誰にも聞けない経営財務戦略!

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価値を見い出す!

皆さん、おはようございます!
先日、ある新年会に参加した時に、どの様な心構えで事業に携わるべきかという話題になりました。皆さん、今まで仕事に携わってきた背景も経験も異なり、一概には言い切れない部分もあります。その時のテーマが頭から離れずブログに記してみることにしました。


30年間も財務に携わっていますと、経理や資金調達といった実務に留まらず、経営として創業から会社終期に至るまでの様々なイベント(会社再建、M&A、事業構築等)に遭遇します。そこで培った根底にあるものは、事業を構造的に見極め、その資源を再構築しながら、企業価値(=必ずしも経済価値だけではありません)を高め続けることです。


それを私は経営財務戦略という言い方をしています。技術的には、様々な判断基準による目盛りのついたグラス越しに、上から、斜めから、下からなど、視点をずらしながら見ることにより活きた事業が立体的に浮き上がってきます。ただ大切なのはウインドウ越しに見える外の景色(=市場環境)との調和にも絶えず気を配ることでしょうか。


経営的には、常日頃、外部環境と対峙していますと、本当にいつ何が起きるか分かりません。エンジンのないグライダーが上昇気流に乗って、しなやかにどこまでも飛び続けるように、外部環境に対して奢ることなく、その一部として自らも同化する様なこころ構えが必要なのでしょう。力ずくで経営の方向を変えようと思っても疲弊してしまいます。



企業価値を最大化することとは、企業が様々な利害関係の中で活かされている存在であることを考えますと、それら利害関係者に満足して貰うことはもちろんですが、それ以上に社会に存在する課題を解決するコトを提供し続けることが使命だと思います。その結果として、企業の経済的価値も最大限に高まるからです。


世の中には貨幣により換算できる価値(=狭義の価値)ばかりを目の当たりにしますが、労力の提供等、実は暮らしの中にある必ずしも貨幣に換算することのない価値(=広義の価値)を見出していく方が大切だと思います。全ての事業は人々の暮らしに帰結するものであり、もしかすると広義の価値を狭義の価値に変えていく過程なのかもしれません。


言い方を変えますと、とかく今の社会ではモノに付随する経済的価値に目が行きがちですが、表面的な価格と言うものは、本来、それを利用する人の心象によって価値の受け止め方が千差万別に変わりゆくものです。それを見極める為には、人間の本質について理解を深めることも必要なのではないでしょうか。


どんなに高価なものであっても、ある人にとって自らの暮らしを彩るものでなければ、価値あるものとして認められません。逆に機能としての役割を終えたモノであっても、暮らしの中で培われ何らかの意味が見出されるモノは価値あるものとして受け入れられます。このことをモノのコト化などと言ったりしています。


これだけ社会が豊かになりモノが満ち溢れていますと、人間は精神的に豊かな自分ならではの暮らしを追い求めるようになります。情報化社会が更にそれを助長し始めており、自らのライフスタイルが情報として発せられるようになり、それを受けた人が自分とは異なるライフスタイルに非日常性を感じ取り、自分の暮らしの中に採り入れます。


事業についても同じことが言えます。企業はこの150年という間に、とかく資本主義経済の下で貨幣を唯一の測定尺度として、規模の経済による効率性や合理性を追求することで限界効用という付加価値を高めてきました。ところが、これからの情報化社会においては、どれだけ社会の課題を解決する為に新たなコトを創出できるかが求められます。


確かに戦後復興とその後の高度経済成長の時代には、良いモノを安く提供することが企業の目的であり、それが求められていた思います。規模の経済を高度に実現するため、弛まぬ努力を積上げていく過程で、社会を豊かにする方法がいつの間にか目的化してしまったのが現在の姿だと思います。しかし、時代は変わります。


ピラミッド型のヒエラルキー組織を生みだしたのも、情報伝達の効率性のため、更には業務を標準化し専門特化させることが合理的であったからです。しかし、情報技術は、フラットな組織であっても効率良く情報を伝達する仕組みを創出し、単に知識の蓄積とそれを引き出すだけの専門性をコンピューターに置き換えることを実現しました。


森羅万象、人間とは自然界に抱かれる存在であり、それとの相互作用の歴史が経済の原点(=暮らし)であると思います。本来、芸術と技術は人間が持ち得る術として暮らしの中にあったように、私たちもまた自らの創造力(=生きること)と技術を調和させて捉えることにより、はじめて来るべき時代の「価値」を理解できるのではないでしょうか。


より良い豊かな暮らしを創造していきましょう!
今日もありがとうございます。
CREATE LIFE!
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