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中小経営者の引退問題。!!

皆さん、おはようございます!
昨日の夕方からの雨で、朝から冷えますね。。
昨晩は、あまりの寒さに、なんと長袖のシャツを2枚重ね着してしまいました。
今日から三連休、雨模様をいとわずに、秋を思い切り楽しみましょう!


えっ、127万社? 何の数字だか分かりますか? 
2025年に経営者の平均引退年齢70歳を超える中小企業245万社(中小企業全体の6割)のうち、後継者が未定の企業数です。
実に過半数の中小企業で後継者がいません。


中小企業全体の3割が、このまま行きますと廃業を余儀なくされる計算です。経済産業省の試算によると、後継者未定企業数の半分を占める黒字企業を放置しますと2025年までに約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(=GDP)が喪失するそうです。高齢化という人口動態の歪みが、ここまで波及するのは正直に驚きます!


一方、中小企業庁から公表されています起業希望者数が1979年に178万人であったのに対して、2012年には84万人と半減(データが古いので、現状はもっと減っていると想定されます)しています。また、実際に起業する人は起業希望者数の2割程度です。普段、大手企業にばかり目が行きがちですが、見逃せない現実です。


一般論として生産労働人口が減少する問題に対して、AIやITの技術を活かして一人当たり生産性を向上させることは出来ても(どうやって生産性を高めるかは改めて考えてみたいテーマです。。)、流石に中小企業の「社長」、同時にその会社の「所有者(=株主)」についてまで、生産性向上だけで解決することは出来ないでしょう。


中小企業は、地域との結びつきが強く、その中小企業が失われるということは、
地域経済の活力が衰退するばかりではなく、まちなみの観点からも、人の行き来が減少する観点からも、非常に地域が荒廃する要因となってしまいます。
「ALWAYS三丁目の夕日」の情景を思い出してみて下さい。


一括りに中小企業とは言いましても、その業種は1次産業から3次産業まで広範囲に渡っており、業種がらマネジメント型社長から人間国宝的な匠の技を持つ社長まで千差万別だと思います。ある経済学者の中には、赤字続きで資金繰りに行き詰まる中小企業は新陳代謝を促すので産業にとっては良しとする論調も聞こえて来ます。


しかし、産業構造の中で考えた時に、例えば林業、製材業の様に赤字だから衰退させて良いとは言えない事業もある訳です。一次産業は特に自然の環境資源を相手にする産業ですので、自然の恵みを荒廃させる訳にはいきません。また、酒蔵をはじめ、日本が世界に誇る伝統技術を後世に残して行かなければならない事業や産業もあります。


私は、終戦後のGHQ占領時に様々な文化、産業、教育が欧米より持ち込まれ、その後の高度経済成長を経て現在に至っている所までは良いと思うのですが、その時の何らかの人為的な歴史的な分断が、この動態人口問題や物事の考え方に深く影響し、ひずみを起こしているいる様に思えてなりません。


今はなき、ある大手流通グループで、バブル経済崩壊による憂き目で会社再建業務に7年ほど携わったことがあります。その時の経験で、世の中に不必要な事業はなく、社会的な公器だと考える様になりました。例え赤字事業でも、事業としての歴史、使命があり、事業を時代に合わせて必要な部分を生き長らえさせることが必要だと考えます。


その意味で、後継者のいない127万社の中小企業につきまして、経営者の技術力に依存しないマネジメント型の黒字企業については、M&A型事業承継をアドバイスする企業も増えてきており、社会的な仕組みが整っているため、他企業との事業統合や経営職を承継することにより自然に事業承継が進んで行くと思います。


問題は、赤字ではあるが社会的な意味から存続させて行かなければならない事業です。
その事業が持つ卓越した後世に伝承すべき機能を充分に見極め、
古くなった企業という枠組みを時代にあった衣に着せかえてでも存続させる。
そんな諸策が必要になると思います。


ちょうど、時代が個々人のライフスタイルを大切にする消費者行動に変容しつつあります。そこでは、自分ならではの逸品が好まれます。
上手くその時代の流れを捉えて、引退間近の経営者が持つ人格的な技術を伝承しつつ、繋げることが出来れば、最悪の状況を回避できるのではないでしょうか。


これからの時代のキーワードとして、「AI(=人工知能)」「ICT(=情報技術)」「規模の不経済」「コト消費」などがあげられます。
これらの新しいものを取り入れながら、上手く融合させて行く必要もある様に思います。
奥の深いテーマですので、折を見て綴って行きたいと思います。。


今日もご覧いただきましてありがとうございます!


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