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本音で語るトップの決断!

皆さん、おはようございます!
昨日から日中の暑さがまたぶり返して来ましたね。
陽が落ちると鈴虫の声が聞こえてきて、
確実に秋が近付いている様ですね。


この季節になると昨年の今頃を思い出します。
自らが代表取締役を務める企業の一大決心をした時のことです。
前進するのも茨の道、退去するのも先の読めない不安感です。
自分の人生の中でも一大決心であったと思います。


30年間にわたりイレギュラーな経営管理や財務の仕事を行っていますと、
定量的に割り切れる判断が多く、忍耐強く匍匐前進していれば何らかの結果が得られるものです。ところが、小さいながらも経営者を務めますと、
割り切れない判断ばかりとなります。


将来に関することなんて誰にも分かりません。
それが死ぬか生きるかの岐路であったらどうでしょう。
管理畑出身の人間だったら、
間違いなくリスクを小さくする方法を選択します。


一般的にファイナンスの世界では、大きなリターンを取りに行こうとすると、
それに伴ってリスクも大きくなります。
結果的に自分の許容できる、若しくは会社として耐え得る範囲内のリスクに留まる、
リターンを確実に取りに行こうとします。


ところが明らかに前も後ろも許容できない判断をしなければならない時は、本当に痺れます。リカバリーの打ち様が無くなってしまうからです。主観で判断するしかない。
誰にも相談できず、自らが判断を下さなければならない重苦しさは、
今でも忘れられません。


もし、管理系ではなく、営業系の方が代表者であったらどうであっただろうかと、
今でも良く考えます。
会社とは経営者の生き写しと良く言われますが、経営者が異なれば、
またプロセスも異なりますので同じ状況は起き得ないかもしれません。


ある知人の経営者から経営判断のこころ構えの様な話しを聞いたことがあります。
その経営者いわく、段階を踏んで物事を判断する様に癖を付けているとのこと。
①その仕事を遣りたいか否か。②その仕事が利益を生むか否か。③その仕事が社会の為になっているか否か。


非常に分かり易く、合点のいくものです。
その知人も色々と悩み今に至っているのですが、
その都度、先輩経営者に相談したりした結果として、
自分なりに導き出した経営判断方法の様です。


会社経営を行ってきた方なら良く理解できると思いますが、①が最初に来ることに疑問を持たれる方も多いと思います。自分が遣りたい仕事=自分のできる仕事ということです。仕事の結果を全てトップとして責任を負わなければならない立場になりますと、そもそも自分の出来ない事は無謀過ぎて遣ってはいけないからです。


その上で、利益が出る仕事のみを遣る。そう思って取り組んでも、事業なんて環境変化によりどの様に変容し、着地するか分からないものです。
最初から利益が出ないと思うものに手を出すことはご法度です。
そして最後に、同じ仕事でも社会性がなければ世の中に受け止めては頂けません。


この様に考えますと、私の場合は社会性が自分の遣りたいことを凌駕することが時々あります。言い方が難しいのですが、あまりにも市場を注視してしまうと、自分の遣りたいことと社会で必要とされていることの錯覚を起こしてしまうのでしょうか。。
その意味では、私はトップには向かないと思います。参謀タイプですね。


それから、その知人経営者が良く言うには、トップは自らの個室を設けるべきだということです。賛否あるかもしれませんが、社員と同じフロアーに一緒に居続けますと心理的に同化してしまうとでもいいますか。心象的に客観的な判断が下し難くなるというのは理解できます。個人差もありますが、自室から出たり入ったりするのが良いのでしょう。


最近、既に株式を公開しているITベンチャー創業オーナーの赤裸々な自叙伝を読みました。驚きましたのは、先ほどの①~③の様なステップは無関係に、ただ只管に株式公開を目指して、そのエネルギーが半端じゃないです。私からすると、リスクのリの字もモノともせずに走り抜けるその逞しさには頭が上がりません。


一方、東芝の現社長は背水の陣で大変だと思います。
ただ素朴な疑問は、今回の東芝問題の原因となった原子力発電買収の判断はどの様に為されたのか。先の①~③のステップに準えればあり得ない話ではありますが、大企業は大企業ならではの難しい部分(=現場とトップの距離)があるのかもしれません。


創業企業とは経営者の生き写しとは言いますが、やはり社長業に向いている資質というものがあるのではないでしょうか。企業は経営者の器以上には大きくならないと思います。
企業を取り巻く環境も日に日に変化して行くものです。その状況に合わせて、経営者も替って行くことが必然化かと思います。


今日は一年を振り返って、自分を突き詰めてみました。
少しでも皆様のご参考になれば幸いです。

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