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100年後の日本

皆さん、こんにちは!
いつもは朝書くブログですが、
今日は朝から歯科へ行きそのまま明治神宮へ訪れた為、
今頃になってしまいました。


明治神宮って、昔から正月に初詣に行きますが、
それ以外の季節に行くのは初めてで、
その意味では近い様で遠い存在の都会のオアシスだったことに気が付きました。
ちょうど2020年で施設が開設されて100周年だっとは知りませんでした。


100年前に作られた施設なのですが、生い茂った樹木を見ますと天然の植生と見間違うほどですが、人工なんですね。歴史を身近に感じるのは、100年前に都心にこんな広大な土地が残されていたことですね。という事は、いまの都会ははこの100年余りの間に作られたと思うと不思議な感じがします。


人間の営みというのは日々ではなかなかその動きが見えないものですが、
100年というスパンで物事を捉えると非常に変化が著しい。
これからの100年はどの様な社会に生まれ変わるのか、
参拝路を歩きながら頭を巡らせていました。


この様な都会の森がある一方で、
北参道を歩いていると直ぐその奥では新宿の高層ビルが乱立しています。
この微妙な異次元のハーモニーって何なんだろう。。でも、100年後には間違いなく各フロアー歯抜けとなってビル事業経営が成り立たなくなっているのでしょう。


先日、日本の四半期GDPが4%成長と発表がありましたが、
実は消費支出はこの数年間横ばい状態が続いています。考え得るのは、設備投資が日本の経済を牽引しているということです。確かにこれだけビル建築が始まっているので肌で感じることと統計数値が一致していることになります。


これだけゼロ金利政策が長引けば、また東京五輪・パラリンピックを背景に、産業セクターは活況を帯びているが、消費セクターは実感を伴っていないということになります。
私は、現状、20数年前のバブル経済の華盛りし時に似ていると思います。異なるのは、バブル経済の時は消費セクターも財布の紐がゆるゆるだったことでしょうね。


怖いのは、東京五輪・パラリンピック閉会後の日本の経済ですね。
人口減少、財政問題等のネガティブな要素ばかりで、明るい話題がありません。
産業界ではICTやAI等の革新技術を活用したIOTやシェアビジネス等の新たな商品やサービスを差し詰め何処まで実現できるかに掛かっていると思います。


最近の消費動向の話題として記憶に留まっていることを幾つかご紹介して行きますと、
①トヨタが系列ディーラーを通して、カーシェアリングビジネスに本格参入します。自動車に対するライフスタイルが変容しており、レンタカーより頻繁に車を使う層が、購入よりもタイムシェアを選好する傾向にあること。


②消費低迷を反映して、花王がマスプロダクト製品からスモールマスプロダクト製品に力を入れ始めていること。
③EC業界においても、消費の低迷の中でリアル店舗での購買層からの移行で売上を堅調に伸ばしており、取り扱う商品ジャンル、アイテムを強化していること。


④家電量販店のPB商品が価NB商品との比較で価格の安さから売上が堅調に推移しており、こちらもPB商品の取り扱い割合を強化していること。
何れの話題にも共通しているのは、既存のNB商品に対する倹約志向が顕著で、❶価格を下げる、❷販売から利用に形態を変える、❸取り扱いジャンルを広げる。


消費者の立場で理解しますと、日常的な買回り品に対して、消費者はお金を遣わなくなっている事実があります。長年続いたデフレ経済の中で所得も切り下がってきた現実がありますが、倹約をしながらも自らのライフスタイルに合致することにはお金を遣っている事実もあり、その意味ではお金の遣い方が上手くなったとも言えます。


この流れは、東京五輪・パラリンピック後には更に顕著になっていると思います。財布の紐を緩める為には、もっとライフスタイルを楽しむ時間を増やすこと。それからライフスタイルを訴求する商品を新たに創出して行くことだと思います。ライフスタイルを楽しむ時間を増やすという事は、働いている時間の生産性を高めるということにも繋がります。


一方、ライフスタイルを満足させる新たな商品を提供する為には、残念ながら現在のマスプロダクトを前提とした産業や社会の仕組みではそれを実現するのは難しいのではないでしょうか。マスプロダクトの対義語は限りなくオーダーメード商品に近付いて行くことになります。マスプロダクトの仕組みでオーダーメードに近付くには限界があります。


効率性を前提とした組織の仕組みとは考え方を全く異にする世界だからです。
ECの伸長によりマーケティングの世界では、よりパーソナルに近付きつつあります。
研究開発や製造プロセスは旧態依然としたマスの世界が今でも続いています。
AI技術によって、この部分を凌駕できるのでしょうか。


私の答えは、オーダーメード商品は作り手の「顔」が見えないと駄目だと思います。
その意味では工場生産の限界ですね。自動車産業でいうトヨタに対する光岡自動車ですね。そうなると、現在ある日本の大手メーカーは人口減少も相俟って、ますます売上が減少して行くことになってしまいます。


例えば、大手メーカーは自らの力の源泉である工場という施設を廃棄(全部ではありませんが。。)し、中小企業と連携できるところは連携したらどうでしょうか。工場生産と品質管理のノウハウを連携先の中小企業に開示して、サービス売りをすれば良いのではないでしょうか。自らの販売チャネルや物流網は活かすことが出来るかもしれません。


バリューチェーンを分解して、時代にそぐわなくなった機能は廃棄し、そして新たな機能を取り入れて再度組み立てれば良いだけです。人間の営みは滞ることなく動いています。ある瞬間で見ればスピードが減退することがあれども、100年スパンで見ればきっと次なる時代に生まれ変わっていることでしょう。


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