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大手企業とスタートアップ!

皆さん、おはようございます!
今日は涼しい朝ですね。つい先日までの熱帯夜が嘘のように感じます。
毎朝、新聞を読むことを日課としており、昨日の様に新聞の休刊日は落ち着きません。
最近ではオンライン新聞などもありますが、紙の新聞は全体を一覧でき見やすいです。



スタートアップベンチャーと言えば、新規株式公開(=IPO)を前提にするものと考えられてきましたが、最近では上場を追わないスタートアップが広がっているようです。
従来ですと、独創的な事業計画を拠り所に、スタートアップへの投資を専門とするベンチャーキャピタル(=VC)から出資を得て、垂直立ち上げするイメージがあります。


当然に、VCからの出資を得た時点で、新規株式公開を約束することになります。VCの収益源は、スタートアップベンチャーのまだ株価が安い段階から投資を行い、株式をIPOすることにより売却益を得るビジネスモデルだからです。VCは投資したスタートアップがIPOできるように、手塩をかけて事業支援します。


スタートアップが上場を追わなくなっているのは、事業草創期からIPO準備に取り掛かる業務の煩雑さを避け、そのエネルギーを本業に費やしたいという思いからです。
そうでなくとも、スタートアップ期は身を粉にして働かなければならないほど多忙を極めますので、その気持ちは充分に理解できます。


最近ではCVCという大手企業によるスタートアップへの投資が増えていることが、必ずしも上場を追わないスタートアップが広がっている理由だと言えると思います。
CVCはVCのように、必ずしも投資先のスタートアップによる株式公開益を享受することが目的にはなっておらず、本業との相互補完効果を期待している側面があるからです。


CVCの投資額は2017年に681億円と、5年間で27倍に増加しています。CVCが割と高い株価でスタートアップに投資をするので、VCは投資採算が合わず投資額が縮小しているという話しも聞こえて来ます。CVCは2000年代に入り世界中で顕著になりましたが、日本企業は自前主義に拘り世界の潮流に乗り遅れた反動だと言えます。


それだけ日本のCVCは歴史も経験も浅く、思う様に本業との相互補完効果が得られないばかりか、スタートアップの事業そのものの成長性に懐疑的になっている投資案件が増えているという話しも聞こえて来ます。投資した企業の10のうち1社が軌道に乗れば良いという程、スタートアップは難しいと言えます。


その点を理解せず大手企業がCVCに参入をしていないか一抹の不安があります。上場を追わないスタートアップが広がっているとはいいましても、CVC資金が過大に流入していることによるスタートアップバブルが生じているという懸念もあります。
必ずしもIPOすることだけがスタートアップの使命ではないことは確かです。


そもそも、CVCに取り組む大手企業内に起業経験やスタートアップを成長支援させて行くノウハウなどあるのでしょうか。ピラミッド型ヒエラルキー組織の中で細分化された業務を担当する社員には勿論、大手企業の経営者といえども生え抜きの社長では事業を興す経験すら持ちえない方が多いのではないでしょうか。


その様な中で、大手企業がCVCに参入したところで、そう簡単にスタートアップを成長させることが出来ませんし、本業との相互補完効果を期待することすら出来ません。
また、大手企業とスタートアップでは、事業を進めて行く方法も時間軸も異なります。そのカルチャーの違いをどの様に埋めてやるか、まずはそこから手を付けるべきでしょう。


スタートアップが自由に事業を営めるように、大手企業側から口を挟むことなく、スタートアップ側から大手企業の事業資源を使いたいと言われた時に適切な支援をすることが望ましいと思います。また、大手企業も投資採算を合わそうと、過分な期待をスタートアップに対して持たないことだと思います。


それだけ事業を立ち上げることは難しいことだと思います。一方のスタートアップ側も、CVCからの出資を得たからといって、慢心しないことを肝に銘じておくべきだと思います。大手企業の知名度を活用できるのは良いことですが、その分、スタートアップ企業として信用を勝ち得るという経験をせずに済ませてしまうことになります。


そうであれば、CVCという煩わしいことは行わずに、最初から独創的な事業アイディアを大手企業に買って貰い、大手企業内の一つの新規事業という立ち位置で立ち上げて行けば良いのではないでしょうか。大手企業側も、自前主義に拘らずに、そういった起業家を迎え入れるくらいの器量がこれからの時代には必要でしょう。


今日もありがとうございます!
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