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CSV経営!

皆さん、おはようございます!
2月も最後の週末です。早いですね。。
昨日は久しぶりに都内を忙しく駆け回っていた感じで、流石に疲れました。
今週は明日土曜日も予定がありますので、日曜日はゆっくりしたいところですが。。


先日の新聞で「街づくり 地権者協定」なる活字が目に飛び込んできた。
国土交通省が増え続ける空き地や空き家を地域ぐるみで活用する制度を設けるそうです。
例えば、地域で空き店舗を介護施設に改修したり、空き地を集めて広場や駐車場として利用する用途を決めると、その対象地、施設は所有権移転後もその用途が継続されます。



空き地や空き家を含む地権者(=土地所有者や建物所有者とお考えください)同士が一体となって協定を結び、その用途を決めて共同管理すると、仮に相続などでその空き地や空き家の所有権が移転しても、当初協定で定めた用途を継続することを義務付ける「承継効」という規定が盛り込まれるそうです。


いままでにも、再開発を行った時に、その街区の景観維持の観点から、建物に使用できる色彩や形状を統一させる為に、その街区の土地の所有者である地権者同士で協定書を結ぶという事例が結構為されています。その協定は、仮に自らの不動産を売却しても、その後の取得者も守らなければならない、謂わば自治法律の様なものです。


ただし、今回の街づくり地権者協定なるものは、不動産の取得目的である用途、言い換えますと使用目的を制限するものであり、個人の利益よりも共益を優先することになりますので、基本的な人権である自由権に抵触しないかと一瞬頭を過りますが、所有権移転後の取得者は使用制限付き不動産を取得することになるので問題にならないのでしょうか。


少子高齢化、人口減少問題が顕著となり、市街地中心地におけるシャッター街化などが顕著になり、ドーナッツ化現象(=スポンジ化現象ともいいます)が進んでいます。その様な中で、私権ばかりを優先させてしまいますと、街全体が荒廃してしまうという問題が現実になっています。


これを公権により強制してしまいますと、流石にそれは民主主義を選択した日本としては行き過ぎた行政となってしまいます。その中間的な解決策として、共益権という形で民間の権利者が社会的な見地から協定書で私権の一部を制限して行くことは、民主的な自治のあり方として必見に値すると思います。


これは個人間だけの問題ではなく、社会的な利益を追求して行くと言う意味においては、法人にあっても包含されるべき問題だと思います。
法人、とかく私企業は資本主義社会の下で、留まることのない利益の追求が課されていますので、個人以上に私権を追求する存在だと言えるかもしれません。


ここで「CSV(=Creating Shared Value)」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。「共有価値の創造」を意味しており、従来のCSRの考えかたを進化させた、企業と社会の両方に価値を生みだす企業活動を促進する次世代経営戦略を意味します。CSRと言いますと、企業本来の事業から離れた社会貢献活動という色彩が強いと思います。


このCSVは、社会の課題を企業が事業を通じて解決し、企業の価値と社会の価値の両方を上げて行こうとする考え方です。製品・サービス、バリューチェーン、地域コミュニティからなるビジネスモデルを見直し、収益性を確保しながらも社会価値を生み出していこうとする、今までの企業活動にソーシャルビジネス的視点が含まれた概念です。


例えば、一昨日取り上げた日本の林業の現状があります。輸入木材に押されてしまい、日本産の材木は衰退の一途です。これだけ国土の2/3が森林に覆われていながらです。
この時にCSVの考え方であれば、多少、コストが上がっても敢えて日本木材を利用するためにバリューチェーンを見直す等の企業努力をしていくことになります。


ある首都圏の電鉄会社が、沿線の空き家や空き地対策としてリノベーションスクールを開催して、ワークショップとして地域コミュニティの問題を解決している事例もあります。飲料メーカーが、国産の果実を利用した果汁100%のジュースを製造販売して大ヒットしたという事例もあります。これなどは地域ブランド化に役立っています。


企業は留まらぬ成長の為にグローバル化を目指して行く必要がありますが、それ以前に一市民であることを忘れてはいけないと思います。これは保護主義のように内向きになっているものとは異なります。世界を目指すが為に、足下の地域が荒廃してしまっては本末転倒な話しとなりますので、企業市民として一定の役割があると考えられます。


今までの社会は公益と私益の二つがクローズアップされてきましたが、これからは共益という観点が不可欠だと思います。資本主義の下で私益ばかりを追求して来てしまいましたが、それは共益を否定するものではありません。均整のとれた社会を創って行くためには、もう少し共益という概念を持ち得ても良いものと思います。


今日もありがとうございます。
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