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ユニクロを脅かす第三勢力!

皆さん、おはようございます!
今週はあっという間の一週間で気が付けば土曜日です。
日々、駆けずり回って成果が出ているのか分からないですが、3ヶ月、半年を振り返ってみますと、少しづつですが前に進んでいることを実感します。


この週末は雲行きが怪しいですが、自分の中にある抽象化能力を少しでも呼び起させるべく、秋を楽しみたいと思います。昨日は法務局へ行ったついでに近くにありました府中美術館で、気になっていたフィンランド展を観て来ました。フィンランドのアートの本質が自然との調和にあり、それが5つの歴史的な変遷で観ることができ楽しかったです。


皆さん、洋服はいつもどこで購入されます?
私は、あまり身につけるものに気を遣わないせいか、洋服から下着まで全てがユニクロということも珍しくありません。最近のユニクロを観ていますと、一時期前よりも縫製の品質もデザインも数段レベルが上がっている様に思います。


そのユニクロも今やグローバル企業で、売上が1兆8千億円、純利益も1千2百億円に達する、押しも押されぬ超大手企業なんですね。まだ、売上規模が3千億円位の時に、大学院の研究課題としてユニクロの経営分析を行ったことがあります。当時はまだ今の様にSPAで突き抜けていなく、野菜のSPAを本気で手掛けていた時代もあるんですよ。


 ※SPA=Speciality store retailer of Private label Apparelの略
      企画から製造、店舗販売までを行うアパレル事業=製造小売り


今でこそ、SPAという業態は珍しくなくなっておりアパレルのみならず、様々な業種で製造小売りを行っています。第1次世代のアパレル産業は、製造会社、卸し会社、小売店が明確な分業体制となっており、流行り廃りの早い商品の在庫管理や商品企画に非常に無駄の多い業界構造を持っていました。当然にその無駄が商品価格に転嫁されています。


そこで1990年代に生まれたのが第二世代のSPA業態で、元祖を辿りますと今は影を潜めていますがGAP等が有名で、それを追いかけるようにユニクロが台頭してきた時代でした。お客様と店舗で接している消費ニーズを直接商品企画に活かし、まだ自ら委託縫製工場(=社員が常駐しています)で生産し、徹底的に無駄を省いていきました。


ユニクロも10数年前は国内中心のワンフロアー店舗が標準でしたので、店舗ビジネスの宿命で、そのままでは市場が飽和することが懸念材料としてありました。そこをブレークスルーしたのが、野菜等の多業態化の考えは捨て去り、商品アイテム数を増やし、グローバル展開を徹底的に行ったことがSPAでの勝因だと思います。


ところが、そのユニクロにも新たな障壁が顕在化しつつあるようです。第三勢力としてITを駆使した店舗を持たずに通信販売でオーダーシャツを提供する「オンデマンド・アパレル」の登場です。百貨店のオーダーシャツを縫製するメーカーと連携し、自分の首回りや着丈け等をサイトで指定すると身体にフィットするシャツを作って貰える。


店舗コストが掛からない分、製造原価に品質を追求できるので、SPAよりも品質が良いものを一着8千円位で手に入れることが出来るのです。
これまで店舗を持つことが強みであったユニクロですが、逆に店舗が足枷となってしまう矛盾を孕んでしまいます。ビジネスの面白いところだと思います。


PCから始まった情報技術は、いまや様々な事業の枠組みの骨格をなし、既存の業を一夜にして変革するほどの威力を持っています。このオンデマンド・アパレルのビジネスモデルは、お客様だけの一品を提供するという意味においては、究極のサービス業だと思います。第二世代までがマスプロダクトだとしたら、第三世代はマスカスタマイズですね。


これも情報技術を駆使して、顧客と縫製メーカを繋ぐOne to Oneという意味ではシェアリングエコノミーの一形態だと思います。印刷のラクスルと同様にこれからの時代を支える一つのスタンダードとなるでしょう。両方に共通しているのは、縫製や印刷をするのは中業企業であり、その中小企業と消費者が直接結びつくということです。


規模の経済を追求してきた大手企業には脅威となりますが、日本の95%を支える中小企業に陽の目を充てるという意味では時代の流れが大きく変える予兆があります。やっとこの様な時代に差し掛かって来たかという安堵感もありますが、このオンデマンドビジネスは「様々な業界」で導入が可能ですので社会の仕組み時代が変わることになるでしょう。


では、ユニクロはこのまま衰退してしまうのでしょうか。。
ユニクロには資本力がありますので、現状の店舗を強みであることを再認識して範囲の経済の考え方で、その店舗の地の利を活かして、様々なコトを販売して行けば、その先にはまた異なった業態を創出することが可能ではないでしょうか。


これからの時代、生活するものが主体の豊かな社会が到来しそうですね。
今日もご覧いただきまして有難うございます!



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