じ様な楽しみがあったのではないかと思います。扱っている商品は全く異なりますが、いずれも自分ならではのモノを発見する楽しさでしょう。


その意味では、リアル店舗がネット販売に駆逐されて無くなることはないとおもいます。
コモディティ化された商品についてはネット販売の方が消費者の支持を得られそうですが、立地特性を生かした独自の商品を如何に集められるかがリアル店舗の活路である様に思えます。小売業の世界は、まだまだ目が離せません。


今日もありがとうございます!
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