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CRE戦略の意味!

皆さん、おはようございます!
東京は暖かいですね。二日ぶりの東京での朝ですが、思わずそう感じました。
松本も緑が芽吹きはじめていて、確実に陽が伸びています。
春は、もうそこまでやって来ているようです。。



「シェアオフィス」という言葉をお聞きになられたことがありますでしょうか。
2000年代になって新たに出現してきたオフィスの形態であり「複数の利用者が同じスペースを共有するオフィス」のことをいいます。最近の働き方改革のせいでしょうか、大手企業がこのシェアオフィスを採り入れる事例が増えているようです。


今まででしたら、会社の事務所を基点に外出をしたりすることがあたり前でしたが、最近ではテレワークや在宅勤務など、働き方も多様化しています。企業側も、少しでも効率良く快適に働いて貰おうと、自宅や営業先の近くにあるシェアオフィスと契約し、社員がいつでも利用できる様にしています。


日立製作所ではグループ社員3万人を対象に、首都圏で合計30ヶ所、600席を確保しているそうです。子育て中の社員に限らず、在宅勤務希望者も利用できる様です。
高島屋では、230人のバイヤーをはじめとする社員向けにシェアオフィスを全国25ヶ所に設置しているそうです。


会社として社外勤務を認めるか否か難しいところがあると思いますが、既に営業マンが隙間時間に快適なCafeに立ち寄り仕事をしていることを考えますと、実質的には社外勤務をしているのと同じだと思います。それならシェアオフィスを設置して、快適な仕事環境を提供した方が生産性も上がり、長時間労働の是正にも繋がると思います。


最近では、単なるシェアオフィスだけではなく、コワーキングスペースという「独立して働く個人が、机・椅子・ネットワーク設備などの実務環境を共有しながら仕事を行うオフィス」やシェアオフィスの発展形である「企業の枠を超えて互いのアイデアや情報を交換し、仕事の質を高める働き方ができるオフィス」へと進化しています。


不動産会社が新たな業態としてこれらシェアオフィスを提供してきましたが、最近ではヤフーやグーグルなどのIT企業までが新たなワークスタイル提案の一環として取り組んでいることが興味深いです。来るべきテレワーク社会を見越したノウハウの蓄積とPR効果を狙ったものだと思います。


今までの企業でしたらオフィス環境にここまで配慮することはなかったと思います。時代の流れでしょうか、規模の経済の中で生産工場が利益の源泉であった時代から、情報化社会においては人間の創造力が利益の源泉となることに目が向き始めたからではないでしょうか。オフィス環境も、快適なコミュニケーションを図れるように工夫されています。


日本では余り知られていないと思いますが、海外ではCRE(Corporate Real Estate)戦略の一環としてオフィス環境を整えることに注力しています。CRE戦略とは「企業不動産について「企業価値向上」の観点から経営戦略的視点に立って見直しをおこない、不動産の効率性を最大限向上させていこう」という考え方をいいます。


日本でCRE戦略と言いますと、不動産の有効活用とか、オフィスで使用される熱源のコストダウンに終始していますが、生産性を高めるという観点からオフィス環境を快適にして行くという視点がなぜか欠如して来たようです。仕事のシチュエーションに応じて、人間の精神的な状況も変わりますので、その時の状態に応じた環境というものが必要です。


そう言えば、海外では環境心理の研究が盛んに行われている様ですが、日本ではあまり耳にすることが少ないですね。以前、聞いたことのある話しですが、海外の航空会社でパイロットが極度の緊張状態に陥る様なアクシデントが起きた時に、客室に流れているBGMをコックピットにモニターし緊張を和らげることをするそうです。


人間の心理は環境によって左右される側面があります。そうでなくとも、会社では縦の上下関係を内包した人間関係でストレスが溜まりがちです。そんな時に、四角いテーブルを囲んで会議を行っても、良いアイディアなんて出て来るものではありませんよね。
中には、山林で焚き火を囲んで経営会議を行う会社もあるようです。


これからの時代、日本は人口減少問題に直面します。既に社会問題化しているオフィスビルや住宅(集合住宅を含む)の空き家問題が更に顕著になって来ると思われます。
これらの問題に対して、まちとして必要な機能を考え、これからの時代に相応しい心地よいコンパクトシティを創り付加価値を高めて行くこともCRE戦略の役割だと思います。


Corporate Real Estateの「Corporate」には会社や企業という意味のほかに「共同」という意味があります。CRE戦略を企業に限ったこととして捉えずに、もっと広くコミュニティの「場」として、まちの付加価値を高めるためにそのノウハウを活用しても良いと思います。Community Real Estate!


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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