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個人データ銀行創設!

皆さん、おはようございます!
ホテルの窓越しに、稜線から顔を覗かせた強い陽の光が射し込んできました。
松本市内を明るく照らし、取り囲む山々が薄黒くそびえ立っています。
今日も日中は暑い日が続きそうです。



三菱UFJ信託銀行は、改正個人情報保護法を踏まえ、2019年にも個人から購買履歴などのデータを預かり、民間企業に提供する「個人データ銀行」を創設する方針です。
個人データの活用は、米国のAGFA等のIT企業が先行してきたが、欧州を中心にその手法に批判が高まっており、個人が管理主体のサービスとして注目されそうです。


先日、LINE payによるキャッシュレス決済について触れました。LINEでは決済で得られるデータや顧客情報を収益に繋げることにより、資金決済を無償で提供するビジネスモデルを構想しています。購買履歴等のビッグデータを活用することにより、様々なマーケティングデータが蓄積され、それを販売することも可能になるからです。


また、アマゾン、グーグル、フェイスブック、アップル(=AGFA)なども、自らのフラットフォームを利用して貰うことにより得たビッグデータを活用したビジネスの可能性に世界中から注目されています。何れ、銀行ビジネスへも触手を伸ばして来るのではないかと推測されるくらいです。


銀行も情報産業であるとビジネスを捉え直せば、様々な個人情報に紐づいた購買履歴がビッグデータとして蓄積される訳ですから、それを活かさない手はないと考えていた矢先でしたので、三菱UFJ信託銀行の発表は非常に合点の行くものです。しかも、個人情報の帰属は飽くまでもお客様にあり、個人が管理主体である点が素晴らしいと思います。


個人はスマートフォンのアプリで購買履歴、健康情報、行動記録などのデータを確認し、そのデータを三菱UFJ銀行に預ける(=信託か。。)ことにより、データを利用したいスポーツクラブ、健康食品会社、旅行会社など情報提供先の企業を選べば、対価として企業からお金やサービスを受けられる仕組みです。


情報を得た企業は、商品開発などに個人情報をビッグデータとして活用できるメリットがあります。今までは、Web事業を営むプラットフォーマー達が蓄積したビッグデータを自らの事業の為に活かすのみならず、個人情報を本人の断りなく匿名で企業等に販売しているところに、プライバシー問題を指摘されて話題を呼んでいるところです。


情報化社会において、SNS、ネット通販など新たな事業が生み出され、その事業が巨大化していく中で顕在化してきた問題だと言えます。確かに、事業本来の提供するサービスから副次的に蓄積されるビッグデータが誰に帰属するかについては、それがこれからの情報化社会にとってインフラとしての色彩が強いため議論の余地があります。


ビッグデータを活用すれば企業の新商品開発の役に立つ他、道路の渋滞解消に向けた対策にも活用することが出来ます。利用者は民間企業に拘わらず、公共セクターも含まれて来ると思います。その様な社会的に意味のある情報としての無形資産を一民間企業に独占的に帰属させてしまっても良いのかという議論は当然にして起き得るテーマです。


海外に目を向ければ、とても民主的に議論が為されている国がある一方、それら蓄積されたビッグデータを国家に帰属するものとして扱う国もあるようですね。今回の三菱UFJ銀行による個人データ銀行の発想は、個人情報が個人に帰属していることを前提として、その仕組みが作られていますので、非常に民主的で先進的だと思います。


お金という個人資産を預かり、管理運用する信託銀行ならではの公益性が求められる事業ではないでしょうか。あとは、ポイントカードなどを個人に発行して購買履歴を蓄積している企業が、今後、どの様な対応を取って行くかに注目が集まりそうですね。三菱UFJ信託銀行以外にも参入する銀行が増えるでしょうから、連携することも考えられます。


日本でも、様々な個人データ銀行が連携を図りながらビッグデータを共同管理する位のスケール感があっても良いと思います。各々の銀行がデータを遣り取りできる様にシステムの互換性を持たせた方が、将来的にメリットが大きい様に思えます。情報管理の安全性を考慮して、ブロックチェーンの様にデータを分散化させることも必要かも知れません。


個人に帰属する個人情報を有効に活用して貰うことにより、対価を得られるというのもシェア経済が普及して行く中で、何か時代の流れに則している様にも思えます。
それ以上に、個人データ銀行という日本初のスタンダードは、世界にも誇れるビッグデータ管理のあり方だと思いませんか。


今日もありがとうございます!
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