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仕事付シニアハウス!

皆さん、おはようございます!
昨夕、松本より東京へ戻って参りました。
松本も日中は暑かったですが、東京は湿度も高く、アスファルトからの輻射熱が強く、
夜になっても暑さが残っていて驚かされます。



高齢化社会になりますと、老後の住まいや生活費についていろいろと問題が顕在化して来ます。人生100年時代に、何歳まで生きるか分かりませんが、自らの生活の基盤をどの様に考えるか、自分のこととして考える必要に迫られている様に思います。私たちの世代以降は、年金で生活ができる時代ではなくなっているからです。


先日、テレビの特集で定年を迎えた60歳代前半の独身の方が新たな賃貸住宅への入居物件を探されていらしゃいました。高齢者(=私からみると必ずしも高齢者とは言えないのですが。。)、しかも独身となると、なかなか家主さんが首を縦に振ってくれない現実があるのには、少し他人事とは思えない切実な思いがあります。


仮に自己所有の自宅がありましても、体力的な衰えから、未来永劫、働き続けられない現実がある中で、生活資金をどの様に確保すべきかという問題もあります。若い時から老後に向けて少しずつ貯蓄をして行ければよいのですが、デフレ経済で給与アップもままならない中で、そんなに余裕のある生活を出来る方々もほんの一握りでしょう。


リバースモーゲージという金融商品をお聞きになられたことがあるでしょうか。
自宅を担保に老後資金を借り入れ、そのまま住み続け、他界した後に自宅を売却して返済に充てる仕組みの商品です。老後の生活資金をねん出する最後の切り札になる素晴らしい商品かと思っていましたが、思いのほか市場が広がっていないようです。


家を失うことなく生活費を調達できるため1980年代から注目を集め、バブル崩壊後の地価下落により下火になりましたが、2005年位から再び商品化が進んでいます。
潜在需要は5兆円規模ともいわれ既にメガバンクや地方銀行60行が取り扱っていますが、リバースモーゲージによる融資残高は約1000億円に留まっているようです。


普及が進まない一つの理由のとして、リバースモーゲージには①地価下落リスク、②金利上昇リスク、③長生きリスクなど貸し手側である金融機関のリスクの問題があると言われています。いずれも担保である不動産の評価割れにつながるため、金融機関が融資審査を慎重に行ったり、融資額を固めに設定せざるを得ない現実があるようです。


いま一方の理由として、中古住宅流通の問題があります。日本では木造住宅の家屋の大半が20年で価値がゼロになるため、中古住宅市場が成長しないという問題があります。
金融機関も担保不動産となる住居を売却しようにも、時間とともに建物の評価額が著しく下落してしまい、土地の価値しか見れないということになってしまいます。


米国ではリバースモーゲージの市場規模が20兆円強にまで成長しているそうです。
拡大した背景として、米連邦住宅局が民間金融機関に保険を付保し、担保割れの場合の損害をカバーするHECMという仕組みが整っているが挙げられます。最近、日本でも住宅金融支援機構が同様の仕組みを取り扱い始めているようです。


本格的な長寿社会において老後破綻を防ぐには、リバースモーゲージのような商品が不可欠だと思います。金融機関による融資という枠組みに限界があるのであれば、例えばセールアンドリースバックという不動産手法と保険を組み合わせるハイブリット商品等も考えられるのではないでしょうか。


家主の他界後に自宅を引き渡す旨の売買契約を結んでおいて、契約時に一時金として売買代金を家主に渡します。一方で、家主は売却後も継続して自宅を賃借する権利を付与する。思いのほか長生きをしてしまうリスクに対しては、保険によりカバーする方法などの仕組みが考えられます。リバースモゲージファンドを通して行うことも出来るでしょう。


金融機関は、融資を専門としていますが、必ずしも不動産の専門家ではありません。
不動産業者がリバースモーゲージファンドを行えば、不動産である自宅の査定も精緻に行えますし、家主さんが他界した後の自宅の後利用をどの様に考えるかは、むしろそれを業として営んでいますので、リスクを大幅に引き下げることが出来ると思います。


場合によっては、自宅の売買と同時に不動産会社が運営するシニアハウスに住み変えるということも考えられるかもしれません。そのシニアハウスでは、シニア向けの仕事もパッケージで提供されるとしたらどうでしょう。これから生産労働人口が減少しますので、不動産と仕事を組み合わせる施設があっても良いのではないでしょうか。


今日もありがとうございます。
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