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社外の経営資源を活用する!

皆さん、おはようございます!
昨晩、久しぶりに以前勤めていた会社の先輩とご一緒させて頂きました。
英語と独語をネイティブに操り、海外マーケティングを武器に戦う非常に自律された方です。仕事は国内営業のはずなのに、話しを聞けば海外出張ばかり行ってます。



最近、日本の大手企業が社外の企業が持つ経営資源を活用して、新たな事業や商品を開発するようになり始めている様に見受けます。例えば、トヨタ自動車は移動手段としての新たなクルマの概念を実現するために、米Uberや日本のパーク24をはじめ、世界中の自動運転やカーシェアリングを手掛ける会社との資本業務提携を進めています。


今までのクルマは駆動系や制御系といった機構技術に裏付けられていましたが、これからのクルマはある意味、CASE(C=つながるクルマ、A=自動運転のクルマ、S=カーシェアリング、E=電気で走るクルマ)といった走る情報通信機器と言われる様に、情報技術抜きには考えられなくなっているからです。


野村證券では、自社の顧客の7割が50歳以上となり、若者層との取り引きを増やすことが喫緊の経営課題として顕在化しているそうです。そこで考えられたのが、ユーザーの7割以上が50歳未満のLINEと合弁でLINE証券を設立することで、若年層を取り込んだサービスを開発しようとしています。


また、宅配便のヤマトホールディングスは、印刷マッチングサービス「ラクスル」が手掛ける運送マッチングサービス「ハコベル」の配車管理システムを導入することにより、宅配業務の効率化をしようとしています。この三社に共通しているのは、自社に不足する経営資源を補完すべくそれを他社に求め、それがスタートアップ企業であることです。


ただし、一部の例外を除くと、こうした大手企業の取り組みは、全社一丸で支援される状況にはほど遠く、成果を上げている様に見える事例も、人脈、直感、偶然、仲介業者に依存しているのが実情のようです。属人的な要因で連携が進展しているに過ぎず、組織的な方法論が確立されるまでには至っていないとのことです。


担当者に充分な意思決定の権限が与えておらず、成功した場合の報酬は限定的である一方、失敗した場合の懲罰が大きいそうです。困難な取り組みをゼロから進めているにもかかわらず、短期間で目に見える成果が求められ、長期的な視座での取り組みが出来ないといった課題もある様です。


これからの時代、大手企業といえども情報技術革新、人口動態の変化をはじめ社会構造が大きく変容するなかで、いま持ち得る経営資源だけで過去の延長で事業を継続していくことが難しくなっています。経済が今までの規模の経済から、範囲の経済へと向かっているからです。商品を販売する時代から、販売後の顧客サービスをどの様に構築するか。


それを実現するために、企業は自らが持ちえない経営資源を外部に求めて行くことは必然であるといえます。しかしながら、今までの企業は、特に大手企業は自らの事業運営に必要な資源を全て自前主義により取り揃えて来た為に、企業間の壁が非常に高くそびえ立っており、外部企業との連携関係を育むことに不慣れと言わざるを得ません。


その様な企業文化に長年染まってしまった人財に企業連携のノウハウが蓄積することもないでしょう。その様な人財を外部に求めるか、社内でプロパー社員を育成するしかありませんが、定期的に人事異動によりローテーションを図る日本の雇用環境では、専門の人財育成もままならないのではないでしょう。


それ以前の問題として、本来、この様な企業連携(M&Aもそうですが)は属人的にならざるを得ず、組織的に集団で意思決定してから進める話しでもないと思います。折角、先の事例で見る様な素晴らしい事業連携を果たしても、組織内で報われないのではこれからの時代の波を乗り越えて行くことは出来ないと思います。


日本の企業は、今までの成功体験から堅牢なピラミッド型ヒエラルキー組織が定着していますが、これは一世代前の効率であって、これからの時代も必ずしも効率的であるとは言えないでしょう。オープンイノベーション、オープンプラットフォームなど、もっと外に対して組織を開いて行くことが必要だと思います。


その様な開かれた組織(=ホラクラシー組織)の上で、人財が各々自律的に仕事を創りだして行くことが来る時代の組織のあり方だと思います。副業制度、テレワーク制度など新たな働き方が芽生えつつあります。これらは時代の要請でもあります。あとは働き手個々人がいかに自立するかによって、組織が変革する速度も変わって来るでしょう。


今日もありがとうございます!
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