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クラウドサービス

皆さん、おはようございます!
今日は曇りですが、梅雨空というより雲が明るく、気温も適度で
いまは雨が上がっているので過ごしやすいですね。
庭を見れば、1週間で草が大きくなっており、その生命力に驚くばかりです。


学習塾のオンライン塾、クラウドソーシング、クラウドレンディング、ネット見守りシステム。これらは、昨日の夕刊と今日の朝刊で目に留まったクラウドサービスの見出しです。昨日のハコベルではありませんが、ITがBtoBのみならず確実にBtoCの世界にも浸透してきているようですね。


まだ勃興期にあるようですが、
情報技術も今までの業務効率化に向けた利用から、ネットワーク技術と融合したサービスを提供する実業の部分に本格的に広がって来たと思います。
いくつかは今までに事業化を検討したり、自らも利用したことがあります。


学習塾におけるオンライン学習システムは、労働需給逼迫により残業の多い学習塾の教師の採用が難しくなっていることから、教室に生徒個人個人の端末機器を用意し、オンラインで先生が授業を行うという仕組みです。実際に先生を目の前にしての授業とは異なり、教える側が一方的なペースで教えるから双方向の授業にならないことが心配です。


普通でしたら、先生が生徒の表情などをも見ながら授業の速度を変えたり、分からない部分の深掘りをしたりするのでしょうが、それが出来ませんよね。それでも、親御さんからすると、自宅で自習するより集中力が高まる為、また授業料が半額であることから好評を得ているようです。


クラウドソーシングは、当初はオンラインで企業側が求める専門的なスキルを持つワーカーに業務の募集を行っていた様ですが、現在は企業側の多様な業務を進める為に募集する業務も物流会社が新規事業立ち上げのための調査業務や金融機関のフィンテック事業のロゴデザイン業務を募集したりと千差万別です。


特に専業主婦が自宅の目の届くところに子供がいながら、文章の校閲や編集業務を行ったりできるので、今後の労働需給が逼迫して行く中で主婦層やシニア層の起用に期待が寄せられています。既に国内では400万人が利用しており、2020年には1千万人を超えると言われています。米国に至っては労働力人口の35%にも上るそうです。


クラウドソーシングは、委託する業務が個人で完結できる業務に向いていると思います。ある程度、業務が標準化できる場合やデザインやITプログラム制作などのクリエイティブ力が必要とされる業務が対象となるのでしょうか。私の知人もIT業務に特化したクラウドソーシング業務を立ち上げております。


クラウドというネットワークの中でのマッチングですので、募集する業務の仕様の記載方法や、それ以上に応募する側の自らのスキル表現方法に難しさがあるかもしれません。
文章の中の活字では読み切れない、ヒューマンタッチな部分が行間を埋めてコミュニケーションを成り立たせている社会でもありますので、その部分を上手く解決すると飛躍的に働き方が変わるのではないでしょうか。


企業においては、在宅勤務を認める会社が増えています。その場合の企業と社員の連絡手段は電話、メール、スカイプ等々によって行っていますが、どうしても業務の性質上、顔を突き合わせて呼吸を整えなければ出来ない業務もあります。企業も部署単位で業務を管理するだけではなく、業務仕様単位でマネジメントする必要が増えて来るものと思います。


クラウドレンディングは、クラウドファンディングの派生形で生まれてきたようです。クラウドファンディングが、新たに商品開発等を行いたい個人や企業が、ネットを活用して大衆から予約販売型、寄付型、株式購入型により資金を調達するものであることに対して、クラウドレンディングはその資金調達方法を「借入」により行うそうです。


実際には資金を調達する側と大衆との間にその募集やPRを媒介する仲介者が存在する訳ですが、金融機関で融資業務の経験のある私が感じますのは、確かに大衆に一定の事業という目的を明確にして資金を調達するのは素晴らしいですが、融資ノウハウの要点は対象事業に対する経営者をも含めた目利き力と管理力ですので、そこがどの様に確立できるかがポイントの様に思います。


今後の金融の世界も、マスマーケットを対象としたビジネスモデルよりも、マイクロファイナンスではないですが地域金融の必要性が高まってくると思います。地域内の課題を解決する為に資金が必要な場合、その社会的な課題を解決する意義と主体者の理念をどの様に財務面から補強しつつ地域内から資金を募り地域内で循環させるかという視点が必要になると思います。


ネット見守りシステムは日本郵政の計画ですが、
遠方にいる親御さんを情報端末機器を使用して元気に暮らしているかモニタリングすることにより、緊急時には近くの郵便局から駆け付ける事業の仕組みを構想されていた様ですが、通信ネットワーク、端末機器のコストが合わずに事業化を見合わせるそうです。


一方で、見守り事業自体は、郵便局員が定期的にご家庭を訪問して健康状態等を確認して遠方にいるご家族に伝えるリアルな事業に切り替えてスタートする様です。これはお年寄りにとっても、いつも郵便物を配達してくれる馴染みの郵便局員とのコミュニティを利用するサービスである為、人間の琴線に触れる良いサービスだと思います。


この様に振り返ってみますと、確かにITは発展してどんどん生活の中にまで入ってきていますが、その新たに生まれて来るクラウドサービスが人間に生理的な矛盾や長年培われた慣習を無理にシステムに合わせなければならない様な仕組みは、結果的に長続きしなくなると思います。


労働需給逼迫を解消する為にITは有効だと思いますが、あくまでも人間が主役で、社会の仕組みを改善する為に人間が負担を強いられる様な仕組みは本末転倒だと思います。
ややもすると人間が造った社会の仕組みから人間が疎外されている様な社会に感じますが、あくまでも人間が主役であり、シンプルに考えますと人間と自然界の相互作用から現在の仕組みが生まれてきたその歴史を忘れてはならないと思います。

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