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コト消費の社会!

皆さん、おはようございます!
三連休初日の早朝の雨も束の間、今朝は寒さも和らぎ、
スッキリ晴れて、この三連休は絶好の行楽日和となりそうですね。
秋を思い切り満喫したいと思います。


昨日は、東京は浜町(=人形町のとなり街です)にある、PAPER TIGRE(=パピエティグル)というパリで人気のステーショナリーのお店に行ってきました。
パリ・マレ地区に続く2店舗目をこの浜町にオープンしたそうで、古い建物ながら洗練された店構えが好印象です。


店舗内に入ると、ティーハウス(日本茶)の横長カウンターが出迎えてくれて、その奥にお洒落な和紙で出来たような様々な手帳類と木製のデザイン枡等がシンプルに置いてあります。全体的に日本テーストで、恐らくフランスからの逆輸入ではないでしょうか。この浜町にオープンしたのも、浜町がステーショナリー関連の問屋が多かったからでしょう。


差し詰め、日本生まれのフランス育ちといった印象のお店です。
ティーハウスの日本茶も商品のステーショナリーもオリジナル商品であり、その独自性が路地裏のお店にも関わらずお客様を引き付ける理由なんだと思います。こんなところからも日本人の需要動向がライフスタイル消費に移行していることが垣間見られます。


なぜ急速に日本人の消費動向が変容しはじめているのでしょうか。
様々な要因が重なり合っていると思いますが、日常的な買回り品や耐久消費財は既に満ち足り、品質の良いものをより安くの心理だと思います。一方で、情報端末のパーソナル化により、自分ならではの欲しいものを容易に探せる様になっています。


情報媒体に触れれば、当然にそれを実際に見に行くという好奇心は、人間にとっての非日常的な体験です。なにも観光旅行をしなくとも、身近な地域やお店に自身の欲求を満たしてくれる場所がある訳です。そこで取り扱われている商品やサービスが、自らの個性的なライフスタイル欲求を満たしてくれる晴れのコトであるからでしょう。


その意味では、規模の経済、マスプロダクト、マスマーケティングを前提としてきた現在の産業構造は転換期を迎えているとも言えると思います。スケールメリットを追求すれば、単位当たりの生産コストを最小限にまで低減することができます。しかし、それは大量供給を前提としていることに課題があることを忘れてはなりません。


最近、独アディダス社が今までにない少量生産に対応できるスピードファクトリーを自国内に設置したそうです。今までの四半世紀は、規模の経済を追求して生産コストを低減する為に生産拠点をグローバル展開してきましたが、その考え方を転換する時代を認識しているようです。


共通化できる材料は共通化しているのでしょうが、3Dプリンタ(=コピー機の様な機械で立体的なモノを印刷するが如く自動で轆轤の様に製造する機器とご理解下さい)を多用しているようです。きっと工場といっても小単位の小部屋なのでしょう。町工場が集積した様な工場だと思います。


私は、この消費動向は一過性のものではなく、これから様々なシェアリングビジネス(=共有経済における事業)が個々人が持つ情報端末を通して増えて来ると思います。一方が供給者となり、もう一方が消費者となる、またその逆もある個人と個人が直接商売する関係が増え、極端な話しですが供給者と消費者の境目がなくなる時代になると思います。


この時代の流れを踏まえ考えますのは、昨日のブログで綴りました中小企業のあり方です。少量生産の独壇場にあるのは中小企業ですし、長らく大手企業の下請け業務を司っていますので、少量品の効率性と品質力を持っています。これら中小企業と消費者とが結びついて成功している事例としてアパレル企業のオリジナルブランド化でしょう。


また、もう一つの中小企業の類型として考えられるのは、匠の技を持つ職人が司る工房としての中小企業です。これらの方々は、自らが消費者でありながら供給者でもあります。
しかも、消費者にとってオリジナルなオーダーメード製品を作ってくれます。衣類や家具は昔からありましたが、最近は靴なども人気の製品ですよね。


それ以上に、家庭の主婦の趣味のお菓子作りが昂じて、口コミやインスタグラム等を通じて全国に広まり、手作りの受託生産を行っている方も出現しています。当のご本人には起業している感覚はないと思いますが、これからの時代の起業とはその様なものではないでしょうか。その様な感覚で、衣類、家具、靴などを作るセミプロが出現するのでしょう。


更にはセミプロが、プロになる時代でもあると思います。その様な中から匠の技を伝承する方が現われるのが自然な形なのかもしれません。規模の経済を前提とする資本主義経済は貨幣価値に換算される経済事象しか経済として捉えませんが、実は貨幣価値に換算することにそぐわない経済行為にこそ着目しなければならないと思います。


その意味では、資本主義経済も人間の営みの一部のみを照らすのではなく、もっと多様性を持つ必要があると思います。余談ですが、その為には、現行の貨幣換算できる経済事象のみを対象とする企業会計のあり方も、実は経済の一面しか捉えておらず、もう少し定性面からも事業を表現する工夫が必要なのかもしれません。


今日も、ここまでご覧いただきまして有難うございます!

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