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東急電鉄のイノベーション!

皆さん、おはようございます!
ふと思い出したことがあります。高校時代より飯盒と寝袋を片手に自転車で日本全国津々浦々。地域の人々と交わること、そして地域経済が成り立っていることが新鮮でした。
最初の職が地域金融機関。今でも地域×中小企業×財務というテーマは変わっていない。。



東京急行電鉄(=東急電鉄)は、鉄道事業を2019年9月をめどに分社化することを発表しています。鉄道事業の業績は足元では好調ですが、将来の沿線人口の減少などを見据え、鉄道事業を分社化することにより、設備投資や組織体制などにスピード感を持って対応することを狙いとしています。


一方、同社は2019年にMaaS(=モビリティ・アズ・ア・サービス)と呼ぶ次世代移動サービスの実証実験を横浜市で始めるそうです。MaaSとは配車サービスやカーシェア、バイクシェア、自動運転等といった移動するものをシェアすることで提供するという新しい概念のサービスです。


具体的には、Wi-Fiを完備し仕事をしながら都心に通勤できるバスや、乗客のニーズに応じて停留所や経路を変更するオンデマンドバス(=利用者の要求に対応して運行する形態のバス)などを東急田園都市線のたまプラーザ駅周辺の住民の一部を対象に試験展開するとしています。


情報技術革新と人口動態変容により、私たちの生活環境が大きく変わり行く予兆が顕在化しつつあるように思えます。今までも鉄道会社は、自社路線の沿線開発を行って来ていますが、どちらかと言いますと経済が右肩上がりで人口が増加することを前提としていたため、路線を延伸してその駅周辺の街づくりが中心であったと思います。


それが人口が急激に減少する過程に入り、今までの膨張型の事業展開が見込めなくなり、新たな社会動向を見据えた事業へのシフトを模索し始めたものだと言えるでしょう。
私たち生活者の社会に望むことが変容し出していることにより、企業にも大きな影響を与え始めていると言えます。


その根底にあるものは、やはり生活者が主体の社会であるはずなのに、暮らしの中に精神的な豊かさ(=安心)を感じられなくなっていることにあるのではないでしょうか。
会社での働き方に係わる関係も然り、少子高齢化における介護問題も然り、全ては今まで前提としていた社会の枠組みが大きく変化していることにあります。


これを社会の成熟と言い切ってしまって良いか分かりませんが、今までの経済成長、人口増加を前提とした右肩上がりの社会では無くなりつつあることについては誰しも感じていることだと思います。経済や金融は量的な拡大を前提として語られることが多いですが、それらですらリーマンショック以来、量から質を求める緩やかな変化が見て取れます。


その様な社会の変化の中で情報技術革新が起きています。今まではその技術を実際にどの様に私たちの生活の中で活用して行くべきかが分からなかったですが、いよいよそれを実生活の中に採り入れて行く時がやってきた様に思えます。東急電鉄のMaaSへの取り組みは具体的な良い事例だと思います。


ただし、東急グループは未だ自らの事業資源だけを活用してMaaSを行おうとしているため、Wi-Fiバスやオンデマンドバスに終始していますが、同じMaaSを経営目標として掲げているトヨタ自動車やスタートアップ企業と連携すれば、カーシェアリング、ライドシェアリングなど、地域住民にとって利便性を高められるでしょう。


これからの時代は、生活の質的な豊かさを軸に社会が変化して行くものと思います。
それは、人々がそれを願っているからです。その意味では、いまの社会の枠組みが縦割りになり過ぎており、生活者にとって無意識のうちに強いられている不便さを是正して行くことが必要なのではないでしょうか。


鉄道事業は、もともと生活総合産業を志向しています。安全に鉄道を運行したり、住宅やオフィスビルなどを区々に提供するのみならず、生活に関わる様々な空間(=職場、居住地、通勤、余暇などを横断的に)を有機的に紡いでいく必要があると思います。その為には自社の事業を点や線ではなく「面」で捉えて行くことが大切でしょう。


そこに暮す生活者にとって安心できる街へリデザインすることが、今の鉄道事業者に求められているのだと思います。本当の意味での生活者に優しいスマートシティを創ることが必要でしょう。街づくりは縦割りではなく、横割りの視点が不可欠です。今までの街づくり経験に情報技術を付加して新たな街づくりに取り組んで頂ければと思います。


今日もありがとうございます!@松本
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