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魅力的な静岡伊勢丹!

皆さん、おはようございます!
今朝は、いつもより早く目が覚めてしまいました。
自分の意志とは関わらず、潜在意識の中でいろいろなことを考えていた様に思います。
この様な時は、フローな状態で集中力があるため、目覚めがすこぶる良いです。


静岡にブランドなき「伊勢丹」があるそうです。
三越伊勢丹ホールディングス傘下の静岡伊勢丹です。
当初はヴィトン、カルティエ、ティファニーといった高級ブランドがテナントとして入店していたようですが、駅前に松坂屋が出店してからは抜けてしまったとのことです。


静岡伊勢丹は駅前から商店街を歩いて約10分の距離にあることが原因だそうです。
ここまでの状況からは、普通でしたら、ご多分にもれず大手小売業界にありがちな「撤退」をイメージしてしまうと思います。
そんな静岡伊勢丹ですが、なんと5期連続の増益を記録しているそうです。


なぜ、そんなことが可能なのか?
それは静岡伊勢丹が「日本一の地域密着型百貨店」を標榜しているからなんです。
世界No.1の売上を誇る東京の伊勢丹であれば、世界中から逸品を集めることが出来ますが、静岡伊勢丹ではその様なことは出来ません。


そこで行ったのが、地元の生活者が知っている地域の名産品で、魅力を伝え切れていない商品に焦点をあて情報発信しているそうです。例えば、遠州織物、奥静中間山地の木材を利用した雑貨、地元のイチゴなどを新たなライフスタイルとして若い人たちに訴求し、話題になっているそうです。


肌触りの良い風合いの遠州織物は欧米ファッションショーでの常連になっており、地元のイチゴは静岡伊勢丹での紹介をきっかけに販路が大幅に拡大しているそうです。
この様な発想は、営業の会議に最初から総務の担当者が参加する等、従業員が主体的に社会的に意義あることに積極的に取り組んで行こうとする気風があるからです。


一般的にチェーンストアオペレーションという店舗の標準化と規模の経済を経営の尺度とする現代の経営思考の中では、その平均的な水準から外れる店舗は撤退することがセオリーとされています。しかし、それは標準化されたマスマーケットを前提とするからであり、地域性というものを度外視しています。


どこの地域に行っても、ナショナルチェーンの看板が目につく時代となり、同じ看板の中では全国どこでも寸分の狂いもなく同じ商材を扱っているのが、チェーンストアーです。
地域地域によって歴史的な背景が異なりますので、気質も文化も嗜好も異なることが一般的です。いまの資本主義は、それを凌駕してしまったのですね。


本来、資本も個性ある千差万別な投資先に投資してこそ、市場としての厚みが増すものですが、いまの資本は標準化された単調なものにしか投資を行わない傾向があります。言い方を変えますと、リスクの少ないものへしか投資を行わないので、ますます投資に対するリターンが低減している現状からも、世相を読み取ることが出来ます。


静岡伊勢丹は、チェーンオペレーションの枠組みの中においても、その独自性を見い出した点が素晴らしいと思います。モノが持つ歴史的な意味や文化を実店舗として情報発信して行く役割として百貨店が担うことの意味を端的に現わす良き事例だと思います。バブル経済以前までは、百貨店はチェーンオペレーションなどは行っていませんでした。


店舗ごとに地域性に合わせた独自の経営を行っている所に良さがあったはずです。
それがバブル経済後の1億総高級ブランド志向となり、どこの地域の百貨店に行っても同じ様な商材しか置いていない状況になっています。丁度、情報化社会が産声を上げたばかりで、今ほど大量な情報が交流していなかったから起きた現象でもあるのでしょう。


今は、消費者が様々な情報を手にする様になりましたので、自らが思い思いのライフスタイルやアイデンティティを確立しています。その結果、自らのライフスタイルにあった消費行動を採るようになり、モノではなく文化に裏打ちされたコトを求めている様に感じます。時代が変われば、百貨店をはじめ、各産業の役割も変わり行くものだと思います。


この静岡伊勢丹は、モノを販売する生業から、地域と一体となってモノの意味やコトといった新しい生活シーンを訴求する情報発信基地として、またその様な地域の産業を成長させる孵化器としての役割を担う立場にあるのではないでしょうか。外形上は百貨店ではありますが、その目的である内容を変容させていると言えると思います。


これは、百貨店業に関わらず、外食産業であれ、製造業でも同じことが言えるのではないでしょうか。その様な新しい発想を持つためには、やはりそこで働く人々が伸び伸びと自由な発想で、消費者としての目線も大切にしながら仕事に取り組むことでしょう。
個人個人がより良い豊かな暮らしを創造する気風を大切にすることだと思います。


今日もありがとうございます。
CREATE LIFE!
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