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大学教育改革!

皆さん、おはようございます!
いまの大学生と話しをしていますと、何を学ぶべきか分からないという声が少なからず上がります。情報化社会が到来し世の中が変わり行く中で、いま大学で学んでいることと実社会で求めらることが乖離していることを敏感に感じ取っているのではないでしょうか。



中西会長が率いる経団連が定期的に開催する大学との対話の場で、大学教育改革に関する提言を行っています。先日、企業による新卒一括採用に関するルールを明示しない方針を明らかにしたばかりの経団連が、今度は大学教育改革にまで踏み込むとは、旧態依然としたわが国経済への本質的な問題にメスを入れることに繋がり興味深いです。


経団連の大学への提言骨子は、文系と理系でそれぞれ偏り過ぎている教育内容に見直しを迫るものです。具体的には文系学生にも最低限の数学を学び続け、理系学生には教養(=リベラルアーツ)の充実を求めています。ビジネスの現場ではシェアビジネスやデジタルマーケティングが広がり、統計などの知識が必要と考えるからです。


また、グローバルに活動する企業は従業員の国籍が多様になり、異文化を理解する研究室に閉じこもらない、幅広い視点を持つ人材が必要とされていることが背景にあります。
一方、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会は20年後を見据えた大学の将来構想に関しても同じ様な内容を柱とする答申を行っています。


具体的には、学部や学科といった文系と理系の縦割りの組織に、予算や教員、学生定員を割り振る旧来の大学経営から脱皮するように促がしています。人工知能(=AI)などの先端技術を社会で活用する際の課題解決には文理融合した高度な人材育成が不可欠だからだ。例えば、倫理観や道徳心などの教養がないとAIを実装する際の判断が出来ません。


先端技術と法律を学ぶ文系の学生が検索エンジンのアルゴリズムなど情報工学を履修したり、逆に金融工学の専門家を目指す理系の学生が単位互換で経済学や統計学を履修できる、そんな学習者本位の仕組みが必要であるとしています。学生本人が、社会に対して興味を持つことを研究テーマとして自律的な学びが大切だと思います。


今までは、企業の新卒一括採用の慣行と相まって、学生が何を自律的に学んだかよりも在籍した大学のブランドが重視された為に、結果的に大学4年間に諸外国に比べて緩い審査で学位を取得するという風潮が長らく続いて来たと思います。これからの時代は、創造力が求められる時代ですので、大学4年間で独創的に考える力を習得すべきでしょう。


その為には社会に対して建設的に批判する視点を持ちつつ、自分なりに社会の課題を見い出し、それを研究テーマとして掘り下げていく発想力と論理的な説明力が大学時代の学びになると思います。どれだけ着眼点の良い研究テーマを見い出せるかは、言葉では言い表せない五感にも似た気付きが不可欠です。


そして、それを言語で論理的に探究して行く姿こそ本来の学びだと思います。ちょうど、イノベーションを起こすために①個人が他者との相互作用を通じて暗黙知を共創・共感する、②共有した暗黙知を言語として概念化する、③組織集団の形式知を体系化する、④組織集団での活動を通じて個人が暗黙知を体現する、という知の過程を辿るのと同じです。


その知識を生成する過程を大学生活での学びを通じて体得することは、これからのより良い社会を創造していくために不可欠なことと思います。「1970年代には教養世代は絶滅し、1990年以降に勃興した実学世代(山口周著「劣化するオッサン社会の処方箋」より)」の次に求められるのは、やはり独創的に考える世代だと思います。


これからの時代は、情報技術革新により社会の仕組みが大きく変化しますので、今までに培ってきた経験の積み重ねを拠り所としているだけでは、課題に対する最善の対応が図れなくなると思います。誰しもが経験をしたことのない社会の課題に対して、最善の解答を出して行く為にはどの様にしたら良いのでしょうか。


その時に必要なのは、最終的にはやはり物事の良し悪しを判断する全人格的な美意識や教養(=リベラルアーツ)といった審美眼が大切なんだと思います。まだ一般化していない解答のない課題に対処するためには、大局的な観点から物事の本質を洞察して行く訳ですが、その際に哲学にも似た美的センスが問われるでしょう。


その様な人財を世の中に多く輩出して行く為には、いまの教育の仕組みから変えていく必要があります。それ以前に、私たちがその様な人財を望む必要があると思います。
これからは、知識を詰め込むだけではなく、独創的に物事を考え、正(美)しく判断する資質が欠かせない世の中だと思います。


今日もありがとうございます!
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