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GINZA SIX

おはようございます!
平日のこの時間にブログに向かうのは珍しいのですが、
ちょっと時間が空いたのと昨日Webニュースで見たGINZA SIXの記事が気になったものですから、今日は差し詰め号外ということで。。


GINZA SIXも開業1ヶ月余りの時間が経ちますが、
なんと来場者数が既に150万人にも及び、
開業初年度の目標来場者数が2000万人の計画を上回る
入込客数だそうです。


東京ディズニーランド&シーの年間来場者数が確か3000万人台ですから、
それと比較しますと改めて驚くべき数字ですね。
各々の施設の敷地面積を比較して考えてみても、
GINZA SIXは集客の効率がメチャクチャ良いですね。


少々、不動産事業者的な、いや不動産事業での財務的な発想ですが、
敷地面積当たりの来場者数は明らかにGINZA SIX<<<東京ディズニーランド&シーですよね。また、建物や設備の投資額も建物の規模が全く異なるので、
同じ不等号式で現わされるはずです。


方や東京の一等地で世界の冠たるブランドを集積した商業とオフィスの複合施設。もう一方は、郊外での世界で愛されるキャラクターを前面に押し出したテーマパーク。
不動産事業と言うのは、その立地ポテンシャルを見極めてどの様な使い方をすれば、最大の効果を享受できるかを追求するビジネスモデルです。


最大の効果とは、不動産の単位面積当たりの投資額に対する収益の事であり、
収益を高める為にはその立地に合致した施設内容にする事なので、
結果的にお客様が必要と考える内容の施設を導入することになります。
公共的な色彩が強いと言われるのはこのためです。


事業採算的な屋台骨となる財務の考え方に、
導入する施設内容と言うコンテツをどうするかという創造的な両面の考え方が
不動産事業には必要であり、両軸を持って不動産価値を高めることになります。
GINZA SIXにオフィス施設も導入されているとは知りませんでした。


もともと銀座松坂屋があった場所での建て替えだったので、
松坂屋を中心に世界のブランド店を前面に出した商業施設だと思っていましたが、
松坂屋が出店していないと知り、少々驚きました。
しかもオフィスフロアも存在するので、松坂屋は撤退したということですね。


往年の百貨店業界も自社のブランド力を前面に出して、
その中に①自社が仕入れて販売する売り場、②アパレルメーカーに専用ブランドを用意して貰ってメーカーの責任で販売して貰う貸与する売り場、③ブランドに賃貸し出店して貰う売り場によって事業が構成されていました。


何れも、バックボーンには各百貨店ごとに共通した生活ブランドの軸があり、その傘の下で百貨と言われる、所謂、あらゆる生活に必要な製品を取り揃えて、
お客様に提供してきた訳ですが、家電は家電量販店に、家具はホームセンターに顧客を奪われて来た歴史があり、今や五十貨店と言われる様になっています。


いつもこのブログで触れるのですが、
今の世の中は情報化社会により生活者の価値観が大きく変化している真っただ中にあると思います。一言で言いますと、大衆の時代から、個性を大事にする、個々人のライフスタイルが強調される時代になっていると思います。


その様な中で、百貨店業態と言う生活に必要なモノ全てを一つの百貨店ブランドに括ること自体に無理がある。今の消費者は、特に女性は自分ならではのライフスタイル感を持っている為、自らの価値観に合致するモノやサービスなどを五感で見て感じて取捨選択しています。それを可能としたのが情報技術としてのインターネットです。


このことは百貨店業界だけに言われることではなく、製造業界にあっても然りではないでしょうか。自ら持つ基礎技術と用途開発により悲鳴を上げながら新商品を開発しているのが実情だと思います。しかし、そこでは機能や品質のみを前面に押し出し、大々的にPRを行う供給者主体の事業の方法が見てとれます。


今の時代に必要なのは、商品やサービスの意味性を決めるのは、供給者ではなく、消費者側に完全に移っていることです。そこを見誤ると、折角の新商品も売れなくなってしまいます。そうならない為には、極論ですが供給者側も消費者となること、消費者の視点でコトを提供して行くしかない。


それは、消費者に訴えかける、コトの意味性となる哲学を理念として、また経営戦略としてしっかりと消費者に訴えかけ、その上で、その哲学に基づくコトを商品としてデザイン化するプロセスが必要になると思います。よく価値観が合うとか、合わないと言いますが、それは生まれてから生活して行くプロセスの中で獲得して行く人間固有のものです。


企業組織も、法人と言いながらも、そこで働く人間が運営して行くものである以上、創業以来脈々と受け継ぐDNAと、その時代時代にそこで働く人間の考え方が織り交ぜられて企業文化と言う、より人間的な香りが醸成されるものです。その為には、組織がそこで働く方々を標準化と言う画一的な没個性の仕組みから、如何に解き放つかではないでしょうか。

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