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日本航空のLCC!

皆さん、おはようございます!
今日は少し霞がかかったような青空が広がる穏やかな朝ですね。
気が付けば今週も金曜日、時間が経つのが早いものです。
今日はカジュアルな服装で出勤される方々も多いのでしょう。



日本航空(=JAL)が格安航空会社(=LCC)を新設するそうですね。2010年に同社が経営破綻してから経営の立て直しに専念していましたが、2017年に国土交通省より制限されていた投資や路線開設が解禁されました。今回、それを受けて、中長距離の欧米線航路を主体とするLCCを2020年にも開設するようです。


LCCといえばライバルの全日本空輸(=ANA)が傘下のバニラエアとピーチアビエーション(=ピーチ航空)を経営統合し、子会社化することを発表したばかりです。こちらは国内線ばかりでなく、東南アジア方面への中距離国際線を強化する構想を持っているようです。いよいよ日本の空もLCCが本格化しようとする機運が高まって来ました。


日本での航空会社といえばフルコストキャリアと言われるJAL、ANA以外に1990年代後半に誕生した新規参入航空会社、スカイマーク、エアドゥ、スターフライヤー、ソラシドエア、フジドリームエアライン、そしてLCCと言われますバニラエア、ピーチ航空、ジェットスター、春秋航空などがあります。


日本の国内線におけるLCCのシェアは1割程度であるのに対して、東南アジアでは6割、欧州では4割程度であるのと比べると明らかに低いです。これは、羽田空港や伊丹空港といった基幹空港発着枠の制限があり、LCCは利用できないことに起因しています。成田、関空、セントレアといった空港から国内線を飛ばさざるを得ない事情です。


国内線利用者の多くを占めるビジネスマンは価格よりも時間効率により搭乗する便を決めますので、どうしてもフルコストキャリア等に頼らざるを得ません。
LCCを利用するのは時間的に余裕があり経済性を重視する、観光客や若い方々が中心となっている様です。


そんな国内LCCがこぞって活路を見い出しているのが短距離国際線です。
日中は国内線を飛んだ機体を深夜は日本から片道3時間程度で行ける国際線を飛んできて早朝に日本へ戻り、そのまま何事もなかったかのように国内線を飛ばせることが出来るからです。


航空事業のコストの多くは機体の取得コスト(=減価償却費やリース料)と人件費という固定費ばかりであり、装置産業といってもよいと思います。
装置産業の事業としての秘訣は、いかに装置である航空機が有償のお客様に搭乗してもらい、地上で待機している時間よりも飛ばしている時間を長くするかにあります。


例えば、JAL、ANAの航空機が到着して次の目的地へ出発するまでの時間が、機体の大きさにもよりますが1時間から1時間半です。これに対してLCCは機体が小さいこともありますが30分から35分で準備を終えて、次の目的地に向かって旅立ちます。
1機の航空機が国内線を何往復するかは、前者が3往復、後者が5~6往復です。


1機に掛かる1日のコストはお客様を乗せていてもいなくとも同じ金額ですので、1日に少しでも多くのお客様に搭乗頂いた方がいい訳です。当然に1フライとあたりの搭乗客数も増やして稼働率を上げることも大切な要素となります。JALが狙いとしている中長距離LCCは、未だ参入しているLCCが少ないこともあり競争が厳しくありません。


片道7時間から8時間の路線を一日中飛んでいれば、当然に有償で飛んでいる時間が長くなりますので効率が良い訳です。ただし、長距離路線は安全運航の観点から、それなりの技術的(=運行、整備等)な蓄積がないと認められません。そこは、JALが今まで蓄積してきたノウハウを提供して行くものと考えられます。


よくLCCは安全性に問題があるのではないかという指摘がなされます。確かに、フルサービスキャリアに比べて飛行機を飛ばしている時間が長くなりますと、機体に対する整備に掛ける時間が短くなりますので否めない部分があると思います。しかし、それも安全性を維持する為に必要な最低限のなすべき整備基準が定められています。


収益を重視する為に安全性を蔑にするのは問題ですが、世界でも厳しい日本の基準ですので心配するほどではないはずです。お客様の航空機を利用する目的が異なれば、当然に利用する航空会社も異なって来ると思います。フルコストキャリアとLCCキャリアが棲み分けながら切磋琢磨をして2020年を迎えて頂ければと思います。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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