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ビール業界の行方!

皆さん、おはようございます!
今日は天気予報ですと晴れる予定ですが、朝から雲で空が覆われています。
ところどころ青空も見えるのですが、折り畳み傘が手離せません。
今年の梅雨は例年に比べて雨量が少ない様に思えますが、気のせいでしょうか。



夏になりますとビールが美味しい季節ですが、国内のビール消費量は約515万キロリットルとここ数年2.4%ほど減少し続けているそうです。
テレビコマーシャルを見ていると、毎年この季節になりますとビール各社とも新商品を投入し、スーパーの陳列棚では多種多様な銘柄が所狭しと並んでいます。


消費者からみますと、確かに新商品が発売された時には、その味を試してみたくなり手に取り買い求めますが、一過性のものとして継続的な購買には繋がっていない様に思えます。他にノンアルコールビールやサワー系の酒類の選択肢も多くなり、手軽に飲めることもビール離れが進んでいる理由となっているようです。


本当にビールを飲みたいときは、ビール各社の定番品と言われるラガー、モルツ、スーパードライといった、その会社が歴史の中で培ってきた本来持つ味覚を楽しむことが多いのではないでしょうか。ブランドと言い換えても良いと思いますが、消費者がそのビール会社に対して持つ味とイメージは消費者にとって固定化されていると言えます。


その意味では、季節ごとに発売されるビールは、どちらかと言いますとそのビール会社の味を象徴しているというよりも、移り気な消費者の嗜好を満たすサイドビールなよう位置付けになるのではないでしょうか。最近では、まだまだ供給量が少ないですが、新たなブリューワリーが増えていることもあり、クラフトビールの人気が高まっているようです。


日本では国内ビール消費量の内、クラフトビールが占める割合が1%程度ですが、米国では同約13%(同国年間ビール消費量約2340万キロリットル)もあり、クラフトビールが日本よりも普及していると言えます。クラフトビールといえば、麦芽やホップ、水、独自製法といった地域オリジナルの資源を利用した独特の味わいがあります。


その風合いある味覚が、商品ブランドであると同時にクラフトビールメーカーのブランドとして定着していると言うことが出来ます。発祥は1986年米国で広まり始め、現在では米本土内に5306醸造所を持つまでに至っています。日本でも、これから米国より早いスピードで広まって行くことが予想されています。


米国でクラフトビールが広まっている理由としては、ライトなラガービールばかりでは食卓で楽しくないことにあるようです。食事のメニューに合わせて、様々なクラフトビールを楽しむという食文化の成熟化にあるようです。そう言えば、日本酒、焼酎、ワインなども食事に合わせて銘柄を決めています。


大手ビールメーカーは、それこそ味を標準化して規模の経済を追求し、ここまで企業成長してきています。ところが、日本酒、焼酎、ワインの分野でグローバル市場を相手に拡販している専業メーカーを見たことがありませんね。味への拘りと標準化はトレードオフの関係にあると言えるのではないでしょうか。


国内大手ビールメーカーも良くぞ定番品をそこまで成長させてきたという驚きもありますが、低迷する消費動向に危機感も相当なものではないでしょうか。
その様な中において、キリンビールが積極的にクラフトビールを取り扱うことになったことが、国内におけるクラフトビールが普及する切っ掛けになると言われています。


それまでは大手ビール各社との兼ね合いもあり、マスコミもクラフトビールを取り上げることが憚れらたという様な話しも聞こえて来ます。ある意味、恐ろしい話ではあります。
キンリンビールでは、積極的に国内ヤッホーブルーイングや米ブルックリンブルワリー等と矢継ぎ早に業務提携を行い、自らの商流に載せています。


やはり固定化してしまった国内ビールメーカーのブランドの中で、自らが独自のクラフトビールを作ろうとしましても、その需要量と供給量との兼ね合いから規模の経済を目指す大手が参入するには効率が悪く、業務提携の方が効果的だという判断なのでしょう。
これから益々増えるクラフトメーカーと協働することは健全だと思います。


この様に消費動向が個性を求める中で、大手企業が今までは強みであった規模の経済からどの様に転換を図って行くのかが注目されるところだと思います。
今回はビール業界を取り上げてみましたが、他にも各種食品業界、小売業界、住宅業界といった元々地場産業であった業界がどの様に地域の個性と協働して行くのでしょうか。


今日もありがとうございます。
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