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パナソニック「ホームX」!

皆さん、おはようございます!
AI、IoTの時代と言われる様になって暫く時間が経ちます。生活者が手にとって利用する機会がありませんのでなかなか実感が湧かないものです。黎明期とはこの様なものかと思いつつ、ようやく自動車や住居で具体的になってきたようですね。



パナソニックが創業100周年を迎えたそうです。その記念イベントの席上で津賀社長が「あえて未完成品を世の中に出す」と発表された商品が「ホームX」です。
あらゆるモノがネットに繋がるIoT技術を活用し、家電製品などの稼働データをインターネットを通じて取得して、利用者の嗜好や習慣を割り出すそうです。


利用者一人ひとりに合わせてカスタマイズすることにより、使い切れていない家電製品などの機能やサービスを提案できる製品にしていくとしています。お客様が購入した後に、使い勝手を高めるサービスに力を入れ、まずは家電の利用データを分析して新たな使い方を提案するサービスだということができます。


IoTとは言われはじめていますが、産業用機器には普及し始めていますが、家庭用機器は未だこれからであり、家庭の中でどの様に活用されて行くのか模索中というのが正直なところだと思います。まずはIoTで各家電を制御するセンターコントロールユニットを商品化して、お客様に使用して頂きながら商品性を高めて行くということでしょう。


最近のパナソニックは、将来のあるべき姿を描き切れず、危機感を募らせているように見えます。商品開発を行う中枢であるデザインセンターを京都に集約したり、パナソニックを中途退職したOBを再雇用して組織の中枢に配置しています。また、製品開発については、今までの長時間を要した開発体制を見直しアジャイル開発を導入しています。


アジャイル開発とは「製品開発におけるプロジェクト開発手法のひとつで、大きな単位で開発プロセスを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていきます。従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれています」を言います。ホームXもアジャイル開発から生まれた製品と言えます。


それは製品の品質が劣ると言う意味ではなく、まだ完全に製品としてのコンセプトが確立していないが、ユーザーの利用状況を見ながら製品の性能を高めて行こうとするものであることが理解できます。今までの業界の雄であるパナソニックからは想像することも出来ない社運をかけた挑戦であるのでしょう。


それだけIoTは、まだまだ黎明期にあると言うことが出来ると思います。このホームXを市場に送り出した後に、IoTとしてホームXと連携する家電製品を順次世に送り出して、一気にIoTの普及を図ろうとする考え方だと思います。家電製品のIoTで難しいのはセンターコントロールユニットであるゲートウエイを如何に普及させるかです。


そして、そのゲートウエイだけがあっても、それと遣り取りするセンサーを搭載した家電端末がなければ一体となったサービス機能を果たすことが出来ません。更には、その様にして蓄積した家電製品などの利用状況といったデータをユーザーの生活の中でどの様に活かし、サービスとして提供できるかが明確でないものと思います。


パナソニックとしては、実際にユーザーであるお客様に使用して頂かなければ、ゲートウエイ導入後に出来るサービスアイテムを増やせないという意味においては、大いなる実証実験なのでしょう。お客様とともに新たなサービスを創り上げて行く「共創」という考え方を用いたのだと考えることが出来ます。


この製品開発手法が成功するか否かは分かりませんが、実際に購入するのはプロシューマー(=生産消費者。消費者であると同時に生産者でもある個人。)であると想定されますので、これも一つの企業の垣根を低くして行われる企業外部との協働ということが出来るのではないかと思います。


これからの時代は企業は外部連携により新たな商品を開発してイノベーションに結び付けて行かなければなりません。その意味では、今回のパナソニックの取り組みは壮大な実験であると思います。今まで大胆に組織風土改革を行ってきた一つの成果と見ることが出来ますし、製造業のあり方に一石を投じたことになるでしょう。


記念イベントの挨拶で登壇したファーストリテイリングの柳井会長兼社長からパナソニックに対して、人々の生活を変える様な「完成車」の開発を提案する場面があったそうです。完成車が出来るまでには紆余曲折があると思いますが、パナソニックもIoTに注力する世界中のスタートアップと連携を深めて行くべきかもしれません。


今日もありがとうございました!
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