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銀行業の異業種参入!

皆さん、おはようございます!
昨日の東京は寒い位でしたね。
寝るときには思わずフリースを着込んでしまいました。
再度、大型の台風が東京に近付いているようですので、暴風雨に気をつけましょう。



最近、銀行業の事業モデルが大きく変わり行くように思えます。これまでの銀行と言えば資金決済(=振り込み)手数料収入、貸付利息が大きな収入源であった様に思います。
ところが、資金決済についてはネット系異業種からの参入により、貸付金に付いては金余り現象により利鞘が稼げない様になりつつあります。


銀行業自体が、ある意味お金という数字情報を扱う商売であり、今までの店舗やATMを構えたリアルな商売から、個人が持つ情報端末を活用する情報ビジネスへの転換を迫られている様に思えます。店舗における従来のサービス方法では事業採算が合わなくなり、人を介さないサービスへの転換が求められているのではないでしょうか。


銀行業は長らく銀行法により、また護送船団方式により守られてきた業種ですが、情報化社会の進展により、シェアリング経済の一つであるクラウドファンディングなどのソーシャルレンディングがこれまでの銀行業務と変わらないサービスを提供する時代です。
きっと時間の経過とともに少しずつその垣根が崩れて行くものと思います。


三菱UFJ信託銀行は、これまで信託業務と銀行業務を兼業してきましたが、融資業務は採算が合わないため、信託事業に専念するようです。融資業務自体は三菱UFJ銀行へ移管する旨を公表しています。これから高齢化が進む中で信託需要が増えて行くことを考えますと当然の選択なのでしょう。


既にみずほファイナンシャルグループでは、銀行業務、証券業務、信託業務、不動産業務へとグループ内各社の機能別分社を済ませており、各業務を越えて人材が異動することもあるようです。また、店舗においては各業務を取り揃えた複合店舗への転換を急いでいる様です。確かにグループ内各社で業務が重複していては、効率が良いとはいえません。


国内の各銀行が力を入れていますのが、融資審査におけるAI(=人工知能)への置き換えです。これだけ融資業務における利鞘が稼げなくなってしまいますと、融資に関わる業務に人間をあまり介在させられないし、融資審査の精度を高めて貸し倒れリスクを下げて行く必要に迫られると思います。


全ての融資業務をAI審査のみに偏重させるということではなく、例えばいままで手薄であった創業間もない企業への融資審査などは、従来の財務諸表による判断が難しいため、商品の売れ筋情報や口コミ情報を含めた多面的な審査が可能になるということです。ただし、この分野もネット販売系の異業種からの参入が厳しくなってきています。


シンガポールの東南アジア最大手銀行DBSは、これまでの銀行業務のほかに非銀行業務への参入を明確にしています。自動車販売仲介事業、不動産仲介事業、電力切替斡旋事業などがそれに当たります。自動車販売や不動産販売は、当然にして自動車ローンや住宅ローンが必要となるため、金融事業との相互補完効果が高いと言えるでしょう。


異業種参入の背景には、やはりネット系異業種による資金決済ビジネスへの参入や融資業務における採算性の低下が挙げられるようです。今後も様々な非銀行事業への参入を行っていくことを明らかにしており、むしろ銀行色の払拭に挑んでいると言えます。銀行法との兼ね合いから、どこまで非銀行事業への参入を認めるか難しいところがあります。


しかし、今までの銀行業務の周辺にある相互補完性のある付帯事業に付いては、業容を拡大して行くことは、むしろ積極的に認めて行くべきではないかと思います。これからの銀行業は情報産業として変容して行くのが自然の流れだと思うからです。日本でも、個人情報を預かる情報銀行の設立の動きが出ている位です。


銀行業も従来の縦割りの産業構造で見渡せば、融資や資金決済を行う機能を司る事業ということになるのでしょうが、見方を変えて横割りで見れば社会における様々な資金の流れを情報として蓄積し、必要な情報を提供することにより対価を得る課金ビジネスであるという見方も出来ると思います。


情報化社会の進展により、世の中で生活者が求めるモノも大きく変容しつつあります。
お客様が電動ドリルを買うのは、電動ドリルが欲しいからではなく、壁に穴を開けたいからです。お客様の需要に近付くということは、電動ドリルを作るメーカーを続けることではなく、お客様の為に穴を開けてあげることかもしれませんね。


今日もありがとうございます!
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