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ファイナンス思考!

皆さん、おはようございます!
今年は新盆で家族一同が顔を合わせています。
兄と息子達が酒を酌み交わしている姿を見ますと、改めて血縁関係なんだと思います。
また、息子達もいつの間にかに成長したんだと感心します。



最近、企業経営の世界でファイナンス思考というのが密かな話題となっているようです。
現代における企業経営における課題として、会計思考に偏重し過ぎていることについて警鐘を鳴らされているのだと言えます。会計というのは過去の実績を取り扱う社会科学であり、財務諸表で表現される利害関係者とのコミュニケーションツールに過ぎません。


これに対して、ファイナンスは将来起こり得る事象に関する判断軸を提供する計測ツールということが出来ると思います。両者に共通するのは、ともに経済事象を取り扱うツールであり、数字を媒介として説明される点です。大きな違いは、会計が「過去」の経済事象における数値を扱うのに対して、ファイナンスは「将来」を対象としていることです。


企業の年度決算、四半期決算報告などを見ていますと、例えばセコムが第1四半期において過去最大利益を更新、とかアース製薬の純利益が前年対比で35%減少などという使われ方をするのが会計思考になります。既に済んだ業績がどの様な結果であったかを過去の実績と照らし合わせて表現する方法です。


株主をはじめとする企業の利害関係者に対して経営状況の結果を報告する方法としては悪くはないのですが、問題は企業の経営者が会社の舵取りをするうえで、損益計算書上の売上や利益の伸び率を目標に掲げてしまうことは時代に相応しいとは言えないと思います。
経済が成長している時代なら、売るものが明確なのでそれに傾注していれば良い訳です。


ところが、いまは何が売れるのか分からない時代であり、むしろ新たな事業を創出して行くことが企業に求められています。過去の延長線上で将来を描くことが出来ない時代だということが出来ます。それにも拘わらず、世の多くの企業では、過去の延長上でこれからの事業を捉えていると見られても仕方がありません。


業績というものは、将来に向けて踏み出した結果にしか過ぎません。新たな事業を複数描き、そのどれを選択するか優劣を判断する際に、ファイナンス思考が必要となります。
仮に当面、会計では赤字となりますが、将来に向けたその投資プロジェクト全体では現状の企業の投資利回りよりも格段に上回る投資案件があったとします。


会計思考では、当面の赤字に対する説明が出来ないためその投資は棄却されることになりますが、ファイナンス思考では将来的に膨大な果実を得ることが出来るため、その投資を実行することになります。ファイナンス思考で経営している企業として、米アマゾン、国内では日立製作所やリクルートが良く挙げられます。


ベンチャー企業などでは、そもそも過去に遡って照らし合わせる業績がありませんから、自らが為し得ようとする事業構想をファイナンス思考で説明して行く以外にありません。
当然に足下の業績は先行投資が嵩みますので赤字です。多くのベンチャー企業がその様な思考であるのに対して、殆どの大手企業が会計思考であることは否めません。


業績が悪化=株価低迷という図式を描いてしまうからだと思いますが、必ずしも足下の業績が悪くとも、将来に対する明確なビジョンを描くことが出来れば、むしろ株価はプラスに反応するものです。それが出来ないところに、いまの大手企業の問題があると言えます。目に見えない将来を描く為には、社内でコンセンサスを採っていては出来ません。


経営を司るトップが自らビジョンという画を描くか、それが出来ないのならそれが出来る人財を傍に置いて任せるしかないでしょう。将来の画を描く為には、会計やファイナンスといった技術でも出来るものではないでしょう。デザイン思考やアート思考といった見えないものを描く力が不可欠だと思います。


デザインが「作ろうとするものの形態について、機能や生産工程などを考えて構成する」ある種の技術であるとしたら、アートは「特殊な素材・手段・形式により、技巧を駆使して美を創造・表現しようとする人間活動、およびその作品」という創作活動ということが出来ます。その意味では、これからの時代に必要なのはアート性ではないでしょうか。


世の中の抽象的なものを具体的に普遍性ある構想として纏め上げて行く力が求められていると思います。その意味では、会計思考もファイナンス思考も技術にしか過ぎませんが、ファイナンス思考は未だ見えない将来を見つめた時の判断軸として活用できるという意味では、会計思考よりも時代に即していると言えるかもしれません。


今日もありがとうございます!
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