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損保代理店にも再編の波!

皆さん、おはようございます!
様々な業種で、後継者難による中小事業承継に拍車がかかっているようです。
大手資本による集約が一段と加速していますが、果たして規模の経済という考え方を中小企業に持ち込むことにより、私たちの暮しは豊かになるのでしょうか。



国内の損害保険販売の中核を担う保険代理店に再編の波が押し寄せているそうです。
代理店数の減少に歯止めが効かず、2017年度の損保代理店数は18万6733店で、近年は毎年約2万店が廃業しているとのことです。その内、事業主が60歳以上の代理店が約4割を占めているようです。


高齢化と後継者不足で廃業が相次いでいるため、大型代理店によるM&A(=合併と買収)や損害保険会社大手への集約が加速しています。その背景には、大手損害保険会社にとって、唯一の最終消費者につながることが出来る保険代理店に簡単に廃業をされては困るという事情もあると思います。


最近でこそ、自動車保険はインターネットによる契約が手軽にできるようになりましたが、損害保険会社各社にしてみれば、移ろいやすい消費者を受け身で待つのではなく、ライフサポートの観点から、積極的にお客様にアプローチして行きたい所でしょう。その意味では、どんなに情報技術が発達しても、保険代理店はなくならない業種と言えます。


損害保険会社の代理店においてですら、単純に廃業するのではなく、M&Aなどによる集約が進んでいます。視野を広げますと、もっと様々な業種で後継者難による中小企業の再編が起きて来ると思われます。街を見渡した時に、目に飛び込んでくる調剤薬局、クリーニング店、理美容室など、事業承継の可能性を挙げたら切りがありません。


いずれの業種も等しく事業主の高齢化という問題が避けて通れず、廃業してはお客様や従業員へ迷惑がかかるので事業承継という判断になるのだと思います。一方、どの業種にもその業界の大手事業者が存在していることから、手っ取り早く彼らが中心となって中小事業承継の受け手となっていくものと考えられます。


大手事業者に買収されることになりますと、商品やサービスの標準化がなされ、店舗の看板や内装デザインが統一されることになります。その様に標準化されたお店が行く先々の地域に存在していたら、何か街の個性が失われてしまい不気味だと思ってしまいます。
各店舗毎の個性があって始めて、街のにぎわいが出て来るというものです。


そんな違和感を感じさせない程度の規模の経済の追求は、各事業者の生産性を高めていく為にも必要だと思います。しかし、必要以上のそれは、個性化の時代において規模の不経済を惹き起すことにも留意すべきでしょう。コンビニエンスストアも、今では店舗数が増えすぎて、同じ地域内で自社同士の店舗が競争しあっている状況です。


利便性という機能のみを追求する業種であれば、それはそれで良いのかもしれませんが、調剤薬局、クリーニング店、理美容室などは、利便性のみでは割り切れない付加的な価値を求めるものではないでしょうか。ナショナルブランドというよりも、その地域毎のリージョナルブランドを維持できる位の業界再編に留めるべきかと考えます。


いまの中小事業承継では、必ずM&Aアドバイザーなどの専門業者がマッチングの為に介在しています。黒子的な存在ですが、この業界再編に与えるインパクトは大きいため、手っ取り早く業界の大手事業者を紹介するという考え方をすべきではないと思います。
まずは、この専門家たちが将来に対するグランドデザインを持たないといけません。


地域ちいきの2~3の中小事業者同士が纏まって行く位の方が、長い目で見た時に業界にとっても、街づくりの観点からも活力が生まれるのではないでしょうか。買収資金については、地域ファンド(=基金)や調剤薬局ファンドの様なものを組成して運用して行けば良いでしょう。資本の論理も、社会的な意義に目を向ける様になりつつあります。


また、最近ではオリックスやあおぞら銀行が自己資金で後継者難の中小事業承継の買い手として、積極的に支援をはじめています。これらの企業と連携して行くことも可能だと思います。必要なのは、これからの中小事業承継に対する構想力だと思います。
いままでは資本の論理という大義名分だけで、簡単に規模の経済を追求してきました。


しかし、情報化社会が進展すればするほど、私たち生活者は標準化された商品ではなく、自分ならではの逸品=カスタムメードの商品やサービスを欲するようになると思います。
保険代理店をはじめ、中小事業の承継がますます増えていくと思います。その際に、資本力により大が小を買収する固定観念に捉われない様にすべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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