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NTTのスマートシティ!

皆さん、おはようございます!
これからの企業は消費者ニーズを探るのではなく需要創造すべきだと言われています。
生活をする上で実は不便だが、それが日常となっているため不便と感ずることなく受け入れてしまっていること。それを改善することがイノベーションだと言われています。



先日、KDDIとソフトバンクの今後の事業展開についてお伝えさせて頂きました。
KDDIは自社の携帯電話のサービスを向上させるため、語学専門学校のイーオンや子供の就業体験施設であるキッザニアの運営会社など、いわゆる通信ネットワークおけるコンテンツ企業を買収により傘下に納めることを急いでいます。


ソフトバンクは、トヨタ自動車との提携関係で見て取れるように、クルマを情報端末と見立て、自らの通信ネットワーク、AI、半導体といった経営資源を活用して、自動車版IoTを目指しています。クルマというインフラとインターネットが繋がることにより、移動手段をサービスとして提供するMaaS(=マース)が実現可能となります。


MaaSとはモビリティ・アズ・ア・サービスの略で、スマホなどを通じて、配車サービス、カーシェアリング、ライドシェアリングといった移動関連サービスを提供することを指します。世界中のスタートアップ企業がこのMaaSに参入していますが、そのサービスの為に必要なインフラを提供しようというのがソフトバンクの狙いです。


そして、ここに来てNTTがNTT都市開発を完全子会社にすると発表しています。
NTT都市開発はNTTグループの不動産開発会社であり、情報技術とは最も縁遠い存在に見えますが、ビルエネルギー管理の最適化やIoTを活用した災害に強い安心・安全なまちづくりを推し進めることが目的であるとしています。


具体的には、エネルギー事業を推進するNTTファシリティーズなどとの連携を強化していくそうです。NTTグループには保有する不動産が多く、グループ一体で有効活用することにより新たな収益の柱とする意向を持っています。内需産業であるNTTグループとしては、人口減少を背景として減少が予測される売上の強化が急務なのでしょう。


NTT都市開発としても、東京五輪を控え不動産開発業界は活況となっていますが、その反動で地価が高騰し新たな採算の取れる開発用地の取得が難しくなっています。一方で、東京五輪後は地価の下落が予測されるだけに、他の不動産会社とは異なる特色をもった独自の新たな事業軸が不可欠なのでしょう。


最近、情報革新もより本格化して、IT企業と既存企業が連携する形で新たな事業を生み出しはじめています。具体的な取り組みとして、世界中の自動車産業や自動車関連産業が業界の垣根を越えて、クルマのIoT化で凌ぎを削りはじめています。消費者にとっても身近な存在であるクルマは世界的な巨大産業であるからでしょう。


もう一つ、生活者に身近な存在として、建物や街といったものがあります。
今までは、なかなかスケールメリットが働き難い立地産業であるため、生活基盤でもある街や建物のIoT化を事業構想として描く企業が殆どありませんでしたが、今回のNTTとNTT都市開発の取り組みは新たな街づくりの試金石になるかもしれません。


以前、日本郵政が野村不動産を買収する構想が明らかになったことがあります。この時も、日本郵政として新たな事業の柱を打ち立てる為、グループが所有する不動産を有効活用することが目的とされていました。ただし、この時はただ単に不動産開発のみが合従連衡の目的となっていたため、将来の展望に新規性が欠けていたと思います。


それに比べて、今般のNTTとNTT都市開発の取り組みは、IoTという切り口があります。建物のエネルギーをコントロールするのみならず、その建物が立地する地域で連携してエネルギーを制御(=マイクログリッド)出来る様になれば、しかも建物の外壁を意匠性に優れたソーラーパネルで覆うことが出来れば、環境に優しい街づくりも可能です。


いまの都市は、事業者のエゴにより無秩序に建物が乱立している感があり、必ずしも主体であるはずの人間に優しい街づくりとはなっていない様に思えます。単にIoTにより効率的な街や建物の運営を目指すだけに留まらず、街や建物のIoT化にともない人間の心理や感情にも優しい空間を提供して行くことが必要だと思います。


新たな事業を生み出す人間の創造力は、人々が互いに交り合うコミュニティの中から育まれるものです。コミュニティには、自然と人々が集まって来る何気ない空間という枠が必要です。不動産開発会社とは、様々な事業者をコーディネートして街空間を創ることが持ち味であるはずです。その様な視点で人々に優しい街を創って行って頂きたいものです。


今日もありがとうございます!
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